洗濯機の「耐用年数」という言葉には、大きく3つの意味があります。税務・会計上の「法定耐用年数」は6年、メーカーが定める「設計上の標準使用期間」は6〜7年です。しかし、内閣府の消費動向調査によれば、実際に洗濯機が買い替えられるまでの平均使用年数は10年前後となっており、法定耐用年数と実際の使用年数には大きな差があります。
「洗濯機はあと何年使えるのか」「そろそろ買い替えどきなのか」と迷っている方も多いでしょう。この記事では、法定耐用年数の意味から実際の寿命の目安、タイプ別の違い、寿命が近いサイン、さらに長持ちさせるためのコツまでをソースデータをもとに解説します。
- 洗濯機の法定耐用年数は税務上6年(国税庁耐用年数表)
- メーカーの設計上の標準使用期間は6〜7年
- 内閣府調査による実際の平均使用年数は10年前後
- 耐用年数を超えたサインを見逃さず、適切なタイミングで買い替えを検討しよう
洗濯機の耐用年数とは?法定と実際の使用年数を整理する
- 法定耐用年数6年の意味と税務上の使い方
- メーカーが定める標準使用期間6〜7年の根拠
- 内閣府調査が示す実際の平均使用年数は10年前後
- 縦型・ドラム式タイプ別の寿命の目安と違い
洗濯機の法定耐用年数は6年——国税庁耐用年数表の意味

国税庁の「減価償却資産の耐用年数等に関する省令 別表第一」では、器具及び備品のうち「電気冷蔵庫、電気洗濯機その他これらに類する電気又はガス機器」の耐用年数は6年と定められています。これが「洗濯機の法定耐用年数は6年」と言われる根拠です。
この法定耐用年数は、事業者が洗濯機を「器具備品」として固定資産計上した場合に、減価償却を行う期間の基準となります。たとえば定額法で計算する場合、取得価額を耐用年数で割ることで毎年の経費額を求めます(例:取得価額10万円、耐用年数6年の場合、毎年約1.67万円を経費化)。
なお、クリーニング業など「洗濯業、理容業、美容業又は浴場業用設備」として使用する洗濯機は「機械装置」に分類され、法定耐用年数は13年となります。一般家庭の洗濯機と業務用では分類が異なる点に注意が必要です。
重要なのは、法定耐用年数はあくまで税務上の減価償却期間であり、実際の機械の寿命や故障リスクを直接示すものではないという点です。耐用年数とは、その資産の価値が保てる期間(減価償却可能な期間)であり、耐用年数を過ぎてもすぐに使えなくなるわけではないとされています。「6年で寿命が来る」という意味ではありません。
税理士のQ&Aでは「家庭用洗濯機の耐用年数6年(国税庁耐用年数表より)」として、事業按分で経費計上する方法が説明されているケースもあります。事業で洗濯機を使用している個人事業主・フリーランスの方は、この法定耐用年数を参考に経費計上の処理を行うことになります。
メーカーが定める標準使用期間は6〜7年——設計基準の根拠

法定耐用年数とは別に、メーカーが独自に定める「設計上の標準使用期間」という概念があります。洗濯機は経年劣化による事故防止のため「長期使用製品安全表示制度」に基づき、メーカーが「設計上の標準使用期間」を本体シールに表示することが義務付けられています。
設計上の標準使用期間は製品によって異なりますが、複数のメーカーで6〜7年程度(乾燥機能付き洗濯機を除く)とされています。この期間の設定根拠はJIS規格および日本電機工業会が定めた標準的使用条件に基づいており、具体的には「温度20度・湿度65%・1日1.5回・標準コース」という使用環境を想定して設計されています。
洗濯機本体に製造年と設計上の標準使用期間が記載されたシールが貼ってあります。購入時期が不明な場合でも、シールを確認することで使用年数の目安を把握できます。
また、家電公正取引協議会(家電公取協)は電気洗濯機の修理用部品の最低保有年数を「製造打ち切り後6年」と定めています。製造打ち切り後6年を超えると部品がなくなり修理できない可能性があるため、これを寿命の一つの目安と考えることもできます。
メーカーの標準使用期間はあくまで「安全面・設計面から見た寿命」の目安であり、実際の使用環境によって前後するとされています。標準使用期間を超えると部品劣化や事故リスクが増すとされているため、製造からの経過年数は定期的に確認しておくと安心です。
内閣府調査が示す実際の平均使用年数は10年前後

