引越しや新居への入居時、洗濯機の取り付けをどうするか迷う方は多いのではないでしょうか。業者に頼む費用を節約したい、でも自分でやって水漏れしないか不安…そんな気持ちはとてもよくわかります。
実は、洗濯機の取り付けは手順を正しく押さえれば、特別な技術がなくても自分でできる作業です。必要な準備と正しい手順を知っておくだけで、トラブルを防ぎながら設置を完了できます。
この記事では、洗濯機の取り付けを自分で行うための事前確認から、排水ホース・給水ホース・アース線の接続手順、そして試運転のチェックポイントまでを詳しく解説します。
- 設置前に確認すべき4つのポイント(スペース・排水口・排水エルボ・蛇口の種類)
- 排水ホース→水平確認→給水ホース→アース線の順で進める取り付け手順
- 水漏れや異音などよくある失敗とその防止策
- 自分では難しいケースと業者への依頼判断基準
洗濯機の取り付け前に自分で確認すべき4つのポイント
- 設置スペースと搬入経路の事前確認
- 排水口・排水エルボの有無と位置の確認
- 蛇口の種類と給水ホース取り付けに必要な部品
- 自分で洗濯機を取り付けるときに用意する道具
設置スペースと搬入経路の引っ越し前チェック

洗濯機の取り付けを自分で行う前に、まず設置場所と搬入経路を確認することが欠かせません。洗濯機のサイズ(幅・奥行き・高さ)をメーカーの仕様で確認し、防水パンや洗濯機置き場の幅・高さを実際に計測して問題がないかチェックしましょう。
搬入経路についても、廊下の幅や玄関ドアの開口部、エレベーターの奥行きなど、洗濯機が通れるかどうかを事前に確認することをおすすめします。「洗濯機置き場には入るサイズだったけれど、廊下の角が曲がれなくて搬入できなかった」との報告があります。購入前には本体サイズだけでなく、搬入経路の各部分の幅をしっかり測っておくことが大切です。
次のような場所は洗濯機の設置には向いていないため、避けるようにしましょう。
- 直射日光が当たる場所
- 冬期に凍結のおそれがある場所
- 平らでない場所
- 床の強度が弱い場所
- 床がタイルなどの滑りやすい素材でできている場所
- ブロックや角材、キャスター付きの台などの不安定な場所
- 高い置台の上
また、製品の取扱説明書や据付説明書に記載されているスペースを、前方・後方・右方・左方・上方の各方向で確保できているかも確認が必要です。ドラム式洗濯機の場合は、扉を開け閉めするための十分なスペースがあるかどうかも合わせてチェックしておきましょう。
設置スペースが十分に確保できていないと、異常な振動や異音、故障の原因になります。特に脱水時の振動は大きいため、周囲のスペースに余裕があるかどうかは設置前に必ず確認することをおすすめします。
なお、防水パンがある場合は防水パンのサイズも測定が必要です。洗濯機本体のサイズが防水パンの内寸に収まるかどうか、設置スペースをふまえて確認しましょう。

排水口・排水エルボの有無と位置を確認する

洗濯機の取り付けを自分で行う際、排水口の確認は非常に重要なステップです。排水口の位置によっては、排水ホースの延長が必要になる場合があります。排水ホースが長すぎたり短すぎたりすると適切に排水できない可能性があるため、どの程度の長さで排水可能なのか、あらかじめ取扱説明書で確認しておきましょう。
排水エルボとは、洗濯機と排水口を接続するためのL字型の部品です。排水ホースがつぶれたり、悪臭や水漏れが発生したりするのを防ぐ重要な役割を果たしています。排水エルボを使わずに排水してしまうと、排水ホースが外れて床が水浸しになってしまうこともあります。
基本的に、どのような洗濯機でも排水エルボは必須とされています。設置場所に排水エルボがあるかどうかを事前に確認しましょう。賃貸物件では、以前の住民が間違えて持って行ってしまうケースもあるようです。もし排水エルボがない場合は、管理会社や大家さんに連絡することをおすすめします。
また、洗濯機の下には排水ホースを取り付けるための空間を確保する必要があります。排水ホースを取り付けられない場合は、防水パンのかさ上げも検討する必要がありますが、自分での無理なかさ上げはケガのもとになるため、不安がある場合は業者に依頼するほうが安全です。特にドラム式洗濯機は重量があるため、かさ上げ作業には十分な注意が必要です。
排水口が排水ホースと逆側にある場合は、自力での設置が難しいケースに該当します。設置前に排水口の位置と洗濯機の排水ホースの出口位置が合っているかどうかを確認することをおすすめします。
蛇口の種類と給水ホース接続に必要なジョイント部品

