脱水モードに切り替わった瞬間、洗濯機が大きく揺れて突然止まってしまった。そんな経験はありませんか?あるいは、いつもと違う「ガリガリ」「ガタガタ」という音が洗濯中に聞こえてきたり、洗い終わっても槽の中に水がたまったままになっていたりすることもあります。
「故障かも……」と不安になる気持ちはよくわかりますが、実はうっかりミスや簡単な詰まりが原因になっているケースも多く、自分で確認して対処できることも少なくありません。洗濯物の偏り・フィルターの詰まり・排水ホースの折れ曲がりといった身近な原因から、ベアリングやモーターの劣化といった本格的な部品故障まで、症状はさまざまです。
本記事では、洗濯機の主な故障症状とその原因・自分でできる対処法・修理費用の目安・修理か買い替えかの判断基準・依頼先の選び方を順に解説します。「何が原因かわからず焦っている」「修理と買い替えのどちらを選べばいいか迷っている」という方に向けて、原因特定から解決への道筋を整理しています。
- 洗濯機の故障によくある症状(脱水・排水・異音・水漏れなど)とその原因がわかる
- 自分でできる対処法と、メーカー・業者に相談すべきケースの見分け方がわかる
- 修理費用の目安(故障内容別の料金)と修理か買い替えかの判断基準がわかる
- 修理依頼先(メーカー・家電量販店・修理専門業者)の違いと選び方がわかる
洗濯機が故障?症状から原因を特定する方法【洗濯機 故障】
- 脱水できない・洗濯物が回らないときの原因
- 排水できない・水がたまらないときの原因
- 洗濯機から異音・大きな振動が起きたときの原因と確認方法
- 水漏れ・給水できないときの原因と応急処置
- 故障のサインを早めに見つけるセルフチェックのポイント
脱水できない・洗濯物が回らないときの原因

洗濯機が脱水の途中で止まる・エラーが出る・洗濯物が全然回っていないといった症状は、比較的よく起きるトラブルのひとつです。原因は多岐にわたりますが、まず確認したいのが洗濯物の偏りです。
多くの洗濯機には異常な振動を検知すると運転を一時停止させる機能が付いており、脱水中に洗濯槽の中で洗濯物が片寄ると、回転が不安定になりエラーが出る可能性があります。一度運転を止めて洗濯物を取り出し、槽の底にまんべんなく広げてから再スタートするだけで解消できることがあります。
次に洗濯物の量です。縦型洗濯機では、洗濯物の量が多すぎると底部の回転翼(パルセーター)への負荷が増大し、脱水できなくなる場合があります。一方、ドラム式洗濯機はバスタオル1枚だけなど少なすぎる量でも偏心して脱水不良が起きる可能性があるため、適量を守ることが大切です。
洗濯機の蓋(フタ)が開いたままの場合もセンサーが反応して脱水しません。また、洗濯ネットに詰め込みすぎていると偏りの原因になります。洗濯機本体の傾きも脱水不良につながるため、水準器の気泡が枠の中央から外れていないか確認してみてください。
排水口や排水ホースが詰まっていると、洗濯槽に水が残ったまま脱水に進めずエラーになるケースもあります。糸くずフィルター(排水フィルター)の汚れや詰まりも排水の妨げになるため、定期的な清掃が必要です。
パルセーター(洗濯槽底部の回転翼)にヘアピンなどの小物が詰まっている場合や、パルセーター自体の故障・磨耗による空回りが原因のこともあります。溝が磨り減って空回りしているケースでは、パルセーターを外して確認することで原因が判明することがあります。センサー自体が故障している場合は自分での対処が困難なため、メーカーサービスへの相談をおすすめします。
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排水できない・水がたまらないときの原因

洗濯後に水が槽に残ったまま排水されない、または洗濯を始めても水がたまらないという症状は、排水系統のトラブルが主な原因として考えられます。
排水できない場合に最初に確認したいのが、排水ホースの状態です。洗濯機本体がホースを踏んでいたり、ホースが折れ曲がっていたりするだけで排水が妨げられます。またホース内部に汚れやゴミが蓄積して詰まっているケースも多く見られます。排水口(床側)の詰まりも同様に排水エラーの原因になります。
排水ホースの設置位置が高すぎる場合も排水不良の原因になることがあります。メーカーが推奨する高さを超えて設置されていると、排水がスムーズに行えない可能性があります。
水がたまらない場合は、排水弁に異物や汚れが詰まって閉じなくなっている可能性があります。排水弁がうまく閉じられないと水が常に抜けてしまい、槽に水がたまらなくなります。排水弁の汚れは自分で取り除ける場合もありますが、洗濯機を動かす必要があるため難しいと感じた場合は修理業者への依頼がよいでしょう。排水バルブそのものの故障や排水ポンプの故障が疑われる場合は、専門業者への修理が必要です。
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洗濯機から異音・大きな振動が起きたときの原因と確認方法