法定耐用年数・標準使用期間はいずれも6〜7年ですが、実際には日本の家庭でどのくらい洗濯機が使われているのでしょうか。内閣府が実施した2024年3月の消費動向調査によると、2023年4月からの1年間に洗濯機を買い替えた世帯の平均使用年数は10.9年で、77.5%が故障による買い替えとされています。
内閣府「消費動向調査(令和4年)」でも、2人以上の世帯の洗濯機買い替えまでの平均使用年数は10.9年とされています。また、2021年3月の消費動向調査では洗濯機の平均使用年数は10.2年、75.4%が「故障」を理由に買い替えていたとされており、2022年3月の消費動向調査でも洗濯機の平均使用年数は約10年という結果が出ています。
法定耐用年数が6年なのに、なぜ実際は10年以上使えるの?
法定耐用年数は税務上の減価償却期間であり、機械の実際の寿命とは別の概念です。設計や素材の改善によって、多くの洗濯機が10年前後まで稼働し続けているとされています。
複数の調査結果から「洗濯機はおよそ10年使用すると故障する確率が高い」といえるとされています。一方で、こまめなメンテナンスを続けることで20年以上現役という実例もあるとされています。また、電気店員によると「毎日使っていても運が良ければ20年もつ物もある、耐用年数は当てにならない数字」との見方もあるようです。
法定耐用年数は6年ですが、統計上は10年前後まで使用されることが多く、法定耐用年数と実際の使用年数には大きな乖離があるといえます。
縦型・ドラム式タイプ別の寿命目安と違い


洗濯機の寿命は、縦型とドラム式でも異なるとされています。まずメーカーが示す設計上の標準使用期間はどちらも概ね7年(乾燥機能付きを除く)とされていますが、実際の耐久性には差が生じやすいとされています。
縦型洗濯機は構造が比較的シンプルで修理対応がしやすい場合もあるとされています。そのため、10年近く使えることも多いとされています。
一方、ドラム式洗濯機は乾燥機能やセンサーなど構造が複雑なため、使用状況によっては不調が出やすい傾向があるとされています。ドラム式の平均寿命は7〜8年が目安とされており、縦型に比べてやや短い場合があるとされています。またドラム式は乾燥機能に優れている反面、修理費が高くなりやすい点も覚えておく必要があるとされています。
内閣府消費動向調査では縦型とドラム式の寿命差は区別して示されていませんが、ドラム式はもう少し標準使用期間が短くなるという見方もあるようです。
使い方や家族の人数、1日の洗濯回数によって部品への負担のかかり方は変わります。大家族で1日複数回洗濯する場合は、標準使用条件(1日1.5回)よりも負担が大きいため、寿命が短くなる可能性があると考えておくとよいでしょう。
洗濯機の耐用年数を踏まえた買い替えと長持ち術
- 耐用年数に近づいた洗濯機に出やすい故障のサイン
- 修理か買い替えかの判断基準
- 洗濯機をお得に買い替えられる時期
- 洗濯機を長持ちさせる日常のメンテナンス法
洗濯機の耐用年数に近づいた時に出やすい故障サイン


洗濯機の使用年数が6年を超えてくると、さまざまな不調が現れることがあります。以下のようなサインが出た場合は、故障の前兆の可能性があるとされています。
異音: ガタガタ・キュルキュルなど異常な音が増えた場合は故障の前兆とされています。モータートラブル、洗濯物の入れすぎ、設置場所の不安定、異物混入などが原因として考えられるとされています。
異臭: カビ臭い場合は洗濯槽のカビが原因とされています。焦げ臭い場合は部品の摩耗・異物混入の可能性があるとされています。カビ臭さが解消しない場合は内部部品の腐食も考えられるとされています。
水漏れ: 汚れによるつまり、パッキンなどの劣化・損傷が原因とされています。
脱水・排水不良: 排水ホースや排水口の汚れ、部品の劣化が原因とされています。
エラーコード頻発: 運転中にエラーが出てストップする頻度が増えた場合、エラー解消後も再発する場合は要注意とされています。
電源コードの発熱・変色が見られる場合はトラッキング現象の可能性があります。安全上の問題があるため、使用継続は危険とされています。すぐに使用を停止し、専門家に相談することをおすすめします。
また、運転しない・電源が入らないという症状が出た場合は、まずコンセント確認→排水口確認→洗濯物の偏り確認の順に確認し、それでも動かない場合は故障の可能性があるとされています。乾燥機能付き洗濯機で乾燥が不十分な場合も、寿命サインの一つとされています。
6年以上使用していて異常があらわれたら故障の前兆の可能性があるとされています。ただし、汚れが原因の不調(カビ・雑菌等)はプロによる分解洗浄で改善するケースもあるとされており、すぐに買い替えを決断する前に確認することも有効です。
修理か買い替えか——判断基準と費用の考え方


