洗濯しようとしたら水が溜まらない!これって故障?
原因によっては自分で解決できます。まず給水系か排水系かを切り分けることが大切です。
洗濯を始めようとしたら、いつまでたっても水が溜まらない——そんなトラブルに突然直面すると、誰でも焦ってしまうものです。「もしかして故障?」と思いがちですが、実際には自分でできる簡単な対処で解決するケースが多くあります。
洗濯機に水が溜まらない原因は、大きく「給水系」と「排水系」の2種類に分かれます。蛇口の開け忘れや給水フィルターの詰まりといった給水側のトラブルと、排水弁に異物が詰まって水が流れ続けてしまう排水側のトラブルです。どちらが原因かを正しく見極めることが、素早い解決への近道です。
この記事では、洗濯機に水が溜まらないときに考えられる主な原因を順番に解説し、自分でできる確認方法と対処法をわかりやすく紹介します。また、「業者に頼むべきか?」の判断基準や、再発を防ぐためのメンテナンス方法もあわせてお伝えします。
1. 水が溜まらない原因は「給水系」と「排水系」の2種類に分けて考えると特定しやすい
2. 蛇口・フタ・給水フィルターなど、自分で確認できる箇所から順番にチェックするのが鉄則
3. 排水弁の詰まりや排水モーターの故障が原因の場合は、症状の見極め方が重要
4. 月1回の給水フィルター掃除と使用後の蛇口を閉める習慣で多くのトラブルは防げる
洗濯機に水が溜まらない原因を特定する
- よくある原因と見分け方(蛇口・フタ・断水・給水系・排水系のトラブルの概要)
- 自分で確認できるチェックポイント(8項目の確認手順と給水系・排水系の切り分け方法)
よくある原因と見分け方


洗濯機に水が溜まらないとき、原因は大きく「給水系」と「排水系」に分かれます。まずそれぞれの代表的な原因を把握しておきましょう。
給水系のトラブル
最も多いのが、蛇口や水道の元栓が閉まっているケースです。洗濯機の水栓が閉まっていると、電源を入れてスタートボタンを押しても水は出てきません。引越し後や掃除後に開け忘れているケースが多く報告されています。
洗濯機のフタがきちんと閉まっていない場合も給水が始まりません。安全上の仕様により、フタのロックがかからないと運転が開始されないためです。洗剤を入れた後にフタを閉め忘れているケースも少なくありません。
断水の場合は洗濯機だけでなく家中の水が出なくなります。断水中は洗濯機の蛇口を閉めておくことが大切です。
給水フィルターに水道水のサビやゴミが蓄積すると、水の通り道が狭まり、給水量が不足したり全く出なくなったりすることがあります。また、給水ホースが折れ曲がったりねじれたりすると水の通り道が狭くなります。洗濯機を移動させた後や狭いスペースでの設置時に起こりやすいトラブルです。
緊急止水弁は地震の揺れやホースの外れを感知して作動し、自動的に給水を遮断します。作動した場合はリセットが必要です。コマパッキンが経年劣化して固着すると、蛇口を開けても水路がふさがれたままとなり水が出ません。特に築10年以上の住宅では要注意とされています。
排水系のトラブル
排水弁に異物が詰まると弁が閉じなくなり、給水しても水が溜まらず流れ続けます。ヘアピン・小銭・汗とりパッドなどが詰まりやすいとされています。長年洗濯槽を掃除しておらず、汚れやヘドロが詰まってしまう場合もあります。
排水モーターが故障すると排水弁を動かせなくなり、「キュルキュル」「ブーン」などの異音が発生することがあります。普段と音が違う場合はモーターの不具合を疑う判断材料になります。
水位センサー(エアトラップ方式)が不具合を起こすと、洗濯機が正確な水位を判断できなくなり、給水が途中で止まることがあります。また、洗濯機がわずか1度や2度傾いていても、水位センサーや泡センサーが正確な測定を行えなくなる可能性があるとのことです。
洗濯機の電源が入っていない場合も水が溜まりません。洗濯が終了した際に排水設定のまま電源が切れているケースもあるため、まず電源の確認から始めることをおすすめします。


