「冷蔵庫と洗濯機だけを新居に持っていきたいけれど、引越し業者に頼んでよいものかわからない」と悩んでいる方は多いのではないでしょうか。大型家電の引っ越しは初めてのことも多く、どこに依頼すればよいか、どのくらいの費用がかかるのか見当もつかない、という声はよく聞かれます。
実は、冷蔵庫と洗濯機だけを運ぶ場合にも、引越し業者への依頼・宅配業者の家財宅配サービス・くらしのマーケットの個人業者・自力での運搬といった複数の選択肢があります。どれを選ぶかによって費用・手間・安全性はそれぞれ異なるため、状況に合った方法を選ぶことが大切です。
また、大型家電の移動には事前準備も欠かせません。冷蔵庫は引越し1〜2日前にコンセントを抜いて水抜きを済ませておく必要がありますし、洗濯機は前日までに給水・排水ホースの水を抜いておかなければ、搬送中に水漏れが起きるリスクがあります。
この記事では、冷蔵庫と洗濯機の引っ越しにかかる費用相場の比較・どの方法を選べばよいかの判断基準・引越し前に行うべき事前準備の手順を詳しく解説します。初めて大型家電だけを運ぼうとしている方にも参考にしていただける内容です。
- 冷蔵庫と洗濯機のみの引っ越しは、引越し業者・宅配業者・自力など複数の方法がある
- 近距離なら「くらしのマーケット」や混載便で費用を抑えられる場合がある
- 冷蔵庫は引越し1〜2日前に、洗濯機は前日までに水抜きを済ませておく必要がある
- 洗濯機の取り付けは自分で行えるが、アース線接続や水平設置に注意が必要
冷蔵庫と洗濯機の引っ越し費用相場と依頼方法の選び方
- 引越し業者・宅配業者・自力で運ぶ場合の料金相場を比較
- くらしのマーケットや混載便・赤帽で費用を抑える方法
- 繁忙期と通常期の料金の違いと見積もり比較のポイント
- 取り外し・取り付けオプション料金と吊り上げ作業の費用
引越し業者・宅配業者・自力で運ぶ場合の料金相場を比較
冷蔵庫と洗濯機の引っ越しを依頼する方法は大きく「引越し業者」「宅配業者の家財宅配サービス」「自力で運ぶ」の3つに分かれます。それぞれの料金相場と特徴を把握しておくと、状況に合った選択がしやすくなります。
引越し業者に依頼する場合
引越し業者に冷蔵庫と洗濯機だけを依頼する場合、通常期(5月〜2月)の料金相場は以下のとおりです(ソース記載時点の情報です)。
- 同一市区町村内:15,000〜30,000円
- 同一都道府県内:20,000〜40,000円
- 500km以上の長距離:40,000〜80,000円
繁忙期(3〜4月)には需要が集中するため、通常期の1.5倍〜2倍程度になることがあります。
引越し業者の大きなメリットは、搬出・搬入・設置まで一括で対応してもらえる点です。ただし、「冷蔵庫と洗濯機だけを運ぶ専用プラン」が公式HPに掲載されていないことも多く、見積もりを依頼しないと正確な料金がわからないケースがほとんどです。
宅配業者の家財宅配サービスを使う場合
宅配業者が提供している家財宅配サービスも選択肢のひとつです。料金はソース記載時点の情報となりますが、いくつかの例を挙げます。
キタザワ引越センターの全国家財宅配便では、冷蔵庫(301L以上)1台・洗濯機(59L以下)1台・設置費込みで18,600円〜となっています。
日本通運の「単身パックS」は17,600円〜(東京都内〜東京都内、2023年5月31日現在)との報告があります。ヤマトホームコンビニエンスの「らくらく家財宅急便」では東京〜千葉間の場合、単身用冷蔵庫7,535円・全自動洗濯機7,535円(合計15,070円)です。アートセッティングデリバリーの「家財おまかせ便」では東京〜千葉間の冷蔵庫(三辺250cmまで)7,740円・全自動洗濯機7,740円(合計15,480円)という料金例があります。
家財宅配サービスは引越し業者より料金が安く抑えられるケースがある反面、到着日時の指定ができない場合や、対応エリアに制限があることもあるため、事前に確認しておくことが大切です。
自力で運ぶ場合
自力で運ぶ場合はレンタカー代などが主な費用になります。ニッポンレンタカーの場合、6時間で6,270円〜(保険料・給油代別)という料金例があります。ただし、梱包資材代や手伝ってくれた友人への謝礼なども加えると、総費用は13,000〜36,000円程度になることが多いようです。
自力での運搬は費用を抑えられる可能性がある一方、梱包・運搬は想像以上にハードな作業で、故障リスクがある点には注意が必要です。
