洗濯機を開けたら、衣類がティッシュだらけ……これどうすればいいの?
ポケットにティッシュを入れたまま洗濯してしまった経験は、多くの方にあるはずです。洗濯後に蓋を開けると、洗濯物にびっしりとティッシュカスがこびりついていて、途方に暮れてしまうことも少なくありません。子どもの服はもちろん、大人の衣類やタオルも例外なくティッシュまみれになってしまいます。
この記事では、ティッシュを洗濯機で洗ってしまったときに取るべき対処法を順番に解説します。衣類からティッシュを取り除く方法から、洗濯機自体の掃除手順まで、縦型とドラム式それぞれのやり方をまとめました。正しい手順で対処すれば、衣類も洗濯機も元通りにきれいにできます。ぜひ参考にしてください。
- ティッシュが衣類に絡みつく原因は静電気と素材の特性にある
- 柔軟剤を使った再洗濯が最も効果的な基本対処法
- 洗濯機のフィルターや排水ホースの掃除も必ず行う
- 縦型とドラム式では洗濯機の掃除手順が異なる
ティッシュを洗濯してしまった直後の対処法と原因
- ティッシュが洗濯物に絡みつく理由
- 洗濯直後の初動:洗濯槽の確認と手動除去
- 柔軟剤を使って再洗濯する基本の方法
ティッシュが洗濯物に絡みつく理由を理解しよう


「なぜメモやレシートは平気なのに、ティッシュだけこんなにひどいことになるの?」と思った方も多いのではないでしょうか。その理由を知ると、対処法がぐっと理解しやすくなります。
ティッシュの原料は木材パルプですが、トイレットペーパーとは使われているパルプの種類が異なります。トイレットペーパーには繊維の短い広葉樹パルプが使われており、水に濡れると繊維がほぐれやすい性質があります。一方、ティッシュには繊維の長い針葉樹パルプが使われているため、水に濡れても繊維がほぐれにくく、洗濯機の中でも形を保ちやすいのです。
さらに、ティッシュの製造には「湿潤紙力増強剤」という薬品が使われています。クリーニングの専門家によると、この薬品は原材料のセルロース繊維を濡らして脱水・乾燥する工程で、セルロース繊維同士を結合させて強度を増す働きをするとのことです。そして、綿などの衣類もセルロース繊維でできているため、洗濯の中でティッシュのセルロース繊維と衣類のセルロース繊維が湿潤紙力増強剤の働きによってくっつき、取れにくくなります。ポリエステル繊維などセルロース以外の素材の衣類は、比較的ティッシュが取れやすい傾向があります。
また、ティッシュは肌に直接触れることを前提に薄くて柔らかい素材で作られているため、洗濯の衝撃でさらに細かくバラバラになります。ティッシュは2層構造になっており、洗濯中の摩擦でそれぞれの層がほぐれ、広範囲にわたって衣類にくっついてしまいます。加えて、洗濯機の中で衣類とティッシュが擦れ合うことで静電気が発生し、ティッシュが衣類に強固にくっつく原因にもなります。乾いた後も静電気でこびりついたままの状態が続くため、単純にはたくだけでは落ちません。
こうした性質が重なるため、ティッシュを洗濯機で洗ってしまうと衣類への付着がとても頑固になるのです。


洗濯直後の初動:洗濯槽の確認とティッシュの手動除去


洗濯機を開けてティッシュの散乱を確認したら、まず焦らずに次の手順で初動対応を行いましょう。先に洗濯機内のティッシュを除去しておかないと、この後に柔軟剤で再洗濯しても効果が薄れてしまいます。
最初にやるべきことは、洗濯槽の中をのぞいて目に見える大きなティッシュを可能な限り手で取り除くことです。このとき、槽の底だけでなく洗濯槽の穴にもティッシュが入り込んでいることが多いため、側面の穴も含めて全体をチェックしてください。細かいティッシュカスは掃除機で吸い取ると効率よく除去できます。
手で取れる分を取り除いたら、次にすすぎと脱水を行います。このひと手間を加えるだけで、洗濯槽に残ったティッシュの大部分が取れます。すすぎの際に洗濯機を回すと、槽内に残っていたティッシュが浮かんでくるので、ゴミ取りネットでこまめにすくい取ると効果的です。
このすすぎ・脱水の工程を済ませた後に柔軟剤での再洗濯を行うことで、衣類に残ったティッシュをより効率よく除去できます。順番を守ることが大切です。
洗濯槽内のティッシュを取り除かずに柔軟剤再洗濯を行うと、槽内に残ったティッシュが再び衣類に付着してしまいます。必ず先に手動除去とすすぎを行ってください。