自分で確認できるチェックポイント


水が溜まらないときは、以下の8項目を順番に確認することで、多くのトラブルを修理依頼前に解消できます。
最初に確認すべき8項目
1. 蛇口・元栓が開いているか:給水ホースにつながっている蛇口と壁の元栓がしっかりと開いているか確認します
2. 給水ホースが正しく接続されているか:ホースがしっかりと蛇口と洗濯機に接続されており、折れ曲がりやねじれがないか確認します
3. 給水フィルターの詰まり:ホースを取り外し、フィルターにゴミが溜まっていないか目視で確認します
4. フタが正しく閉まっているか:「カチッ」と音がするまでしっかりと閉め直します
5. 電源プラグが抜けていないか:コンセントから電源プラグがしっかり差し込まれているか確認します
6. 断水・水道トラブルがないか:キッチンやお風呂など他の蛇口から水が出るかを確認します。建物全体の給水に問題がある場合は管理会社や水道局に連絡が必要です
7. コースやモード設定のミス:「脱水モード」や「節水モード」に誤って設定していないか確認します。標準モードに戻して再度運転を開始してみましょう
8. 給水弁や排水弁の異音:運転開始時に「キュルキュル」「ブーン」などの異音がないか確認します
給水系か排水系かを見分ける方法
洗濯機のスタート直後に排水口に水が流れる音がするなら、排水弁が閉じていない証拠です。この場合は排水系のトラブルを疑います。一方、給水しても全く水が入らない場合は給水系のトラブルの可能性が高いです。
電源リセットを試す
電源プラグを抜いて5〜10分待ち差し直すことで、制御基板の一時的なエラーが解消されることがあります。他の方法を試す前に一度行ってみる価値があります。
水位センサーのエアチューブ確認
洗濯槽外側のチューブが曲がったり潰れたりしていないか目視確認しましょう。チューブ内に水が浸入していると誤作動することがあります。
排水弁の詰まりを疑う場合は、電源を切って排水ホースと排水口周辺を目視チェックしましょう。ホースの曲がりやゴミ詰まり、排水弁の動きが悪い場合は掃除が必要です。
洗濯機に水が溜まらない解決方法と予防策
- 自分でできる対処法(給水系・排水系別)
- 排水弁の詰まりを自分で解消する手順
- メーカー・業者に相談すべきケースと費用の目安
- 再発を防ぐための予防メンテナンス
自分でできる対処法(給水系)


給水系のトラブルは、比較的自分で解決できるケースが多いです。順番に試してみましょう。
給水フィルター掃除の手順
給水フィルターの詰まりは給水不良の原因として非常に多く見られます。以下の手順で掃除しましょう。
1. 蛇口を閉める
2. 洗濯機の電源を入れ、数十秒運転してホース内の水を抜く
3. 給水ホースのナットを緩めて、ホースを洗濯機本体から取り外す(水が出てくることがあるのでタオルを準備しておく)
4. 給水フィルター(メッシュ状の小さな部品)を取り出す
5. 歯ブラシでゴミやサビを取り除き、水洗いする
6. 元に戻して水漏れがないか確認する
洗濯機の構造によっては、給水フィルターを無理に取り外すと破損や故障の原因になることがあります。取り扱い説明書や製品マニュアルもあわせて確認することをおすすめします。
給水ホースの折れ・ねじれ修正
給水ホースの折れ曲がりやねじれを修正するだけで給水が再開することが多いです。無理に引っ張らずゆっくりと形を整えましょう。洗濯機背面と壁の間にゆとりを持たせ、ホースに負担がかからない配置に整えることが大切です。
緊急止水弁のリセット手順
緊急止水弁が作動している場合は、以下の手順でリセットします。
1. 水道の元栓を閉める
2. 洗濯機の蛇口を開けて水圧を下げる
3. 緊急止水弁を蛇口の中に押し込む
4. ホースを繋いで蛇口をゆっくり開ける
凍結した給水ホースの解凍方法
冬場に給水ホースが凍結した場合は、タオルをホースに巻き50℃以下のぬるま湯をかけてゆっくり解凍します。熱湯は絶対にNGです。プラスチックやゴム部品が変形・破損する恐れがあります。急いでいる場合でも、必ずぬるま湯(50℃以下)を使いましょう。
排水弁の詰まりを解消する手順