洗濯機の取り付けでは、設置場所の蛇口の種類を確認することも欠かせない事前チェックです。蛇口の種類によっては追加の工事や別売りの部品が必要になるため、作業前に必ず確認しておきましょう。
洗濯機置き場の蛇口には、主に以下の種類があります。
万能ホーム水栓
古い住宅に使用される水栓です。給水ホースの接続時にジョイント(マジックつぎ手等)が必要になります。
洗濯機用ワンタッチ水栓
アタッチメントを使わずに、ワンタッチで給水ホースを設置できる水栓です。
洗濯機用オートストッパー付き水栓
ワンタッチで給水ホースを設置できる水栓です。万が一給水ホースが外れても、自動で水が止まる仕組みになっています。
横水栓
古いタイプの水栓です。給水ホース接続時にジョイントが必要になります。水栓が古くなっている場合は、新しい水栓への交換も検討しましょう。
カップリング水栓・2ハンドル水栓
これらの水栓については、取扱説明書または洗濯機メーカーに確認することをおすすめします。
蛇口の高さも事前に確認しておく必要があります。現在の一般的な蛇口の高さは床から1,250〜1,350mm程度とされていますが、建物によっては蛇口の位置が低くなっているケースもあります。また、防振ゴムや防水パンを使用している場合は、その高さ分も含めて洗濯機の上面からの余裕を確認することが大切です。
蛇口の形が合わないまま無理に接続しようとすると、水漏れの大きな原因になります。取扱説明書にしたがって適切なジョイント(マジックつぎ手等)を用意してから作業を始めましょう。

自分で洗濯機を取り付けるときに用意する道具

洗濯機を自分で取り付ける際は、事前に必要な道具をそろえておくとスムーズに作業を進められます。作業を始めてから「あれがない」となると中断しなければならなくなるため、事前の準備が重要です。
基本的に用意しておく道具・部品
- ドライバー(マジックつぎ手の取り付けなどに使用)
- 水準器(本体の水平確認に使用。ない場合はおもりをつけた糸で代用可)
- タオル・雑巾(水漏れの確認や拭き取り用に数枚)
- ペンチ等の工具(ホースバンドの締め付け用)
- 洗濯機の取扱説明書・据付説明書
必要に応じて準備する部品
- 給水ホース(新品の使用を推奨。古いホースは劣化による水漏れリスクがあります)
- 排水ホース延長パーツ(排水口が遠い場合)
- 排水エルボ(設置場所にない場合は準備)
- ホースバンド(排水ホースの固定用)
- 水栓ジョイント・マジックつぎ手(蛇口の種類による。別売りの場合があります)
- 防振ゴムやかさ上げ台(振動軽減や排水ホース接続スペース確保が必要な場合)
水準器は洗濯機本体の上部に付属している機種もあります。ない場合はおもりをつけた糸で代用する方法もあります。
ドライバーはプラスとマイナスの両方があると便利です。蛇口の種類に合わせたジョイント部品はホームセンターや家電量販店で購入できますが、洗濯機に付属している場合もあるため、先に取扱説明書を確認しておきましょう。

洗濯機を自分で取り付ける具体的な手順と注意点
- 排水ホースの接続と水漏れを防ぐ正しい取り付け方
- 本体の水平調整と安定した設置の確認方法
- 給水ホースの正しい取り付け方と接続後の確認
- アース線の接続とコンセント回りの安全確認
- 試運転でチェックすべき項目と動作確認
- 自分での取り付けが難しいケースと業者を選ぶポイント
排水ホースの接続と水漏れを防ぐ正しい取り付け方

排水ホースの接続は、洗濯機を設置場所に置く前に行うと作業がしやすくなります。まず排水口周辺を掃除してから、排水ホースを排水口に差し込みましょう。
設置後はホースを手で引っ張り、排水口にホースがしっかりと差し込まれているかを確認することが重要です。排水口がエルボの場合は、排水ホースの先端をエルボに差し込み、ホースバンドで固定します。さらに、ビニールテープや結束バンドで接続部分を補強しておくと、より安心です。
排水ホースを接続したら、以下の点を必ず確認してください。
- 排水ホースによじれ・つぶれ・浮き上がりがないか
- 排水ホースが折り曲がっていないか
- 排水ホースの先端が塞がれていないか
- 排水ホースや接続部から水漏れしていないか
よじれやつぶれがあると、排水できなかったり水漏れしたりする原因になります。排水ホースの折れ曲がりや引き回しにも注意が必要です。
縦型洗濯機の場合は、回転部での受傷や感電防止のため、作業前に底カバーを取り付けておくことを忘れないようにしましょう。
排水ホースクリップや結束バンドで壁面に固定する方法もあります。洗濯機の振動で排水ホースが動いてしまわないよう、しっかりと固定することが水漏れ防止につながります。特に防水パンがない場合は、万が一の水漏れが床に直接及ぶため、接続部の確認はより入念に行うことをおすすめします。
本体の水平調整と安定した設置の確認方法

