「冷蔵庫と洗濯機だけを新居に運びたい」という場面は、家電の買い替えや単身での引っ越しなど、さまざまなシチュエーションで生じます。しかし、大型家電2点のみを運ぶ場合、どのサービスを使えばよいのか、いくら費用がかかるのかが分かりにくいと感じる方も多いでしょう。
通常の引っ越しプランをそのまま契約すると、荷物が少ないにもかかわらず割高になってしまうケースがあります。一方、費用を抑えようと自力で運ぼうとすると、家電の破損や家屋の損傷、さらには腰や足を傷めるリスクが伴います。冷蔵庫や洗濯機は適切な方法で運搬しなければ、故障の原因にもなりかねません。
この記事では、冷蔵庫と洗濯機のみの引っ越しを検討している方に向けて、5つの運搬方法と料金相場、そして引っ越し前後に行うべき準備・設置の手順を詳しく解説します。自分の状況に合った方法を選ぶための参考にしてください。
- 冷蔵庫と洗濯機だけの引っ越しには、引越し業者・宅配便・混載便・自力・買い替えの5つの方法がある
- 通常期の料金は同一市区町村15,000〜30,000円、繁忙期(3〜4月)は1.5〜2倍程度に高騰する
- 引っ越し前日までに水抜きと霜取りを済ませておくことで搬送トラブルを防げる
- 新居の搬入経路サイズと設置スペースを事前に確認することで当日のトラブルを防げる
冷蔵庫と洗濯機のみの引っ越し料金相場と5つの運搬方法
- 引越し業者に依頼する方法と通常期・繁忙期の料金相場
- 宅配便・配送サービスを利用する場合の料金目安と特徴
- 混載便で近距離引っ越しのコストを抑える方法
- 自力で運ぶ場合の費用感と注意すべきリスク
- 引越しを機に買い替えを検討すべきケースとは
引越し業者に依頼する方法と通常期・繁忙期の料金相場

冷蔵庫と洗濯機のみの運搬を引越し業者に依頼する場合、多くの業者が「家具・家電単品輸送プラン」「ミニ引越プラン」「混載便」の3種類を用意しています。梱包から搬出・輸送・搬入・設置まで一貫して任せられる点が最大のメリットです。
料金相場は、時期と移動距離によって大きく異なります。通常期(5月〜2月)の目安は、同一市区町村内で15,000〜30,000円、同一都道府県内で20,000〜40,000円、近隣地方(500km未満)では30,000〜60,000円程度です。別途、引越し業者全体の単品輸送料金の目安として約8,000〜30,000円という報告もあります。
一方、繁忙期(3〜4月)になると料金が通常期の1.5〜2倍程度に高騰する傾向があります。また、繁忙期は単品輸送の依頼を受け付けない業者も出てくるため、早めの問い合わせが必要です。
アート引越センターの「ラクモ(ラクラク模様替えサービス)」は家具2点まで9,800円(税込)〜という料金設定で、冷蔵庫と洗濯機のみの近距離運搬にも応用できる可能性があります。
安全面では、専用の梱包資材(キルティングパッド等)と養生を使用するほか、ほとんどの引越し業者が運送保険に加入しており、破損時に補償を受けられます。料金を安く抑えるコツは複数業者から相見積もりを取ることです。また、業者の都合に合わせた日時設定を許容する「フリー便」を利用すると割引が適用されることが多くあります。