排水弁に異物が詰まっている場合は、以下の手順で取り除くことができます。ただし、作業には洗濯機を倒す必要があるため、難しいと感じる場合はメーカーサービスへの相談をおすすめします。
必要な道具
- プラスドライバー
- ウォーターポンププライヤー(キャップが固い場合)
- 雑巾・バケツ
- 手袋
手順
1. 蛇口を閉める
2. コンセントを外す(漏電防止のため必ず抜く)
3. 背面パネルをドライバーでネジを外して取り外す
4. 洗濯機を倒し、排水弁を取り外す(白いスクリューキャップがついていることが多い)
5. 排水弁から排水ホースを外し、異物(ヘアピン・小銭など)やヘドロを取り除いてきれいに洗う
6. 排水弁を元の位置に戻す
7. 背面パネルを取り付ける
8. コンセントと電源を入れて洗濯機に水が溜まるか確認する
排水弁のゴム栓が切れていた場合は、1,000円程度で部品交換ができるとのことです。メーカーに問い合わせて型番に合った部品を入手しましょう。
ドラム式の場合
ドラム式洗濯機の場合は、排水フィルター(糸くずフィルター)の詰まりも確認しましょう。2週間に一度の掃除が推奨されているとの報告があります。
排水口の掃除手順
排水口が詰まっている場合は以下の手順で掃除します。
1. 排水トラップのフタとL字型のエルボを取り外す
2. バケツに洗剤を混ぜた水でつけ置きする
3. 排水口内部に市販のパイプクリーナーを流し込んでつけ置きする
4. 十分な水で汚れと洗浄剤を押し流す
排水弁の分解・修理は洗濯機の内部構造に触れる作業です。作業に不安がある場合や、取り外した後に元に戻せるか心配な場合は、無理をせずメーカーや専門業者に依頼することをおすすめします。


メーカーに相談すべきケース


自分でできる対処法(蛇口・ホース・フィルター・止水弁・電源リセット)を試しても改善しない場合は、内部の故障の可能性が高いです。以下のような症状が見られる場合は、速やかにメーカーや専門業者に相談することをおすすめします。
業者依頼の目安となる症状
- エラーコードが表示されている
- 焦げ臭いにおいがする
- 操作パネルが誤作動する
- モーター音が通常と著しく異なる
- 異常な振動が発生する
- 給水・排水が突然停止する
- 水漏れが発生している
特に複数の症状が同時に出現する場合は、システムの複数の部分に問題が及んでいる可能性があります。排水モーターの修理は自分で行うことが難しいため、専門業者への依頼が必要です。
修理費用の参考目安
修理費用は故障箇所によって大きく異なります。以下はあくまで参考価格です。
| 故障箇所 | 修理内容 | 費用目安 |
|---|---|---|
| 給水フィルターの詰まり | 清掃・交換 | 5千〜1万円程度 |
| 給水ホースの破損 | 交換 | 5千〜1万円程度 |
| 給水弁の故障 | 給水弁交換 | 1万〜3万円程度 |
| 基板の故障 | 制御基板交換 | 3万〜7万円程度 |
メーカー別の出張費込みの修理費用目安(参考)として、パナソニックが1万2千〜2万円、シャープが1万1千〜1万8千円、日立が1万3千〜2万円、東芝が1万2千〜1万9千円という情報があります(参考情報のため、実際の費用は見積もりで確認してください)。
修理か買い替えかの判断基準
修理費用が本体価格の30〜50%を超える場合は買い替えを検討する目安です。また、使用年数が7年以上の場合は新機種への切り替えが経済的とされています。洗濯機の一般的な寿命は7〜10年とされており、購入から7年以上経過していると今回修理しても別の箇所が故障するリスクがあるとのことです。
保証期間内の場合
保証期間内であればメーカーに無償または割引価格で修理してもらえる可能性が高いです。保証書と購入レシートを準備してカスタマーセンターへ連絡しましょう。コマパッキンが固着している場合は、DIYに慣れた方なら元栓を閉めてモンキーレンチで交換できる場合もありますが、不安な場合は業者依頼が安心です。


