乾燥機能を毎日使っているけど、電気代がどのくらいかかっているのか気になる…
洗濯乾燥機の乾燥機能は、外干しできない雨の日や花粉の季節、忙しい共働き世帯にとって欠かせない機能です。しかし「なんとなく電気代が高そう」と感じながらも、実際にどのくらいかかっているのか把握できていない方も多いのではないでしょうか。
じつは、洗濯・脱水工程と乾燥工程では電気代に大きな差があります。洗濯から脱水まで(約45分)の電気代は1回あたり約2.11円ですが、乾燥工程(約105分)になると約56.17円にもなります。これは洗濯時の約27倍という驚きの数字です。
さらに、洗濯乾燥機の種類(縦型ヒーター式・ドラム式ヒーター式・ドラム式ヒートポンプ式)によっても電気代は大きく変わります。同じドラム式でも、ヒーター式とヒートポンプ式では1回あたりの電気代が2倍以上異なるケースもあります。
この記事では、種類別の電気代データや月間・年間シミュレーション、浴室乾燥機・コインランドリーとの比較、そしてすぐに実践できる節約術まで、Corpusに基づいた具体的な数値でわかりやすく解説します。
- 乾燥時の消費電力は洗濯時の約27倍。種類によって電気代は大きく異なる
- ヒートポンプ式はヒーター式の半分以下の電気代。10年で10万円以上の差が出る
- フィルター清掃・8割容量・脱水時間延長の3原則が最も効果的な節約術
- 省エネモードや夜間電力プランを組み合わせるとさらにランニングコストを削減できる
洗濯機の乾燥にかかる電気代の種類別比較
- 乾燥の電気代が洗濯時の27倍になる仕組みとデータ
- 縦型・ドラム式ヒーター式・ヒートポンプ式の電気代を種類別に比較
- 月いくら?ライフスタイル別の電気代シミュレーション
- 浴室乾燥機やコインランドリーとの電気代比較
乾燥の電気代が洗濯時の27倍になる仕組みとデータ


洗濯乾燥機を使ったとき、洗濯・脱水工程と乾燥工程では電気代に圧倒的な差があります。シャープのドラム式ヒーター乾燥機種「ES-H10F」を例にすると、洗濯から脱水までの約45分で消費する電力量は68Wh、電気代は約2.11円(電気料金単価31円/kWhで計算)です。一方、乾燥工程の約105分では消費電力量が1,812Whにのぼり、電気代は約56.17円となります。
この差は洗濯時の約27倍にあたります。電気代の計算式は「消費電力量(kWh)× 電気料金単価(31円/kWh)」で求められます。
なぜこれほど差が出るのでしょうか。ヒーター式の乾燥機能では、ヒーターで最高100度近くまで熱した温風を衣類に当てて水分を蒸発させます。さらに、蒸発した水蒸気を含む熱い空気を冷却水で冷やして機外に排水する工程も必要で、ヒーターと冷却の両方に電力を消費します(冷却に水道水も使用)。
重要なのは、どの機種でも洗濯工程のみでかかる電気代は1回あたり約2〜3円でほぼ変わらないという点です。機種によって電気代の差が大きく出るのは、乾燥工程に使う方式の違いによるものです。
乾燥工程でかかるエネルギーは機種によって大きく異なります。洗濯工程の電気代がほぼ横並びである以上、乾燥機能の選択こそが毎月の電気代を左右する最大のポイントといえます。


縦型・ドラム式ヒーター式・ヒートポンプ式の電気代を種類別に比較


洗濯乾燥機には大きく3種類の乾燥方式があり、電気代は方式によって大きく変わります。シャープの機種で比較すると、縦型ヒーター式(ES-PT10F)は洗濯から乾燥まで1回57.35円(1,850Wh)、乾燥のみで54.31円(1,752Wh)かかります。ドラム式ヒーター式(ES-H10F)は洗濯から乾燥で58.28円(1,880Wh)、乾燥のみ56.17円(1,812Wh)と、縦型ヒーター式と大きな差はありません。
一方、ドラム式ヒートポンプ式(ES-WS14)になると洗濯から乾燥で27.90円(900Wh)、乾燥のみ25.42円(820Wh)と、ヒーター式の半分以下の電気代になります。
複数メーカーのヒートポンプ式データを見ると、パナソニック「NA-LX127D」が標準890Wh(27.6円)・省エネ620Wh(19.2円)、日立「BD-STX130KL」が標準1,150Wh(35.7円)・省エネ680Wh(21.1円)、東芝「TW-127XP4」が標準1,330Wh(41.2円)・省エネ720Wh(22.3円)となっています。
ヒーター式縦型で最も消費電力が高いのは東芝「AW-10VP4」の2,450Wh(76.0円)です。
同じドラム式でもヒートポンプ乾燥タイプはヒーター乾燥タイプの半分以下の電気代であることが、複数メーカーのデータから確認できます。
なぜヒートポンプ式はここまで省エネなのでしょうか。ヒートポンプ式は冷媒ガスの圧縮・膨張サイクルを利用して空気の熱をくみ上げる仕組みで、約60〜65℃の低温乾燥で衣類を乾かします。熱を作り出すのではなく、空気中の熱を移動させるため消費電力が少なく済みます。加えて、衣類の縮みや傷みも最小限に抑えられるというメリットもあります。
縦型の構造的特性として、横回転の遠心力で衣類が密集するため空気が通りにくく、乾燥に時間がかかります。ドラム式は衣類が上から下に落ちる際に温風が当たり、ほぐれながら乾燥するためシワになりにくいという特性があります。
乾燥1回の電気代の目安は、ヒーター式縦型で54〜76円、ヒーター式ドラムで56〜62円、ヒートポンプ式で19〜42円程度です。
月いくら?ライフスタイル別の電気代シミュレーション