なお、この引越しを機に冷蔵庫・洗濯機を買い替える場合は76,000〜83,000円程度かかることが多く、運搬費用との比較が判断のポイントになります。

くらしのマーケット・混載便・赤帽の特徴と近距離での費用目安
引越し業者や宅配業者以外にも、費用を抑えるための選択肢がいくつかあります。特に近距離の引っ越しであれば、これらの方法が有効な場合があります。
くらしのマーケット
くらしのマーケットは、家電の取り付け・取り外し・運搬を行う個人業者が多数登録しているプラットフォームです。同一都道府県内での冷蔵庫・洗濯機の運搬なら、合わせて4,500〜8,000円程度が相場とされており、費用面では最安値水準の業者が多いとされています。
取り外し・取り付けを無料で対応してくれる業者を選べる点も大きなメリットです。引越し業者に依頼するよりも大幅にコストを抑えられる可能性があります。
ただし、大阪〜東京のような遠距離配送には対応していない業者がほとんどであるため、遠距離の引っ越しには不向きです。近距離での冷蔵庫と洗濯機の引っ越しを検討している方にとって、くらしのマーケットはコスパの良い選択肢のひとつといえます。
混載便
混載便とは、他の荷物と一緒にトラックに積み込んで運ぶサービスです。トラックを専有しないため、料金を抑えられる点が特徴です。家財が少ない単身引っ越しや、冷蔵庫・洗濯機のみを運ぶケースに向いている場合があります。
ただし、到着日時の指定が難しいケースが多い点はデメリットです。引越し先での受け取りに時間の融通が利く場合には有効な選択肢になりますが、日程が決まっている場合は確認が必要です。
赤帽
赤帽は軽自動車による小口輸送サービスです。東京都内の場合、料金の例として13,750円という数字があります。近距離であれば比較的安価に利用できる場合がある一方、遠距離になると割高になりやすい傾向があります。
近距離の引っ越しであれば、くらしのマーケット・混載便・赤帽のいずれも費用を抑えられる可能性があります。それぞれの特徴を踏まえ、距離・日程の融通・取り外し作業の対応可否などを確認したうえで選ぶとよいでしょう。

繁忙期・通常期の料金の違いと引っ越し費用を安くする見積もり比較のコツ
引越し費用は、時期によって大きく変動します。繁忙期と通常期の違いを理解したうえで、賢く業者を選ぶことが費用節約のポイントです。
繁忙期と通常期の料金差
引越し業界では3〜4月が繁忙期とされており、転勤・入学・就職などで引越し需要が一気に集中します。この時期の料金は通常期の1.5倍程度になることがあり、予約も取りにくくなります。通常期(5月〜2月)であれば料金も比較的安価に設定されています。
繁忙期に引っ越しが避けられない場合は、早めの手配が重要です。直前になると希望する業者・日程での予約が難しくなるため、少なくとも1〜2ヶ月前から動き始めることを推奨します。
相見積もりで費用を抑えるコツ
引越し業者の費用は基本的に非公開で、見積もりをもらうまで正確な金額はわかりません。また、同じ条件でも各社で10,000〜20,000円の差額が発生した実例もあります。そのため、複数の業者から相見積もりを取ることが費用を抑えるうえで非常に有効です。
一括見積もりサービスである引越し侍やSUUMOなどを利用すると、複数の業者に一度で見積もりを依頼できるため効率的です。
また、冷蔵庫と洗濯機だけを運ぶ「家具家電1〜2点専用プラン」は公式HPに記載されていないことが多いため、問い合わせ時に「大型家電2点のみの運搬を検討している」と明示することで、適切なプランを案内してもらいやすくなります。

洗濯機の取り外し・取り付けオプション料金と2階搬入の吊り上げ作業
引越し費用には、家電の取り外し・取り付け作業に関するオプション料金が別途かかる場合があります。また、搬入経路によっては追加作業が必要になるケースもあります。
取り外し・取り付けのオプション料金
アートセッティングデリバリーの場合(ソース記載時点の料金)、全自動洗濯機の取り外しは1,650円・取り付けは3,300円です。ドラム式洗濯機では取り外し3,300円・取り付け8,250円と、全自動洗濯機より高めの設定になっています。
一方、引越し業者では洗濯機の取り付けを無料としている業者も多いため、依頼先を選ぶ際にはオプション料金の有無も確認しておくとよいでしょう。
ドラム式洗濯機を運搬する際は、輸送用ボルトが必要なケースがある点にも注意が必要です。輸送用ボルトはドラムを固定するためのもので、装着せずに運ぶとドラム部品が損傷するリスクがあります。