排水ホースの接続が済んだら、洗濯機本体を設置場所に置き、水平かどうかを確認します。本体が水平でないと、運転中に異常振動や騒音が発生したり、本体の移動・水漏れ・故障の原因になったりします。
水平の確認には水準器を使いましょう。水準器の気泡が円の中心に来るように調整します。水準器がない場合は、おもりをつけた糸を使って水平度を確認する方法もあります。
水平になっていない場合は、調整足で高さを調整します。四隅の調整足を回して高さを変えることで水平を出せます。調整後は、本体の上端の対角(右前・左後、左前・右後)を押さえて、ガタつきがないかを確認しましょう。ガタつきがある場合は、再度調整足で高さを調整してください。
防水パンがある場合は、防水パンの中央に設置するのが基本です。防水パンがない場合は床に直接設置しますが、床の強度が十分かどうかを事前に確認することをおすすめします。
防振ゴムを使用すると、運転時の振動や騒音を軽減できます。特に集合住宅では階下への振動が近所トラブルにつながる可能性もあるため、防振・防音対策をしておくと安心です。
設置後は洗濯機を動かさないようにしましょう。床を傷つける可能性があるほか、水平が崩れてしまうこともあります。

給水ホースの正しい取り付け方と接続後の確認
給水ホースの取り付け手順は、蛇口の形状によって異なります。取扱説明書にしたがって作業を進めましょう。
マジックつぎ手がない場合の手順
蛇口にマジックつぎ手を取り付けます。取り付けにはドライバーが必要です。取り付け後はゆるみやぐらつき、傾きなどがないかを確認してください。
マジックつぎ手を蛇口に取り付けられない場合は、給水栓ジョイントなどの別売り部品を使います。マジックつぎ手または給水栓ジョイントに給水ホースを接続すれば、水栓側の取り付けは完了です。
給水ホースの本体側への接続
給水ホースは本体側にも接続が必要です。パッキンが正常に取り付けられているかを確認したうえで、傾きのないようにしっかりと取り付けましょう。ネジ式の場合は時計回りに回して、水漏れしないようにしっかりと締めてください。
接続後は以下の点を確認しましょう。
- 給水ホースにねじれや折れ曲がりがないか
- 給水ホースの接続に余裕があるか
- 水栓側および本体側の接続部から水漏れしていないか
給水ホースは新品の使用を推奨します。古いホースは劣化による水漏れリスクがあるため、引越しの機会などに交換しておくと安心です。また、給水ホースの接続に余裕がないと、何かの拍子に外れやすくなります。長さが足りない場合は延長用のホースを取り付けましょう。
アース線の接続とコンセント回りの安全確認

アース線は漏電事故を防ぐための重要な安全措置です。洗濯機は水回りで使用する家電であるため、万が一の漏電に備えてアース線は必ず接続してください。
アース線の接続手順(コンセントにアース端子がある場合)
1. 電源プラグをコンセントから必ず抜いておく
2. アース端子の蓋を外す
3. アース線をアース端子に接続する
4. アース端子のネジをしっかり締め直す
5. カバーを元に戻す
アース線を接続する際は、乾いた清潔な手で行うことが重要です。また、電源プラグをコンセントに差した状態での作業は危険なため、必ず電源プラグを抜いてから作業してください。
コンセントにアース端子がない場合
コンセントにアース端子がない場合は、自分でアース線を接続することはできません。電気工事士による差込口の増設工事が必要です。この工事には電気工事士の資格が必要なため、専門業者に依頼してください。
その他のコンセント回りの安全確認事項として、以下の点も守りましょう。
- 洗濯機は定められた規格のコンセントを単独で使用する
- 電源コードを製品本体で踏みつけたり挟み込んだりしない
- 電源コードとアース線が本体に接触していないかを確認する