洗濯乾燥機の乾燥機能の電気代は、使用頻度と機種の組み合わせで大きく変わります。ここでは2つのライフスタイルパターンでシミュレーションします。
4人家族・毎日使うデイリーユーザーの場合(月30回)
| 機種タイプ | 1回の電気代 | 月間電気代 | 年間電気代 |
|---|---|---|---|
| ヒートポンプ式(省エネモード) | 約21円 | 約630円 | 約7,560円 |
| ヒーター式縦型 | 約70円 | 約2,100円 | 約25,200円 |
毎日使う場合、ヒートポンプ式(省エネ)とヒーター式縦型の年間差は約17,640円になる可能性があります。
単身・共働き・週2回ユーザーの場合(月8回)
| 機種タイプ | 1回の電気代 | 月間電気代 | 年間電気代 |
|---|---|---|---|
| ヒートポンプ式(省エネモード) | 約21円 | 約168円 | 約2,016円 |
| ヒーター式縦型 | 約70円 | 約560円 | 約6,720円 |
月に8回程度の利用でも、月々約400円・年間約4,800円の差が生じます。
他メーカーの具体的なデータを見ると、パナソニック「NA-FW10K2」(縦型)は1回71円(2,290Wh)、パナソニック「NA-VG2800」(ドラム式ヒーター)は約62円(1,980Wh)、パナソニック「NA-LX129CL/R」(ヒートポンプ)は標準28円(890Wh)・省エネ20円(620Wh)となっています。
注意点として、省エネモードは消費電力を抑える代わりに乾燥時間が長くなります。例えば日立「BD-STX130KL」では標準モードの93分が省エネモードでは200分まで延びます。忙しい日には標準モード、時間に余裕がある日には省エネモードと使い分けるのが賢い方法です。


浴室乾燥機やコインランドリーとの電気代比較


乾燥手段は洗濯乾燥機だけではありません。浴室乾燥機、コインランドリー、除湿機といった選択肢との電気代を比較すると、洗濯乾燥機の位置づけが明確になります。
浴室乾燥機
衣類を乾かすには約3時間の運転が必要です。消費電力は1.3kWが一般的で、1回(3時間)の電気代は約105.3円(27円/kWhで計算)になります。複数メーカーの1,200〜1,250Wタイプで2〜3時間運転した場合、74.4〜116.3円かかります。別の試算では1時間あたり37〜62円という数字もあり、1日6時間使用すると月6,660〜11,160円に達する計算です。
電気式単体衣類乾燥機(ヒーター式)
2〜3時間使用で1回約73.2〜116.7円かかります。
コインランドリー
洗濯から乾燥まで1回で1,000〜2,000円が相場です。週1回利用すると年間52,000円になります。利便性は高いですが、ランニングコストは洗濯乾燥機と比べて大幅に高くなります。
除湿機+サーキュレーター
電気代は1回あたり約15〜40円と最も安く抑えられますが、乾燥時間が長く手間もかかります。
洗濯乾燥機(ヒートポンプ式)との比較
ヒートポンプ式洗濯乾燥機なら1回約20〜40円で、約2.5〜3.5時間でボタンを押すだけで乾燥まで完了します。浴室乾燥機の半分以下のコストで、コインランドリーとは比較にならないほど安く仕上げられます。
日常的に乾燥機能を使う家庭であれば、洗濯乾燥機の乾燥機能(特にヒートポンプ式)は、他の乾燥手段と比べてもコストパフォーマンスが高い選択肢といえます。