2階以上への搬入と吊り上げ作業
家電の搬入には、玄関・廊下・階段の幅などの搬入経路が十分に確保されていることが前提となります。家電量販店の搬入サービスでは、廊下・玄関・階段の幅がギリギリの場合に断られるケースがあり、「家電の外寸+10cmの余裕がないと搬入しない」というルールが設けられていることもあります。
新築一戸建てでキッチンが2階にある場合など、階段を通じての搬入が難しいケースも増えています。このような場合、ベランダや窓からの吊り上げ作業が選択肢になります。ただし、吊り上げ作業は一般的な引越し業者では対応していないこともあり、専門業者を別途手配する必要があるケースもあります。
吊り上げ作業が必要になりそうな場合は、引越し業者への依頼時に事前に相談しておくことを推奨します。

冷蔵庫と洗濯機の引っ越し前に必要な準備と当日の注意点
- 冷蔵庫の水抜きと霜取りの手順とスケジュール
- 洗濯機の水抜き方法(縦型・ドラム式)と必要な道具
- 搬出・搬入時に注意すべきこと(縦置き・横置き・通路サイズ)
- 引っ越し先で洗濯機を自分で取り付ける方法と注意点
冷蔵庫の水抜きと霜取りの手順とスケジュール
冷蔵庫を移動させる際には、事前に「水抜き」が必要です。水抜きとはコンセントを抜いたあとに庫内の霜が溶けて蒸発皿に溜まった水を捨てる作業のことです。
水抜きをしないまま運搬すると、水が漏れ出して冷蔵庫の故障につながったり、他の家具を濡らしてしまったり、搬送員が転倒するリスクがあったりと、さまざまなトラブルの原因になります。必ず引越し前に済ませておきましょう。
引越し1週間前から始めるスケジュール
引越し1週間前からは、冷蔵庫の中身を減らす計画を立て、新しい食材の購入を控えるようにしてください。
引越し前々日までに食材を使い切り、冷蔵庫を空の状態にします。
引越し1〜2日前には冷蔵庫のコンセントを抜きます。コンセントを抜くと庫内が徐々に常温に戻り、冷凍室などに付着した霜が溶けはじめます。霜が溶けるまでの時間の目安は、夏場で約10時間・冬場で約15時間です。
霜が溶けたら、水受け皿と蒸発皿に溜まった水を捨ててください。蒸発皿の場所は冷蔵庫の底部に付いているタイプと背面に付いているタイプがあります。製品によって異なるため、取扱説明書で確認しておくと安心です。
水抜きが終わったら、冷蔵庫の内外を掃除してください。搬出前に清潔な状態にしておくことで、新居でも気持ちよく使い始められます。
水抜きを忘れてしまった場合
万が一水抜きを忘れてしまった場合は、まず担当の引越し業者に相談してください。業者によっては対応策を提案してもらえる場合があります。
洗濯機の水抜き方法(縦型・ドラム式)と前日までに準備する道具
洗濯機の引っ越しでも、事前に「水抜き」が必要です。水抜きとは洗濯機内部・給水ホース・排水ホースに残っている水を抜く作業のことです。水抜きができていないと、搬送中に水漏れが起きて洗濯機の故障につながる可能性があります。
水抜きのタイミングと作業時間
水抜き作業自体は30〜60分程度で完了します。最後の洗濯を終えたあとに行い、引越し前日までに済ませておくことが基本です。引越し業者に運搬を依頼する場合でも、水抜きは自分で行う必要があります。
必要な道具
- ドライバー
- 洗面器やバケツ
- タオル
縦型洗濯機の水抜き手順
縦型洗濯機の場合、給水ホースを外し、槽洗浄や脱水モードで運転することで内部に残った水を排出します。排水ホースの取り扱いについては、どこまで外すかを事前に確認しておいてください。
ドラム式洗濯機の水抜き手順
ドラム式洗濯機の場合、給水ホースを外したあと、ドア下にある排水フィルターを開けて残水を抜きます。排水フィルターの水抜きはバケツやタオルを用意しながら行うと周囲を濡らさずに済みます。
また、ドラム式洗濯機には輸送用ボルトの取り付けが必要な機種があります。輸送用ボルトはドラムを固定して運搬中の破損を防ぐためのものです。取扱説明書を確認し、必要な場合は取り付けを忘れないようにしてください。
排水ホースについて
排水ホースを取り扱う際は、どこまで外すかを確認することが大切です。接続部分の構造は機種によって異なるため、無理に引き抜いて破損させないよう注意してください。
冷蔵庫と洗濯機の搬出・搬入時に確認すべき経路サイズと運び方の注意点
冷蔵庫と洗濯機を搬出・搬入する際には、運び方と搬入経路の両方に注意が必要です。