洗濯機から聞き慣れない音がしたとき、その音の種類を確認することが原因特定の第一歩になります。
「ガリガリ」「カラカラ」という音は、洗濯槽の底(パルセーター付近)からの異物混入が主な原因として考えられます。ポケットに入れたままにしていたコイン・ヘアピン・ボタンなどが洗濯槽の中に落ち、回転翼に当たっている可能性があります。物が入っている場合は不規則に音がなるのが特徴です。異物を確認して取り除けば解消される場合があります。ただしパルセーターの裏側に入り込んでいる場合は無理をせず修理を依頼しましょう。
「ドタドタ」「ガタガタ」という大きな振動音は、洗濯物の偏りや設置場所が不安定なことが原因として多く見られます。厚手のタオルケットやデニムなどが片寄っているケース、または洗濯機の脚が床にしっかり接地せず水平でないときに発生します。一度運転を停止して洗濯物をほぐし直す、または傾斜計(水準器)を確認して水平に設置し直すことで改善することがあります。
洗濯機の水準器の気泡が枠の中央から外れている場合は傾いているサインです。脚の長さを調整して水平に直しましょう。
「キュルキュル」という音は、洗濯槽を回転させるベルトの摩耗・劣化が原因である可能性があります。この音は部品の寿命のサインとして考えられ、放置すると回転しなくなる恐れがあるため、早めに専門業者やメーカーへの点検依頼をおすすめします。
「キーン」「キーキー」という高い金属音は、軸受け(ベアリング)やモーターの深刻な劣化が疑われます。高速回転時に発生する規則的な異音の場合は特に注意が必要です。放置すると高額修理につながる可能性があるため、メーカーサービスへの相談をおすすめします。
なお、ティッシュやメモをポケットに入れたまま洗濯すると水でふやけてホースや洗濯機パーツの詰まりにつながることもあります。洗濯前のポケット確認を習慣にするとよいでしょう。
異音が気になる場合は、まず洗濯物の偏りと設置の水平を確認してから、改善しないときにメーカーサービスへ問い合わせるとよいでしょう。
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水漏れ・給水できないときの原因と応急処置

洗濯機から水が漏れている場合は、まず被害拡大を防ぐ応急処置が優先です。すぐに洗濯機の電源を切り、コンセントを外し、蛇口を閉めましょう。水と電気が同時に絡む状況は危険なため、電源確保を優先して行ってください。
水漏れで最も多い箇所は給水ホースと排水ホースです。ホースに穴があいて水が漏れ出ている可能性があります。蛇口のネジの緩み、洗剤入れ・フィルター・排水口の汚れによる逆流、パッキンの劣化・損傷なども水漏れの原因として挙げられます。
ホース周辺に問題がない場合は、洗濯機の内部故障や部品の接続部の劣化が原因の可能性があります。この場合は自分で修理しようとせず、メーカーサービスに相談することをおすすめします。
給水できない場合は、まず蛇口が開いているかどうかを確認してください。単純に蛇口が閉まっているだけのこともあります。蛇口が開いているのに給水できない場合は、給水ホース内部に汚れが溜まって水が流れにくくなっている可能性があります。給水ホースを取り外してホース内部を水で洗い流すことで改善できる場合があります。
また蛇口の緊急止水弁が作動している可能性も考えられます。水道の元栓を閉め、洗濯機の蛇口を開けて水圧を下げた後に、緊急止水弁を蛇口の中に押し込むと解除できることがあります。給水フィルターの詰まりが原因の場合はフィルターの清掃が必要です。
水漏れの際は感電を防ぐため、必ず電源を切ってからコンセントを抜き、蛇口を閉めてから原因を確認してください。
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故障のサインを早めに見つけるセルフチェックのポイント