洗濯機の乾燥電気代を節約する方法と賢い選び方
- 乾燥フィルターの清掃が電気代節約と火災防止につながる理由
- 容量8割・まとめ洗い・脱水時間延長の節約3原則
- 省エネモード・自然乾燥との組み合わせ・夜間電力プランの活用
- ヒートポンプ式とヒーター式を10年トータルコストで比較して選ぶ
乾燥フィルターの清掃が電気代節約と火災防止につながる理由


洗濯乾燥機の電気代を節約するうえで最も重要かつ効果的な習慣が、乾燥フィルターの定期的な清掃です。乾燥使用後、フィルターには衣類の糸くずやホコリが大量に付着します。これらが蓄積するとフィルターが詰まり、温風の通り道が妨げられて乾燥効率が著しく低下します。
乾燥効率が下がると乾燥時間が不必要に長引き、余分な電力を消費することになります。フィルターの目詰まりは、乾燥ムラや衣類の傷みの原因にもなります。
NITE(製品評価技術基盤機構)の報告によると、乾燥フィルターや排気ダクト内に蓄積した糸くずが発火し、火災に至った事例が複数報告されています。電気代節約だけでなく、安全対策としても乾燥フィルターの清掃は欠かせません。
日常的なお手入れとして、乾燥使用後は毎回フィルターについたホコリを取り除く習慣をつけましょう。さらに週に1回はフィルターを取り外して水洗いし、乾燥させてから元に戻すことで清潔な状態を保てます。
また、排水フィルターの詰まりも乾燥効率の低下につながります。乾燥工程で発生した水分(ヒートポンプ式では結露水として回収)が排水フィルターを通じて排出されますが、ここが詰まると乾燥効率が落ちるため、定期的な清掃が必要です。
フィルター清掃は費用ゼロで実践できる節約術です。機種のメンテナンス頻度の目安(毎回・週1回など)は取扱説明書に記載されているため、ご自身の機種に合わせた頻度で行うことをおすすめします。


容量8割・脱水延長・一括乾燥で電気代を削減する3原則


乾燥時の電気代を下げるために、日常的に実践できる節約術が3つあります。
1. 容量8割で乾燥する
乾燥機に入れる衣類の量は8割程度に抑えると、温風が効率よく衣類の間を通り抜けて乾燥時間が短縮されます。5kg容量の機種なら約4kgが理想的です。容量以上に詰め込みすぎると乾燥ムラやシワの原因になるだけでなく、乾燥時間が延びて電力消費も増えます。
なお、洗濯乾燥機の乾燥時の最大容量は洗濯・脱水時より少ない場合があります(例:シャープ「ES-H10F」は脱水10kgに対し乾燥6kgが上限)。カタログ表記を確認しておきましょう。
毎日少量ずつ乾燥させたほうが効率いいのかな?
じつは2日分まとめて8割容量で乾燥させるほうが、年間約1,300円お得になります(経済産業省 資源エネルギー庁)。毎日4割よりまとめて8割が正解です!
2. まとめ洗い・まとめ乾燥
毎日4割の衣類を乾燥させるより、2日に1回8割の衣類をまとめて乾燥させたほうが年間約1,300円の節約になるというデータが、経済産業省 資源エネルギー庁から示されています。起動・停止の回数を減らすことでも節電効果があります。
3. 脱水時間を長めに設定する
脱水時間を長く取ると、遠心力で衣類の水分をより多く除去してから乾燥工程に入れます。熱で水分を蒸発させるよりも、遠心力で水分を飛ばすほうがエネルギー効率が良いため、脱水をしっかり行うほど乾燥時間と電力消費を削減できます。
タオルや厚手の衣類は脱水前に軽くほぐしておくと水分が抜けやすくなり、さらに効果的です。ただし、生乾きの状態で乾燥を終わらせると菌が増殖して嫌な臭いの原因になるため、しっかり乾ききるまで運転することも重要です。
省エネモード・自然乾燥との組み合わせ・夜間電力プランの活用


