洗濯機の下には何を敷く?防水パン・かさ上げ台の選び方と掃除方法

洗濯機の下には何を敷く?防水パン・かさ上げ台の選び方と掃除方法

洗濯機の下に何か敷いたほうがよいのか、掃除のために高さを上げるべきか。迷ったときは、まず目的を分けましょう。結露の水滴から床を守るなら防水パン、掃除や排水ホースの空間を作るならかさ上げ台、床に伝わる振動を抑えたいなら防振機能のあるマットが検討対象です。

ただし、かさ上げには揺れや高さの問題もあり、キャスター付き台にはメーカーから注意が出ています。私が選ぶ前に確認したいのは、「何を改善したいか」と「その洗濯機の設置条件に合うか」の2点です。用途の違いから、下の掃除・排水・水濡れへの対応まで順に見ていきます。

この記事のポイント
  • 防水パン・かさ上げ台・防振マットの役割の違い
  • かさ上げの利点と高さ・揺れへの注意
  • 真下排水と機種別の設置条件
  • 動かさない掃除方法と水濡れ時の対応
目次

洗濯機の下に何を置く?目的に合う用品の選び方

防水パン・かさ上げ台・防振マットは役割が違う

防水パン・かさ上げ台・防振マットは役割が違う

防水パンは「防水フロアー」「洗濯機パン」とも呼ばれます。パナソニックは、結露による水滴から床を守るために防水フロアーを勧めています。一方、かさ上げは、洗濯機の脚の下に専用の台やマットを置き、本体の位置を高くする設置方法です。

主な目的検討するもの判断するときのポイント
結露の水滴から床を守りたい防水パン・防水フロアー洗濯機に合う寸法と排水口の位置
下を掃除する空間を作りたいかさ上げ台・高さ調整脚掃除道具が入る空間と設置の安定性
真下の排水口へホースを通したい機種に合う排水用部品・高さを確保する部品防水パンの形状、接続部の高さ、機種別の指定
床に伝わる振動を抑えたい防振機能のあるゴムマットなど防振用途への適合と設置の安定性

たとえば、下の掃除がしにくいという悩みなら、防振マットの振動吸収性能だけを見ても目的に合いません。反対に、掃除用の空間は足りていて振動が気になるなら、高さを大きく上げることが第一の目的にはなりません。

ハイアールも、掃除・排水用の足つきタイプと、防振・防音を重視したゴムマットタイプを分けて紹介しています。

防水パンなしで置ける?マットで代用する前の確認

防水パンがないからといって、すべての洗濯機が設置できないわけではありません。日立のタテ型洗濯機のFAQには、BW-X120Gを例に、床へ直置きする場合の真下排水の設置方法が示されています。ただし、これは所定の部品や周囲の作業スペースを考慮する説明です。

「床に排水口があるから、そのまま置けばよい」という意味ではありません。

設置できるかどうかとは別に、床を水滴から守る対策も考えたいところです。パナソニックは防水フロアーのない場所に設置する際、結露の水滴から床を守るために使用を勧めています。日立も、ドラム式洗濯機の結露による床濡れへの案内で、防水パンや洗濯機用トレーの設置を勧めています。

防振マットは、ゴムの弾力で振動を吸収する用途のものです。その機能だけで、防水パンと同じ役割まで果たすとは判断できません。「防振」と「床の水濡れ対策」を分け、床を守りたい場合は防水パンやトレーの設置を相談しましょう。なお、日立が案内する別売りの防水パンには設置工事が必要です。

単に下へ差し込むマットと、工事を伴う設備では準備も異なります。

かさ上げは必要な空間を作るために検討する

かさ上げは必要な空間を作るために検討する

かさ上げの利点は、洗濯機の下へ掃除道具を入れやすくなることです。AQUAは、高さ調整脚で隙間を作る方法を紹介しています。また、排水口が本体の真下にある場合は、排水ホースの通り道を確保する必要があり、設置条件に応じて高さを上げる部品が使われます。

掃除のために欲しい空間と、排水のために必要な空間を分けて考えるのがポイントです。

ただし、高くすればするほどよいわけではありません。ハイアールは、本体の位置が高くなると重心が高くなり、揺れやすくなる傾向があると説明しています。台自体が不安定なら、かえって振動や音が大きくなる場合もあります。

防振効果のあるゴム製の台には騒音軽減が期待できる一方で、「かさ上げしたから静かになる」と一律にはいえません。

毎日の使い勝手にも変化があります。縦型では洗濯槽の底の位置も高くなり、底にある衣類を取り出しにくくなる可能性があります。上部の棚や乾燥機、低い位置の水栓と本体が干渉し、設置できなくなることも。下へ掃除道具が入るかだけでなく、上側の余裕と衣類の取り出しやすさまで含めて判断しましょう。