柔軟剤を使って再洗濯する基本の対処法


衣類のティッシュを除去するうえで、最も効果的な方法が柔軟剤を使った再洗濯です。なぜ柔軟剤が有効なのかを理解してから取り組むと、正しいやり方が身に付きます。
柔軟剤には静電気を防止する効果があるため、衣類に静電気でこびりついたティッシュが剥がれやすくなります。また、柔軟剤にはセルロース繊維に染み込んで繊維を膨らませ滑らかにする成分が含まれており、絡み合った繊維をほどけやすくする働きもあります。これらの効果が組み合わさることで、ティッシュが衣類から取れやすくなるのです。
柔軟剤の使い方にはポイントがあります。柔軟剤は柔軟剤投入口ではなく、洗濯槽に直接入れてください。投入口に入れるとすすぎの最後に投入される仕組みになっているため、つけおきができません。洗濯槽に直接入れることで、衣類が柔軟剤に浸かった状態でしっかりつけおきできます。
洗い方は「つけおきコース」の最も短い設定で洗うのが基本です。つけおきコースがない場合は、洗濯槽に水を張り、衣類と柔軟剤を入れて5〜10分ほどおきます。すすぎ1回・脱水1回のコースで十分です。柔軟剤の量は通常の洗濯と同じ量で問題ありません。規定量以上入れると1回のすすぎで落ちきらないことがあるため、入れすぎには注意してください。
なお、柔軟剤の代わりにお酢を使う方法を紹介している情報もありますが、ハイアールの公式情報によると、お酢は洗濯機の金属部品を傷める危険性があるため非推奨です。
ドラム式洗濯機の場合は洗濯槽でのつけおきが難しいため、バケツに衣類が浸かる程度の水を張り、柔軟剤と一緒に5〜10分つけおきしてから洗濯機に入れてすすぎ・脱水を行いましょう。
再洗濯が終わったら干して乾かし、乾いた後に粘着ローラーで残りのティッシュを取り除くと、より仕上がりがきれいになります。


衣類のティッシュを取り除く方法と洗濯機の掃除手順
- 乾燥機と野菜ネットを使ったティッシュ除去
- 粘着ローラーとスポンジで残りを仕上げ除去
- 縦型洗濯機のティッシュ掃除手順
- ドラム式洗濯機のティッシュ掃除手順
乾燥機と野菜ネットを活用したティッシュの取り方


柔軟剤での再洗濯と合わせて活用したいのが、乾燥機と野菜ネットを使う方法です。それぞれの使い方と注意点を確認しておきましょう。
乾燥機を使う場合
濡れた状態よりも乾いた状態のほうがティッシュは取りやすくなります。そのため、柔軟剤再洗濯後は自然乾燥より乾燥機を使うことをおすすめします。乾燥機の遠心力によってティッシュが吹き飛ばされ、自然と取れることも少なくありません。乾燥後は温風でティッシュがパリパリになるため、払うだけでもかなり落とせます。
乾燥機を使った場合は、必ずほこり取りフィルターを掃除してください。ティッシュカスがフィルターに詰まっていると、乾燥機能の低下や故障につながります。
コインランドリーの乾燥機は使わないようにしてください。ティッシュカスが乾燥機内に残ると、次に使う方への迷惑になります。自宅の乾燥機を使うようにしましょう。
野菜ネット・水切りネットを使う場合
キッチンの排水口や三角コーナーで使う水切りネット、あるいは野菜が入っているネットを活用する方法もあります。このネットを手にはめ、衣類に当てながら滑らせることで、網目がティッシュを効率よくキャッチしてくれます。
使い方のポイントは、洗濯物が乾く前(脱水直後)に行うことです。平置きの衣類なら手前から奥に向かって優しくスライドさせ、ハンガーにかけた状態なら下から上に滑らせます。力を入れすぎず、優しくなでるように動かすのがコツです。
作業の前に床に新聞紙を広げておくと、落ちたティッシュの片付けが格段に楽になります。


粘着ローラー・ガムテープ・スポンジで残ったティッシュを仕上げ除去


乾燥機や野菜ネットを使った後、細かなティッシュカスがまだ残っている場合は、仕上げとして粘着ローラーやガムテープ、スポンジを使いましょう。
クリーニングのプロが推奨する手順は、①乾かしてからはたく、②粘着テープで取る、③柔軟剤で再すすぎという流れです。この順番で行うことで、より効率よくティッシュを取り除けます。
粘着ローラー(カーペットクリーナー)はコロコロと転がすだけで、ほとんどのティッシュカスを取り除けます。100円ショップなどで手軽に入手できるため、自宅に1本用意しておくと便利です。使う際はゆっくり動かすのがポイントです。速くかけると布が引っ張られてしまい、衣類が傷む原因になります。
部分的にピンポイントでティッシュを取り除きたいときはガムテープが適しています。粘着力が強いほど取れやすいですが、強すぎると繊維が傷む可能性もあるため、素材に合わせて選んでください。
セーターなど毛羽立ちしやすい衣類には、粘着ローラーやテープ類は使わないようにしましょう。粘着が剥がれる際に一緒に毛羽立たせてしまう恐れがあります。
食器用スポンジの目の粗い面を使って、なでるようにこするとティッシュが取れることもあります。ただし、強くこすりすぎると衣類の繊維が傷むため、力を入れすぎないことが大切です。
粘着ローラーは広範囲のティッシュカスに向いており、ガムテープはピンポイントの除去に適しています。用途に合わせて使い分けるとより効率的です。
縦型洗濯機のティッシュ掃除手順