宅配便・配送サービスを利用する場合の料金目安と特徴

気になるのが、引越し業者以外の選択肢ですよね。ヤマトホームコンビニエンスの「らくらく家財宅急便」や、SGムービング(佐川急便グループ)の「飛脚大型家具・家電設置便」は、大型家電を1点から配送してくれるサービスです。
料金は荷物の3辺合計サイズと輸送距離で決まります。単身用冷蔵庫(2ドア150Lクラス)および縦型洗濯機(5〜7kgクラス)はいずれもC〜Dランクに該当することが多く、らくらく家財宅急便の場合、東京都内ではCランク7,770円、Dランク11,280円が目安です。東京〜大阪間ではCランク8,980円、Dランク13,040円となっています。
別の報告では、宅配業者の価格相場として、洗濯機サイズは同一県内で約8,000円・東京〜大阪間で約9,000円、冷蔵庫サイズは同一県内で約17,000円・東京〜大阪間で約20,000円という数字も示されています。
宅配便・配送サービスの大きな特徴は、繁忙期でも料金変動が少ない点です。3〜4月に引っ越しを予定している場合でも、引越し業者より費用を抑えられる可能性があります。専門スタッフ2名が梱包から設置まで対応してくれますが、洗濯機の取り付けはオプション(有料)となる場合があること、吊り上げ・吊り下げ等の特殊作業には対応しないか追加料金が必要になることは注意が必要です。Webサイトから申し込みが完結できる手軽さも魅力のひとつです。
混載便で近距離引っ越しのコストを抑える方法

混載便は、一台のトラックに複数の荷主の荷物を載せて同一地区に運搬する方法です。引越し業者の単身引越しパックも、混載便として運搬されることが多くあります。
料金の相場を見ると、近距離(同一市区町村内)ではA社が約15,400円〜、同一県内ではB社が約19,800円〜となっています。長距離(東京〜大阪間)になるとA社が約30,800円〜、B社が約28,600円〜と高くなるため、長距離の場合は引越し業者の単品プランと比較検討することが重要です。
混載便を利用する際は、コンテナのサイズに冷蔵庫・洗濯機が収まるかを事前に確認する必要があります。業者によってはコンテナのサイズを選べる場合もあります。ただし、複数の荷主の荷物を同時に輸送する性格上、日時の詳細指定が難しく、到着まで時間がかかることがあります。また、仕分け作業が複数回にわたることで誤配送のリスクや荷物へのダメージが比較的大きくなる点も把握しておきましょう。近距離での引っ越しに適した方法といえます。
自力で運ぶ場合の費用感と注意すべきリスク

自力で運ぶ場合の最大の魅力は、うまくいけば数千円〜1万円程度で済む費用の安さです。ただし、リスクも非常に大きいことを理解したうえで検討する必要があります。
必要なものは、軽トラックや小型バン(冷蔵庫を立てて積める高さのある車)、台車、毛布や緩衝材、ロープやラッシングベルトです。人手は最低でも大人2人以上、大型の冷蔵庫の場合は3人以上が望ましいとされています。
注意すべきリスクとして、まず怪我の危険性があります。重い家電を無理な体勢で運ぶと腰を痛めたり、落として足を怪我する危険があります。家電破損の面では、冷蔵庫は横にして運ぶと内部の冷却システムが故障する原因になるため必ず立てて運搬する必要があります。適切な梱包・運び方をしないと壁・床・ドアなどを傷つける可能性もあります。さらに、補償がないため事故時の費用は自己責任となります。この方法が適しているのは、近距離で小型・軽量な家電かつ、運搬経験のある人手を十分確保できる場合に限られます。
引越しを機に買い替えを検討すべきケースとは

長距離の引越しで運搬費用が高額になる場合は、買い替えを検討する方が合理的な場合があります。特に使用年数が7年以上の家電は買い替えの検討を推奨する情報があり、10年以上使用した家電は故障リスクが高まるとされています。
買い替えのメリットは複数あります。新しい家電を購入すれば家電量販店が無料または格安で配送・設置してくれることもあります。また、最新の省エネモデルを導入することで電気代の節約により購入費用を回収できる可能性もあります。古い家電は家電リサイクル法に基づいて有料で引き取りしてもらえるため、処分の手間が省ける点も引越しを機にした買い替えの利点です。新品はメーカー保証が付いており故障リスクが低い点も安心材料になります。長距離引越しで運搬コストが大きく膨らむケースでは、買い替えという選択肢を費用面でしっかり比較してみることをおすすめします。