すでに薄型モップで掃除できるなら、まずはその隙間を使う方法があります。排水のために高さが必要なら、機種別の指定に沿った部品が優先です。掃除だけを理由に一律の高さへそろえるのではなく、確保したい空間と設置上の制約から決めてください。

キャスター付き台やブロックでの代用は避ける

掃除のたびに動かせるキャスター付き台は便利そうですが、洗濯機の設置では安定性を優先します。日立は、キャスター付き台など不安定な場所に置くと、運転中の振動で本体が動いたり、倒れてけがをしたり、電気部品が壊れたりするおそれがあると案内しています。

パナソニックのドラム式の設置案内でも、キャスター付き台の上は危険とされています。

AQUAは、本体を動かすことで排水ホースが曲がったりねじれたりし、破損や外れによる水漏れにつながる可能性も挙げています。下の床を見えるようにすることだけでなく、接続したホースに影響しないかも問題になります。

掃除目的なら、本体を移動させる方法より、薄型モップや適合する高さ調整脚を先に検討したいところです。

身近な材料で台を作る方法も避けましょう。ハイアールは、レンガ・コンクリートブロックには割れや床を傷つけるおそれ、発泡スチロールには荷重でつぶれる危険、木材には腐食や滑りによる落下のリスクがあると説明しています。高さを出すときは、洗濯機用として販売され、耐荷重が適切な専用品を使うことが前提です。

具体的な使用可否は、お使いの機種の取扱説明書やメーカーの案内に従ってください。

洗濯機の下を整える前に確認したい寸法・排水・掃除

設置前は下の隙間だけでなく水栓・棚・奥行も測る

かさ上げ台を選ぶ前に、洗濯機の型番と設置場所を確認します。パナソニックのドラム式の案内では、測る場所として防水フロアーのサイズ、設置面から棚・天井までの高さ、蛇口までの高さ、壁面からの奥行の4つを挙げています。下に台を入れた後も、必要な空間が残るかを見るためです。

確認する場所見るべき条件
防水パン外寸だけでなく内寸、縁や四隅の形状、設置面の高さ
上部の棚・天井本体が収まり、必要なふたや洗剤ケースを開けられる空間
水栓かさ上げ後に本体と干渉しない位置・高さ
壁面からの奥行本体の収まり、ドラム式ではドアを開ける空間と通路
排水口周辺接続部と本体の高さ関係、ホースを通す空間

防水パンは「幅が合う」だけでは判断できません。日立は製品によって設置可能なサイズが異なるとし、ドラム式とタテ型それぞれの例で、内寸や壁からの距離、四隅の形状に応じた条件を示しています。同じ幅のパンでも、内側に本体の脚が収まるか、排水ホースが通るかまで見ておく必要があります。

耐荷重についても、本体重量の数字だけで決めないようにしましょう。AQUAは、運転時には衣類と水の重さが加わり、槽内で衣類が動く負荷も台にかかると説明しています。専用品の適合条件と洗濯機側の指定を照らし合わせ、不明な点は購入・設置を依頼する販売店へ相談してください。

排水口が洗濯機の真下なら機種別の設置条件を優先する

排水口が洗濯機の真下なら機種別の設置条件を優先する

排水口が洗濯機本体の真下にある配置を「真下排水」と呼びます。ホースを通す空間が足りないと、本体に押しつぶされ、排水不良を起こす可能性があります。ただし、真下排水なら必ず同じ高さの台が必要、というわけではありません。防水パンの形状と機種によって、必要な部品が変わります。

日立のタテ型BW-X120Gを例にしたFAQでは、四隅が高い幅640mmの防水パンでも、寸法条件を満たせば直下排水キットなしで付属ホースを接続できる場合と、キットが必要な場合を分けています。台の高さだけでなく、パンの内寸、脚が載る部分の深さ、排水口の接続部と設置面の段差が条件になるためです。

この機種の条件を、ほかの洗濯機へそのまま当てはめることはできません。

設置を依頼するときは、洗濯機の型番、防水パン全体と排水口の位置が分かる状態、測った寸法を伝え、真下排水に必要な部品を相談しましょう。日立も、周囲の作業スペースを考慮するため、販売店や専門の施工業者への事前相談を案内しています。あとから掃除できるかという点も、設置時に考えておきたい条件です。

下の掃除は動かさずに届く範囲から、排水口は別に手入れする

下のホコリを取るために、毎回本体を動かす必要はありません。AQUAは、掃除機のノズルで大きなホコリを吸い取り、狭い隙間には薄型ハンディモップを使う方法を紹介しています。掃除機が入らない高さでも、薄いモップなら使える場合があります。