冷蔵庫は必ず縦に立てて運ぶ
冷蔵庫を横向きに運ぶと液漏れが起き故障につながることがあります。必ず縦に立てた状態で運搬してください。搬出・搬入時も含め、傾ける角度が大きくなりすぎないよう注意することが基本です。
ドラム式洗濯機は輸送用ボルトを忘れずに
斜めドラム式洗濯機を運搬する際は、ドラムを固定する輸送用ボルトが必要です。輸送用ボルトを装着しないまま運搬すると、振動でドラム部品が損傷するリスクがあります。取扱説明書に従って正しく取り付けてください。
搬入経路の事前確認が重要
搬入経路(廊下・玄関・階段の幅)の事前確認は必須の作業です。家電の外寸+10cmの余裕がないと搬入できないとするルールを設けているサービスもあります。引越し2ヶ月前の内見時に搬入経路を採寸しておくと、当日に慌てずに済みます。
新築一戸建てでキッチンが2階にある場合など、階段を通らないと搬入できないケースも増えています。2階以上への搬入が難しい場合は、ベランダや窓からの吊り上げ作業が選択肢になります。
養生をしっかり行う
搬出・搬入時には壁や床への養生が重要です。大型家電を動かす際に壁や床を傷つけてしまうと、退去時の修繕費用が発生することもあります。引越し業者に依頼する場合は養生を行ってもらえますが、自力で運ぶ際は毛布や養生テープなどを自分で用意することが必要です。
引っ越し先で洗濯機を自分で取り付ける方法と水漏れを防ぐ注意点
新居での洗濯機の取り付けは自分で行うことができますが、いくつかの重要な注意点があります。
事前に防水パンのサイズを確認する
取り付け作業を始める前に、防水パンのサイズと洗濯機のサイズが合っているかを確認してください。サイズが合わないと設置できないことがあります。引越し先の内見時に採寸しておくことを推奨します。
取り付けの手順
新居での取り付けは以下の流れで進めます。
まず水準器を使って洗濯機が水平に設置されているか確認してください。斜めに設置すると運転中の騒音や振動が大きくなります。水平が確認できたら、アース線を接続します。アース線は漏電時の感電を防ぐための安全対策です。アース端子がない場所への設置は危険なため、必ず接続するようにしてください。
次に給水ホースと排水ホースを本体に取り付けます。このとき、給水栓とホースと本体をつなぐ継ぎ目の部分が破損していないかを確認してください。継ぎ目の破損は水漏れの原因になります。
最後に電源プラグを差し込みます。電源プラグに水が付いていないことを確認してから差し込んでください。
業者に依頼する場合との違い
引越し業者に設置まで依頼する場合は、専門知識による対応により破損・水漏れリスクを低減できるメリットがあります。ただし、追加費用が当日現場で請求されるケースもあるため、事前に確認しておくことが大切です。
自分で設置した場合に発生したトラブルは原則として自己責任となります。設置に不安がある方は業者への依頼を検討するとよいでしょう。

冷蔵庫と洗濯機の引っ越しを成功させるポイントまとめ
この記事のまとめです。
- 冷蔵庫と洗濯機の引っ越しには、引越し業者・宅配業者の家財宅配・くらしのマーケット・自力など複数の方法がある
- 近距離であればくらしのマーケットで合わせて4,500〜8,000円程度(同一都道府県内の場合)と費用を抑えられる場合がある
- 引越し業者の通常期相場は同一市区町村15,000〜30,000円、同一都道府県20,000〜40,000円(ソース記載時点の情報)
- 繁忙期(3〜4月)は料金が通常期の1.5倍程度になることがあるため、早めの手配が重要
- 同じ条件でも業者によって10,000〜20,000円の差があるため、一括見積もりサービスを活用した相見積もりが効果的
- 冷蔵庫は引越し1〜2日前にコンセントを抜き、霜が溶けてから蒸発皿の水を捨てる水抜きを行う
- 霜が溶けるまでの時間の目安は夏場約10時間・冬場約15時間
- 洗濯機の水抜きは前日までに完了させ、作業は30〜60分程度かかる
- ドラム式洗濯機を運搬する場合は輸送用ボルトの取り付けが必要な機種がある
- 冷蔵庫は横向きに運ぶと故障するため、必ず縦置きで搬送する
- 搬入経路(廊下・玄関・階段)の採寸は引越し2ヶ月前の内見時に行っておくと安心
- 新居での洗濯機取り付け時は水平設置・アース線接続・継ぎ目の破損確認が重要なポイント
- 2階以上への搬入が難しい場合は吊り上げ作業を行う専門業者への依頼が必要になるケースもある