洗濯機の平均寿命は7〜10年程度とされており、使用頻度や環境によって変わります。日ごろからセルフチェックを習慣にしておくと、大きな故障になる前に対処できる可能性が高まります。
洗濯中に頻繁に停止する・エラーコードが繰り返し出るといった状況が続く場合は、修理か買い替えを検討するサインとして考えられます。洗濯後に汚れが落ちていないことが増えてきた場合も、洗濯機の機能が低下しているサインのひとつです。
日常的にできる予防として、洗濯物は洗濯槽の8割未満を目安にすると本体への負荷を軽減できます。洗剤の入れすぎはカビ発生の原因になり、故障につながることがある可能性があるため、洗濯槽や洗濯物の量に合った割合で使用しましょう。
使用後は蛇口を閉める習慣も大切です。蛇口をそのままにしておくとホースに水圧が加わり続けることになり、水漏れなどの原因になることがあります。月1〜2回は洗濯槽専用洗剤を使って洗濯槽を清掃し、排水フィルターや排水バルブの汚れもあわせて確認・清掃しておきましょう。
排水フィルターの詰まりは最も多い故障原因のひとつです。月に1〜2回の清掃を習慣にしておきましょう。
洗濯機が故障したときの対処法・修理費用と依頼先の選び方
- 洗濯機の故障で自分でできる対処法と確認すること
- 洗濯機の修理費用の相場と故障内容別の料金目安
- 修理か買い替えかを判断するための基準
- 修理をどこに依頼するか:メーカー・業者・量販店の違い
洗濯機の故障で自分でできる対処法と確認すること

洗濯機に不具合が起きたとき、すぐに修理業者を呼ぶ前に確認できることがいくつかあります。順番に試してみましょう。
まずエラーコードを確認することが出発点です。最近の洗濯機はコンピューター制御されているものが多く、何らかの異常を検知するとエラーコードを表示します。そのコードを取扱説明書またはメーカーの公式サイトで調べると、異常箇所を絞り込むことができます。
蓋(フタ)がきちんと閉まっているかも確認してください。フタが開いたままだとセンサーが反応して脱水・運転ができません。洗濯物が偏っている場合は一度取り出して槽の底にまんべんなく広げて再スタートしてみましょう。
排水ホースが折れ曲がっていたり洗濯機本体に踏まれたりしていないかを確認し、あれば解消します。排水口・糸くずフィルターに汚れや詰まりがある場合は清掃しましょう。給水ホースが汚れている場合はホースを取り外して内部を水で洗い流します。
洗濯機の水平(傾き)をチェックすることも忘れずに。水準器の気泡が枠の中央に収まっているかを確認し、傾いている場合は水平になるよう設置状況を見直しましょう。パルセーター周辺にヘアピン等の異物がないかも確認してみてください。
水漏れが起きた場合の応急処置は、電源OFF→コンセントを抜く→蛇口を閉めるの順番です。
自分でパルセーターを分解して直してもいいの?
分解・内部修理は自己判断で行わず、メーカーサービスに相談することをおすすめします。保証が残っている場合は自己修理で保証が無効になる可能性があります。
洗濯機の修理費用の相場と故障内容別の料金目安


洗濯機の修理費用は、故障の内容によって数千円から数万円まで幅があります。費用は主に「出張費2,000〜4,000円+診断・点検費3,000〜5,000円+技術料5,000〜20,000円+部品代1,000〜30,000円」の組み合わせで構成されます。メーカー系修理業者では出張費と診断費がセットで5,000〜8,000円程度が一般的です。
排水系トラブルの修理費用目安
- 排水フィルターの詰まり(清掃・調整):5,000〜8,000円
- 排水ホースの詰まり・破損(ホース交換含む):8,000〜15,000円
- 排水弁の不具合:12,000〜20,000円(部品代7,000〜12,000円)
- 排水ポンプの故障:15,000〜25,000円(部品代10,000〜15,000円)
脱水系トラブルの修理費用目安
- 脱水槽のバランス調整:6,000〜10,000円
- モーターベルトの交換:8,000〜15,000円(ベルト代2,000〜4,000円)
- 脱水センサーの故障:10,000〜18,000円(センサー部品代5,000〜8,000円)
- モーター本体の故障:25,000〜40,000円(モーター代15,000〜25,000円)
異音・振動の修理費用目安
- 設置・水平調整:3,000〜6,000円
- ショックアブソーバー交換:15,000〜25,000円(部品代8,000〜12,000円)
- ベアリング交換:20,000〜35,000円(部品代10,000〜18,000円)
給水・水漏れの修理費用目安
- 給水ホースの交換:6,000〜12,000円
- 給水弁の交換:12,000〜20,000円
- 内槽パッキンの交換:18,000〜30,000円
ドラム式洗濯機の修理費用は、縦型洗濯機と比較しておよそ1.5〜2倍程度の金額になる傾向があります。構造が複雑で部品代や作業工賃が高くなるためです。修理前には必ず見積もりを取り、最低でも2〜3社に問い合わせて費用と修理内容を比較することが重要です。
修理か買い替えかを判断するための基準