なお、日立は運転中に本体の下へ手足などを入れないよう注意しています。下の掃除は運転中に行わないでください。

固まったベタつきや黒ずみについて、AQUAは固く絞った雑巾などを使い、住宅用中性洗剤で汚れを落とした後、水拭きで洗剤分を取る方法を案内しています。軽いホコリを取る掃除と、付着した汚れを拭く掃除を分けるとよいでしょう。本体の移動が必要なほど奥の汚れに対しては、一人で無理に動かす方法は勧められません。

AQUAも、重さによるけがや床・防水パンの損傷に注意を促しています。

床のホコリが取れても、排水口の中まできれいになったわけではありません。日立のドラム式向けFAQでは、排水口にごみがたまると流れが悪くなり、におい、乾きの悪さ、排水できないといったトラブルが起こると説明しています。同社が勧める排水口のお手入れは月1回が目安。

床の掃除とは別の作業として予定に入れておきましょう。

排水口のお手入れでは、ホース内の残水を容器や雑巾で受ける準備が必要です。日立は、ホースが外れない、外し方が分からない場合は設置業者へ問い合わせ、排水口の部品も手で外せるものだけ外すよう案内しています。工具で無理に外すと部品が破損する可能性があります。

真下にあって洗濯機を動かせない場合は、無理に手入れせず、清掃業者や住宅管理会社へ相談するのが同社の案内です。

洗濯機の下が濡れていたらマットを足す前に原因を確認する

洗濯機の下が濡れていたらマットを足す前に原因を確認する

洗濯機の下が濡れていても、原因は一つとは限りません。日立のドラム式向けFAQでは、ドアを開けた際に水滴がたれる場合や、洗濯槽の外側の結露で床が濡れる場合があると説明しています。一方で、排水口の詰まり、排水ホースの外れ・つぶれなどが原因になることもあります。

「少しだから結露だろう」と決めつけず、濡れている場所と、どの運転・操作の後に発生したかを確かめましょう。

結露について日立が挙げるのは、夏に冷たい水で洗う場合や冬に温かい風呂水を使う場合など、水温と室温に差がある条件です。冬の乾燥運転で槽内温度と室温の差が大きい場合も該当します。同社は洗濯・乾燥時の換気と、防水パンや洗濯機用トレーの設置を勧めています。

床を守る対策と、水漏れの故障対応は分けて考える必要があります。

本体下部からの漏水でホースの外れやつぶれが疑われる場合は、販売店や修理窓口への点検・修理依頼が日立の案内です。排水口の奥が詰まっている場合や自分で掃除できない場合は、水回りの清掃業者などへの相談になります。見えない部分へ手を入れて直そうとせず、症状に合う相談先を選びましょう。

日立は、案内された対処で改善しない場合や該当する原因がない場合、使用を中止し、電源プラグを抜いて水栓を閉め、点検・修理を依頼するよう求めています。水濡れをマットで覆って済ませるのではなく、まず原因への対応を。

機種ごとの詳しい切り分けは、日立のドラム式向け水漏れFAQなど、お使いのメーカー・機種に合う案内を参照してください。

洗濯機の下に置くものと掃除のまとめ

この記事のまとめです。

  • 結露の水滴から床を守る防水パンと、防振マットでは目的が異なる
  • 床へ直置きする設置例もあるが、排水部品や機種ごとの条件を満たす必要がある
  • かさ上げは掃除や排水ホースの空間確保に役立つ一方、不安定な台では振動が増す場合がある
  • 縦型の衣類の取り出しやすさと、上部の棚・水栓への干渉もかさ上げ前に検討する
  • キャスター付き台や、レンガ・木材などによる代用は避ける
  • 防水パンの内寸・形状に加え、棚までの高さ、水栓、奥行、排水口周辺を確認する
  • 真下排水に必要な部品は機種と防水パンの条件で異なり、一律のかさ上げ高さでは決められない
  • 下のホコリはノズルや薄型モップで届く範囲から掃除し、運転中は行わない
  • 排水口は床とは別に手入れし、真下にあって本体を動かせない場合は清掃業者や住宅管理会社へ相談する
  • 下の水濡れは結露やホース異常などを切り分け、原因不明・改善しない場合は使用を中止して点検を依頼する
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この記事を書いた人

こんにちは!
「洗濯機のミカタ」を運営している ミカちゃん先生 です。

家電量販店での勤務経験と、洗濯機オタクな日常から得た知識を活かして、
「どの洗濯機を選べばいいの?」「この機能って何?」といった疑問に
やさしく、分かりやすくお答えしていきます。

ドラム式か縦型か、メーカーの違い、実際の使用感など、
洗濯機にまつわる情報をたっぷりお届けしていきますので、
あなたの洗濯機選びに、少しでもお役に立てればうれしいです♪

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