再発を防ぐための予防メンテナンス


一度トラブルを経験したら、再発を防ぐための日常的なメンテナンスを習慣にしましょう。
月1回の定期メンテナンス
給水フィルターは月1回を目安にホースを取り外して歯ブラシで掃除する習慣をつけましょう。水の出が悪くなったと感じる前に行うのがポイントです。排水弁周辺も月1回ゴミや糸くずを取り除きましょう(ピンセット等を使用)。洗濯槽も月1回専用クリーナーで洗浄することをおすすめします。
使用後の習慣
洗濯が終わったら蛇口を閉めることを習慣にしましょう。常に水圧がかかり続けるとコマパッキンや給水ホースの劣化が早まり、固着や水漏れの原因になります。糸くずフィルターはゴミが溜まったらその都度捨てましょう。
洗濯の仕方に関する注意点
洗剤や柔軟剤は規定量を守りましょう。入れすぎると洗濯槽に溶け残りができ、排水弁にも汚れがつく原因になります。洗濯物は洗濯槽の7〜8割を目安にしましょう。詰め込みすぎるとモーターや給水センサーに負担がかかります。
洗濯前には必ず洗濯物のポケットの中身(小銭・ヘアピン等)を確認することを習慣にしましょう。マスクや靴下は洗濯ネットに入れると排水弁への詰まりを大幅に防げます。
冬場の凍結対策
気温が氷点下になる日や寒冷地では、使用後に給水ホース内の水を抜く(蛇口を閉めて電源を入れ給水のみ数秒行う)対策が効果的です。露出している水道管やホースには断熱材を巻くことも推奨されています。
ホースの定期交換
給水ホースは3〜5年を目安に交換が推奨されています。また排水口は3ヶ月に1回程度掃除しましょう。排水トラップ部分には糸くずや洗剤カスが堆積しやすいです。


洗濯機に水が溜まらないまとめ
この記事のまとめです。
- 洗濯機に水が溜まらない原因は「給水系」と「排水系」の2種類に分類できる
- まず確認するのは蛇口の開け忘れ・フタの閉め忘れ・断水など、単純なミスがないか
- 給水フィルターの詰まりは給水不良の最多原因の一つ。月1回の掃除で防ぎやすい
- 給水ホースの折れ・ねじれも見落としやすい原因。洗濯機移動後は必ず確認する
- 緊急止水弁が作動している場合は水圧を抜いてリセットする手順がある
- 排水弁に異物が詰まると水が溜まらず流れ続ける。ヘアピン・小銭・小さな衣類が原因になりやすい
- 排水弁の詰まりは背面パネルを外して異物を取り除けば自分で直せる場合がある
- 排水モーターの故障は「キュルキュル」「ブーン」などの異音が出ることが多く、業者依頼が必要
- 水位センサーの不具合は制御基板の問題につながるため、専門業者への点検が必要
- エラーコードが表示される・異音がする・複数の症状が同時に出る場合は業者相談のサイン
- 修理費用は故障箇所によって5千円〜7万円と大きく異なる。事前見積もりが重要
- 使用年数7年以上で修理費が本体価格の30〜50%を超えるなら買い替えを検討する
- 使用後の蛇口を閉める・洗剤は規定量を守る・月1回フィルター掃除が予防の基本
- 洗濯物のポケット確認を習慣にするだけで排水弁の詰まりを大幅に防げる
- 冬場は給水ホースの断熱対策と、使用後の水抜きが凍結防止に効果的