洗濯乾燥機の乾燥電気代をさらに抑えるための工夫として、省エネモードの活用・自然乾燥とのハイブリッド・夜間電力プランの3つが効果的です。
省エネモードの活用
ヒートポンプ式洗濯乾燥機の省エネモードを使うと、標準モードより消費電力を30〜40%削減できる場合があります。例として、パナソニック「NA-LX129B」の省エネコースは標準890Wh(約28円)から620Wh(約20円)に削減できます。東芝「TW-127XM5L/R」の乾燥節電モードでは、年間電気代の差が7,365.6円に達するという試算もあります。
ただし、省エネモードは乾燥時間が長くなる点は前述の通りです。時間的余裕があるタイミングで使うのが効果的です。
自然乾燥とのハイブリッド活用
天気の良い日は外干しで乾かし、乾き切っていない部分だけ乾燥機にかけるやり方を取り入れると、年間13,380円の電気代差が生じるという試算があります。乾燥機の使用時間を短縮するだけで大幅な節約につながります。
夜間電力プランの活用
電力会社によっては、夜間の電気料金が日中の約25%安くなるプランがあります。洗濯乾燥機のタイマー機能と組み合わせれば、夜間の安い電力で乾燥を済ませることができます。昼間に運転するより大幅な節約が期待できます。
集合住宅では深夜の運転音が近隣の迷惑になる場合があるため注意が必要です。また、乾燥が終わったらなるべく早く衣類を取り出すと、乾燥後のドラム回転機能による余分な電力消費を防げます。室温が5℃以下または25℃以上の環境では、運転時間が10〜20分長引く場合があるため、季節ごとに使い方を調整するのも有効です。
ヒートポンプ式とヒーター式を10年トータルコストで比較して選ぶ


洗濯乾燥機を選ぶ際、本体価格だけで比較するのは危険です。毎日使うものだからこそ、10年間のトータルコスト(本体代+電気代合計)で判断することが重要です。
10年トータルコスト比較
| 機種(タイプ) | 本体価格 | 年間電気代 | 10年トータル |
|---|---|---|---|
| パナソニック「NA-LX127D」(ヒートポンプ) | 250,000円 | 7,300円 | 323,000円 |
| パナソニック「NA-SD10HAL-W」(ヒーター式ドラム) | 180,000円 | 22,630円 | 406,300円 |
| 東芝「AW-10VP4」(ヒーター式縦型) | 150,000円 | 27,740円 | 427,400円 |
本体価格ではヒートポンプ式が最も高いですが、電気代の差が積み重なることで5年半以降にはヒートポンプ式のトータルコストが逆転します。10年間では差が10万円以上に拡大するという試算です。
ハイブリッド式(シャープ「ES-12X1」)は590Wh・1回約18.3円とさらに省エネ性能が高い機種もあります。予算と使用頻度に合わせて選びましょう。
ヒートポンプ式が向く人
毎日乾燥機能を使う・デリケートな衣類(ウールやシルクなど)が多い・集合住宅で排気の匂いが気になるという方にはヒートポンプ式が最適です。
ヒーター式が向く人
初期費用をなるべく抑えたい・週1回未満しか乾燥機能を使わない・設置スペースが限られるという方にはヒーター式でも十分な場合があります。
なお、洗濯機の容量の目安として家族人数×1.5kgが推奨されているとの報告があります。容量選びも電気代効率に関わるため、家族構成に合ったサイズを選ぶことが大切です。また、10年以上同じ洗濯機を使っている場合は、最新の省エネ機種への買い替えを検討するタイミングといえます。


洗濯機の乾燥機能と電気代を賢く抑えるポイントまとめ
この記事のまとめです。
- 洗濯・脱水(約45分)の電気代は約2.11円(68Wh)だが、乾燥(約105分)は約56.17円(1,812Wh)と約27倍の差がある
- 電気代の計算式は「消費電力量(kWh)× 電気料金単価(31円/kWh)」
- 乾燥方式はヒーター式と比べてヒートポンプ式が半分以下の電気代になる
- シャープの機種比較で、ヒーター式ドラム(ES-H10F)は乾燥1回56.17円、ヒートポンプ式(ES-WS14)は25.42円
- 4人家族が毎日使う場合、年間電気代の差はヒートポンプ省エネ(7,560円)vsヒーター縦型(25,200円)で約17,640円
- 浴室乾燥機(1回約74〜116円)やコインランドリー(年間約52,000円)と比べて洗濯乾燥機はランニングコストが安い
- フィルター清掃は乾燥効率維持と火災防止のために最も重要な日常メンテナンス(NITE報告あり)
- 毎日4割より2日に1回8割容量でまとめて乾燥させると年間約1,300円節約(経済産業省 資源エネルギー庁)
- 脱水時間を長めに設定すると乾燥工程の電力消費と時間を削減できる
- 省エネモードを活用すると消費電力を30〜40%削減できる場合がある
- 自然乾燥とのハイブリッド活用で年間13,380円の電気代差が生じるという試算がある
- 夜間電力プランは日中の約25%安い場合があり、タイマー機能と組み合わせると効果的
- 10年トータルコストではヒートポンプ式が5年半以降に逆転し、10年で10万円以上の差が出る
- 室温が5℃以下または25℃以上では運転時間が10〜20分長引く場合がある
- 10年以上使っている古い洗濯機は最新の省エネ機種への買い替えを検討する価値がある