修理するか買い替えるかを判断するには、使用年数・修理費用・故障の状況を総合的に考えることが大切です。
使用年数による目安として、3年未満は基本的に修理を推奨(保証期間内の可能性もある)、5〜7年は修理費用が10,000円以下なら修理・それ以上は総合判断、7年以上はよほど軽微な故障以外は買い替えを推奨する、という考え方があります。
修理費用の目安ラインとして、現在の洗濯機の時価と修理費用を比較する方法が有効です。修理費用が現在価値の50%以上になる場合は買い替えを検討、30%未満なら修理を推奨という目安が参考になります。例えば、5年前に購入した15万円の洗濯機(現在価値約5万円)が故障し修理費用が3万円かかる場合は買い替えの検討が考えられます。
修理後も別の故障が続く場合や、複合的な不具合が生じているケースは買い替えのサインとして考えられます。ベアリング故障・モーター系統の不具合・制御基板の故障は、修理しても数か月後に別の箇所が壊れる可能性があります。
保証期間内(通常購入から1年間)は無料または少ない自己負担で修理できる可能性が高いため、まず確認しましょう。家電量販店の長期保証(3年・5年)を利用している場合は購入店に連絡するのが優先です。ただし、使用者過失による故障(洗濯槽に異物を入れて回してしまった等)は保証対象外になる場合があります。
部品の製造終了(部品保有期間終了)により修理が受け付けられない場合もあるため、古い機種の場合はメーカーへの問い合わせで対応可否を確認することをおすすめします。


修理をどこに依頼するか:メーカー・業者・量販店の違い


洗濯機が故障したとき、まず優先して確認してほしいのが保証期間内かどうかです。洗濯機には通常、購入から1年間のメーカー保証が付いています。保証期間内であれば、基本的に無料または少ない自己負担で修理してもらえる可能性が高いため、購入店(家電量販店)に連絡するのがおすすめの方法です。
保証が切れている場合の依頼先は主に「メーカー」か「修理専門業者」の2択になります。
メーカーへの直接依頼は、製品知識が豊富で技術力が高く純正部品が使用される点で安心感があります。ただし修理料金が比較的高めで、予約が混み合っていると訪問まで時間がかかることがあります。
修理専門業者(街の電気屋など)は料金が比較的安い傾向があり、地域密着型の業者なら即日対応してくれる可能性もあります。ただし業者によって技術力や対応に差があり、純正部品の入手が困難な場合があります。悪質な業者も存在するため、選定には注意が必要です。
業者を選ぶポイントとして、料金体系が明確で見積書をきちんと発行してくれること、修理実績が豊富で口コミが良いこと、修理後の保証・アフターフォローが充実していること、の3点を確認するとよいでしょう。複数業者に見積もりを取って費用だけでなく修理内容と保証期間を比較することが大切です。
なお、分解を伴う修理作業は必ずメーカーサービスまたは信頼できる修理業者に依頼し、自己判断での分解はおすすめしません。メーカー保証が残っている場合は特に注意が必要です。


まとめ: 洗濯機の故障への対処は原因特定から始めよう
この記事のまとめです。
- 洗濯機の故障には脱水不良・排水不良・異音・水漏れ・給水できないなど多くの症状がある
- まずエラーコードを確認し、何の故障なのかを把握することが大切
- 脱水できないときは洗濯物の偏りやフタの閉め忘れ・フィルター詰まり・ホースの状態を確認する
- 排水できないときは排水ホースの折れ曲がりや詰まり・排水口の汚れを確認する
- 異音がする場合は音の種類で原因を判断し、カラカラ音は異物混入、キュルキュルはベルト劣化が多い
- 水漏れが起きたらすぐに電源OFF・コンセントを抜き・蛇口を閉めてから原因を確認する
- 自分でできる対処を試してから、修理か買い替えかを判断する
- 修理費用は故障内容によって大きく異なり、数千円から数万円の幅がある
- ドラム式洗濯機は縦型と比べて修理費用が高くなる傾向がある
- 保証期間内はまず購入店に相談することが大切
- 使用年数7年以上・修理費が本体現在価値の50%以上なら買い替えも選択肢に入れて検討する
- 修理依頼先はメーカー・修理専門業者・家電量販店がある。複数から見積もりを取って比較するとよい
- 分解・内部修理は自己判断で行わず、必ずメーカーサービスに相談することをおすすめする