冷蔵庫と洗濯機の引っ越し前に必要な準備と新居での設置方法
- 引っ越し前日までに済ませる冷蔵庫の水抜きと霜取り手順
- 洗濯機の水抜き手順と引っ越し前日に行うべき理由
- 搬入経路と新居の設置スペースを事前に確認する方法
- 新居での洗濯機の設置方法と動作確認の手順
引っ越し前日までに済ませる冷蔵庫の水抜きと霜取り手順

冷蔵庫の準備は引越し前日までに行うのが基本です。直前に行うと水抜きや霜取りが不十分になる可能性があります。電源を切るタイミングは引越しの15〜24時間前が目安で、製氷機能がある場合は事前にオフにしておきましょう。夏場は霜が溶けるのに時間がかかるため、早めに電源を切ることを推奨します。
霜が溶けた水は冷蔵庫の下部にある蒸発皿(水受けトレイ)に溜まります。蒸発皿の場所や取り外し方は機種によって異なるため、取扱説明書を確認してください。量が多い場合はタオルなどを敷いて水漏れに備えると安心です。
水抜きが終わったら庫内を清掃し、アルコール消毒してドアを開けたまま乾燥させます。庫内の棚やトレイは取り外してタオルで包むか動かないよう固定しておきましょう。食材は引越し日から逆算して計画的に使い切ることも大切です。
ドアが運搬中に開かないよう養生テープで軽く固定します。このとき、粘着力の強いガムテープは塗装を剥がす可能性があるため使用しないようにしてください。
設置後の注意点として、運搬後はすぐに電源を入れるのを避け、最低1時間(できれば数時間〜半日)待ってから電源を入れるのが安全との報告があります。運搬の振動で内部の冷却液が不安定になるためとされています。

洗濯機の水抜き手順と引っ越し前日に行うべき理由

洗濯機の水抜きは引越しの前日がベストです。水抜きを怠ると、運搬中に水が漏れ出し他の荷物や建物を濡らしてしまうトラブルにつながります。また、残水があると運搬時に重さのバランスが崩れ、破損や転倒の原因にもなりかねません。
水抜き完了にかかる時間は30分〜1時間程度です。必要なものは、ドライバー、洗面器またはバケツ、タオル(バスタオル2〜3枚)、ビニール袋です。
縦型洗濯機の手順は次のとおりです。まず蛇口をしっかり閉め、標準コースで1〜2分運転後停止して給水ホース内の水を洗濯槽に排出します。次に電源を切って蛇口から給水ホースを取り外します。その後、脱水モードで運転して洗濯槽内の水を排出し、排水口から排水ホースを取り外します(水がこぼれることがあるため洗面器を用意しておきましょう)。
ドラム式洗濯機の場合は、縦型の手順に加えて糸くずフィルターの水抜き(フィルターを少しずつゆるめて水を排出)が必要です。さらに、輸送用固定ボルト(ネジ)を取り付けることが必須となります。引越し業者も用意していない場合が多いため、購入時に付属していたものを必ず保管しておきましょう。
取り外した給水ホース・排水ホース・部品はビニール袋にまとめて保管すると紛失を防げます。引越し当日に水抜きを忘れていた場合も、30分〜1時間あれば対応可能とのことです。