故障のサインが出たとき、修理と買い替えのどちらを選ぶべきか悩む方も多いでしょう。以下の基準が参考になるとされています。
修理を検討すべきケース: 購入から5年未満、修理費用が買い替え費用の半分以下の場合は、まず修理を検討するとされています。なお5〜8年目は判断に迷いやすい時期とされており、修理か買い替えかの見極めが難しいとされています。
買い替えを考えるべきケース: 購入から10年以上経過している場合や、修理費用が本体価格の半分以上になる場合は買い替えを検討するとされています。
修理してもすぐ別の部品が壊れるリスクがあるとされています。また、製造打ち切り後6年を超えると部品が入手できず、修理を断られる可能性があるとされています。修理費用の目安として、回転不良など主要部品の修理は縦型で数万円以上かかる場合もあるとされています。
洗濯機の買い替え理由の多くは故障であり、内閣府調査によると74〜77%が故障を理由に買い替えており、修理より買い替えを選ぶ人が多い実態があるとされています。
汚れが原因の不調(異音・エラー等)は分解洗浄で改善できる場合もあるとされており、買い替え前に確認する価値があるとされています。また、故障していなくても、節水・省エネ性能が大幅に向上している場合は、買い替えで光熱費を削減できる可能性があるとされています。
洗濯機をお得に買い替えられる時期


急な故障を除き、タイミングを選んで洗濯機を購入することで費用を抑えることができるとされています。以下の時期が買い替えのおすすめのタイミングとして挙げられています。
家電量販店の決算期: 多くの大手家電量販店では9月中間決算・3月総決算が一般的とされています。特に3月は値下げ率が最も高く、値引き交渉もしやすいとされています。
新モデル発売直前: 新モデル発売前は旧モデルが値下げされるとされています。特に高額なドラム式洗濯機をお得に購入できるチャンスとされています。
ボーナス支給時期: 夏は6〜7月、冬は12月が一般的とされています。ポイント還元率アップや購入特典が付くケースが多いとされています。
年末年始: クリスマスセール・歳末セール・お正月セールと家電量販店がセールに力を入れる時期とされています。
新生活直前(2〜3月頃): 「新生活応援セール」が多く、一人暮らし向けの冷蔵庫・電子レンジ・洗濯機のセット割引も多いとされています。
販売促進セール: 土日開催が多く、メーカー直接から製品の強みを聞けるメリットもあるとされています。
メーカー独自キャンペーン: キャッシュバック・洗剤プレゼント・保証延長キャンペーンなど、メーカーHPでの確認が推奨されています。
急な故障で急いで購入する場合を除き、ベストタイミングを狙うのがおすすめとされています。洗濯機の使用年数が7年前後に近づいてきたら、事前に候補機種を調べておくと慌てずに済みます。
洗濯機を長持ちさせる日常のメンテナンス法


日常のメンテナンスによって洗濯機の寿命を延ばすことができるとされています。こまめなメンテナンスを続けることで20年以上現役という実例もあるとされており、日々の使い方が耐用年数に大きく影響するといえます。
使わない時は元栓を閉める: 長期間放置すると、水圧による接続部の劣化・水漏れを防ぐとされています。
洗濯物を入れる前の確認: ポケット内の硬貨・鍵・小物が洗濯槽内で異物となり、パルセーター等を傷めるとされています。洗濯前にポケットを確認する習慣をつけましょう。
洗濯槽を乾燥させる: 使用後は蓋を開けて内部を乾燥させ、カビの発生を抑制するとされています。
定期的な洗濯槽の掃除: 月1回程度の洗濯槽クリーナー使用で汚れの蓄積を防ぐとされています。
屋内で使用する: 屋外設置では雨・直射日光・湿気による劣化が早まるとされています。
洗濯物や洗剤は適量を守る: 過積載は洗濯槽や部品への負担を増やすとされています。洗剤の過剰投入も槽の汚れや洗剤残りの原因になるとされています。
内部への異物混入防止: ティッシュ・ペーパー類等が入るとつまりの原因になるとされています。
これらのメンテナンスを日常的に継続することで、洗濯機の寿命を長持ちさせることが期待できます。
まとめ:洗濯機の耐用年数と寿命——買い替えタイミングを見極めるポイント
この記事のまとめです。
- 洗濯機の法定耐用年数は税務上6年(国税庁耐用年数表「電気冷蔵庫、電気洗濯機その他」に基づく)
- メーカーの設計上の標準使用期間は6〜7年(JIS規格・日本電機工業会の標準的使用条件に基づく)
- 内閣府の消費動向調査による実際の平均使用年数は10年前後(最新調査では10.9年)
- 法定耐用年数と実際の使用年数には大きな差がある
- ドラム式は構造が複雑なため7〜8年が寿命の目安とされている
- 縦型は10年近く使えるケースも多いとされている
- 製造打ち切り後6年を超えると修理部品が入手できなくなる可能性がある
- 故障サインは異音・異臭・水漏れ・脱水不良・エラー頻発の5つ
- 修理か買い替えかは使用年数・修理費用・部品保有期間を総合的に判断する
- 決算期(3月・9月)や新モデル発売直前が買い替えのお得な時期
- 日常のメンテナンス(槽掃除・適量使用・屋内設置)で洗濯機の寿命を延ばせる
- 使わないときは元栓を閉め、使用後は蓋を開けて内部を乾燥させる
- ポケット内の硬貨・鍵等の異物混入を防ぐことも長持ちのコツ