試運転でチェックすべき項目と動作確認のポイント

各接続が終わったら、必ず試運転を行いましょう。試運転は洗濯槽内になにも入れない状態で行います。試運転の方法は取扱説明書に従ってください。
試運転前に、以下のチェックリストで必要な部品が正しく取り付けられているかを確認しましょう。
排水ホースのチェック
- 排水できているか
- 排水ホースの先端が塞がれていないか
- 排水ホースによじれ・つぶれ・浮き上がり・こすれがないか
- 排水ホースや接続部から水漏れしていないか
本体のチェック
- 本体を水平に設置したか
- 本体上端の対角(右前・左後および左前・右後)を押したときガタつきがないか
給水ホースのチェック
- 給水ホースは新品を使用しているか
- 給水ホースにねじれや折れ曲がりがないか
- 給水ホースの接続に余裕があるか
- 水栓側および本体側の給水ホース接続部から水漏れしていないか
アース・電源のチェック
- アースが接続されているか
- 定められた規格のコンセントを単独で使っているか
- 電源コードを製品本体で踏みつけたり挟み込んだりしていないか
- 電源コード・アース線が本体に接触していないか
試運転中のチェック
- 異常音や水漏れがないか
- 本体にガタつきや揺れがないか
- 正常に排水されているか
異常が発生したりエラー表示が出たりした場合は、試運転を一時停止し、問題を取り除いてから再度試運転しましょう。問題が解消されない場合は、メーカーや専門業者に相談することをおすすめします。
自分での取り付けが難しいケースと業者に頼むときのポイント

洗濯機の取り付けは自分で行える場合が多いですが、設置場所の状況によっては業者に依頼するほうが安全なケースがあります。以下のようなケースに当てはまる場合は、無理をせず業者への依頼を検討してください。
業者への依頼を推奨するケース
- 排水口の位置が排水ホースの出口と逆側にある
- 洗濯機のかさ上げをしたい
- コンセントが届かない
- 洗濯機のサイズが大きく、設置の人手が足りない
- 家電の設置に慣れていない
- コンセントにアース端子がない(電気工事士による工事が必要です)
- 洗濯機置き場が特殊な場所にある
- 自分で取り付けた後に水漏れが発生した
特に、アース端子がないコンセントへのアース線接続は、電気工事士の資格が必要な工事のため、必ず専門業者に依頼してください。
業者の種類と選び方
洗濯機の取り付けは、家電量販店・住宅設備業者・引越し業者・宅配便などに依頼できます。業者に依頼すれば短時間で正確に作業してもらえるため、自分での設置に不安がある方は依頼を検討してみましょう。
家電量販店では、洗濯機を購入すると新しい洗濯機の設置を無料で行ってくれるケースもあります。取り外しと取り付けをセットで依頼できる業者もあるため、引越しの際などは合わせて確認しておくと便利です。
業者選びの際は、以下のポイントを参考にしてください。
- 口コミを確認して利用者のリアルな声をチェックする
- 料金やサービス内容が事前に明示されているか確認する
- アフターサービスの有無を比較する
設置費用は業者によって異なります。見積もりを複数の業者から取り、内容を比較してから依頼することをおすすめします。
洗濯機を自分で取り付けるときのポイントと注意点まとめ
この記事のまとめです。
- 設置前に防水パン・洗濯機置き場のサイズと搬入経路の幅を計測する
- ドラム式は扉を開け閉めするスペースの確保も忘れずに確認する
- 直射日光・凍結・不安定な床面など、設置に向かない場所を避ける
- 排水エルボがない場合は管理会社・大家さんに連絡する
- 排水口の位置によっては排水ホースの延長や業者依頼が必要になる
- 蛇口の種類に合ったジョイント部品(マジックつぎ手等)を事前に準備する
- 取り付けの順番は「排水ホース → 水平調整 → 給水ホース → アース線」の順が基本
- 排水ホースはよじれ・つぶれ・浮き上がりがないようにし、ホースバンドでしっかり固定する
- 水準器を使って本体の水平を確認し、調整足でガタつきを解消する
- 給水ホースは新品を使い、接続部のパッキンが正常に取り付けられているか確認する
- アース線の接続はコンセントにアース端子がある場合のみ自分で対応できる
- アース端子がない場合の工事は電気工事士による作業が必要です
- 試運転は洗濯槽内をからにした状態で行い、水漏れ・異音・排水不良がないかを確認する
- 自分での取り付けが難しいと感じたら、無理をせず業者に依頼する