衣類のティッシュを取り除いたら、洗濯機の掃除も忘れずに行いましょう。洗濯槽にティッシュが残ったまま次の洗濯をすると、きれいにした衣類にまたティッシュが付着してしまいます。縦型洗濯機の掃除手順は次のとおりです。
手順1:目に見えるティッシュを手で取り除く
まず洗濯槽内を確認し、目に見える範囲のティッシュを手で取り除きます。
手順2:最大水量ですすぎと排水を行う
洗濯槽いっぱいになるまで水を入れ(最大水量)、すすぎと排水を行います。この操作だけで、洗濯槽に付着したティッシュのほとんどが取れます。「洗濯槽洗浄コース」がある機種はそちらを使うと効果的です。洗濯機を回すと浮かんでくるティッシュをゴミ取りネットですくい取ると、より効果が高まります。
手順3:糸くずフィルターを掃除する
すすぎと排水が終わったら、糸くずフィルターを掃除してください。細かいティッシュカスがフィルターに溜まっています。ゴミを取り除いたら、ぬるま湯で優しく洗い、細かい部分は使い古した歯ブラシでこすると効果的です。
手順4:排水ホースを確認する
排水ホースを外してティッシュが詰まっていないか確認します。ティッシュが詰まったまま放置すると故障の原因になるため、必ず確認してください。詰まっている場合は長い棒で取り除くか、オキシクリーンなどの漂白剤でつけ置きする方法があります。詰まりが解消できない場合は無理せず業者に修理を依頼してください。
排水ホースの外し方は取扱説明書を必ず確認してから行ってください。クリップ式やねじ巻き式など複数のタイプがあります。なかなか外せない場合は無理矢理外そうとせず、メーカーや専門業者に相談してください。


ドラム式洗濯機のティッシュ掃除手順(2つのフィルター確認が重要)


ドラム式洗濯機でティッシュを洗ってしまった場合も、縦型と同様に洗濯機の掃除が必要です。ドラム式では2種類のフィルターを確認する必要がある点が縦型と異なります。
手順1:ドラム内のティッシュを手で取り除く
ドラム内を確認し、目に見えるティッシュを可能な限り手で取り除きます。手で取れない場合は、乾燥機使用後であれば掃除機で吸い取り、そうでない場合は濡れたタオルで拭き取ってください。水分の残ったティッシュを掃除機で吸い取ると掃除機が故障する恐れがあるため注意してください。
手順2:ホースや排水口の詰まりを確認する
ホースや排水口にティッシュが詰まっていないか確認します。詰まっている場合は、細い棒状のものを使って取り除きましょう。
手順3:排水フィルターと乾燥フィルターの両方を掃除する
ドラム式洗濯機には排水フィルターと乾燥フィルターの2種類があります。どちらにもティッシュが付着している可能性があるため、両方を掃除してください。乾燥フィルターを掃除しないままにしておくと、乾燥機能の低下や乾燥経路へのゴミの蓄積による故障の原因になります。
手順4:洗いコースで運転する
洗濯物は入れず空の状態で洗いコースを選択し、水の量を多め・洗い時間を長めに設定して運転します。
手順5:運転後に再度フィルターを掃除する
運転が終わったら、再度フィルターを掃除して完了です。
ティッシュを洗濯してしまったときの対処法まとめ
この記事のまとめです。
- ティッシュが衣類に絡みつくのは、針葉樹(長繊維)を原料とするため水に濡れてもほぐれにくいことと、洗濯中の摩擦による静電気が原因
- ティッシュには湿潤紙力増強剤が使われており、衣類のセルロース繊維と結合して取れにくくなる
- ポリエステルなどセルロース以外の素材の衣類は比較的ティッシュが取れやすい
- 洗濯直後はまず洗濯槽内のティッシュを手動で取り除いてからすすぎ・脱水を行う
- 衣類のティッシュ除去には柔軟剤を使った再洗濯が最も効果的
- 柔軟剤は柔軟剤投入口ではなく洗濯槽に直接入れ、つけおきコースで洗う
- ドラム式の場合はバケツに水と柔軟剤を入れて5〜10分つけおきしてからすすぎ・脱水する
- お酢は洗濯機の金属部品を傷める危険性があるため使用しない
- 乾燥機を使うと遠心力でティッシュが取れやすくなる(コインランドリーの乾燥機は使用不可)
- 脱水後に野菜ネット・水切りネットで優しくなでるとティッシュが効率よく取れる
- 乾燥後は粘着ローラーで残りのティッシュカスを仕上げ除去する
- セーターなど毛羽立ちしやすい衣類には粘着ローラーやガムテープは使わない
- 縦型洗濯機は最大水量ですすぎ・排水後、糸くずフィルターと排水ホースを確認する
- ドラム式洗濯機は排水フィルターと乾燥フィルターの2種類を両方掃除する
- 排水ホースの詰まりは放置すると故障の原因になるため必ず確認する