搬入経路と新居の設置スペースを事前に確認する方法

搬入・搬出経路の確認で困った経験はありませんか?「買ったときは入ったのに、引越しで搬入できない」というトラブルを避けるためにも、事前の確認が欠かせません。
確認すべき搬入経路のポイントは次のとおりです。玄関ドアの幅・高さ、廊下の幅(特に曲がり角)、階段の幅・高さ・踊り場のスペース、エレベーターの入口と内部サイズをそれぞれ計測します。運搬時は本体を傾けたり作業員が持つスペースも必要になるため、本体サイズ+10cm程度の余裕を見ておくと安心です。
経路が狭くて通過できない場合はクレーンによる吊り上げ・吊り下げ作業が必要になる可能性があります。この作業は追加料金が発生するため、見積もり時に必ず業者に伝えておくことが重要です。
新居の設置場所についても確認が必要です。冷蔵庫は放熱のために壁から数cmのスペースが必要で、機種によって異なるため取扱説明書で確認しましょう。コンセントの位置と形状(アース端子の有無)も確認します。
洗濯機については、防水パンの内寸が洗濯機の脚部の寸法に収まるか、水道の蛇口の位置・形状が給水ホースと適合するか、排水口の位置が排水ホースの届く位置にあるかをそれぞれ確認してください。蛇口の位置が低すぎる場合は延長偏心管が必要になることもあります。
新居での洗濯機の設置方法と動作確認の手順

洗濯機は横に向けないよう注意して運搬・設置します。大きくて重たいため、2人以上で作業するのが理想です。設置スペースに置いたら、水平になるよう脚を調整します。
排水ホースは排水溝から最も近い接続口に取り付けます。このとき、ホースが曲がってつぶれていたり、脚で踏んでいたりしないかを必ず確認してください。エルボ(L字型部品)で排水ホースを排水溝に接続し、締め付けバンドで固定します。
アース線はコンセント下の端子にプラスドライバーで固定します。給水ホースを蛇口に接続しますが、蛇口の種類によって取り付け方が異なる場合があるため、取扱説明書を参照するとスムーズです。
試運転の手順として、まず蛇口を少しずつ開けて水漏れがないかを確認してから通常モードで運転を開始します。洗濯槽に水が1/3程度溜まったら脱水モードに切り替え、排水ホース等からの水漏れを確認します。水漏れがあった場合は運転を止めて接続部分の状態を再確認してください。

冷蔵庫と洗濯機のみの引っ越し料金と準備ポイントまとめ
この記事のまとめです。
- 冷蔵庫と洗濯機のみの引っ越し方法は、引越し業者・宅配便・混載便・自力・買い替えの5つがある
- 引越し業者の通常期(5月〜2月)の料金相場は同一市区町村15,000〜30,000円、同一都道府県20,000〜40,000円
- 繁忙期(3〜4月)は料金が通常期の1.5〜2倍程度に高騰し、予約が埋まりやすくなる
- アート引越センターの「ラクモ」は家具2点まで9,800円(税込)〜で、近距離の冷蔵庫・洗濯機運搬にも活用できる
- ヤマトホームコンビニエンス「らくらく家財宅急便」は繁忙期でも料金変動が少なく、東京都内Cランク7,770円〜
- 宅配便の洗濯機サイズは同一県内約8,000円、冷蔵庫サイズは同一県内約17,000円が目安
- 混載便は近距離で費用を抑えやすいが、長距離(東京〜大阪間)は引越し業者のプランと比較が必要
- 自力で運ぶ場合は数千円〜1万円程度で済むが、怪我・破損・補償なしのリスクを伴う
- 使用年数7年以上の家電は引越しを機に買い替えを検討すると、処分・運搬の手間が省ける
- 冷蔵庫の水抜き・霜取りは引越しの15〜24時間前に電源を切って行うのが目安
- 霜が溶けた水は蒸発皿(水受けトレイ)に溜まるため、取扱説明書で場所を確認する
- 設置後はすぐに電源を入れず、最低1時間(できれば数時間〜半日)待つのが安全
- 洗濯機の水抜きは引越し前日がベストで、30分〜1時間で完了できる
- ドラム式洗濯機は水抜きに加えて輸送用固定ボルトの取り付けが必須なので購入時から保管しておく
- 搬入経路では本体サイズ+10cm程度の余裕を確認し、防水パン寸法・蛇口形状・排水口位置も新居で事前チェックする

