「さあ、洗濯しよう!」と思ったら、洗濯機の電源が入らない…。
毎日のことだからこそ、本当に困ってしまいますよね。実は、電源が入らない原因の多くは、意外と簡単なセルフチェックで解決できることがあるんです。
この記事では、まずご自身で確認できる基本的なチェックポイントから、パナソニックや東芝、日立といった主要メーカー別の特徴的な症状と対処法まで、分かりやすく解説していきます。
また、ドラム式洗濯機特有のトラブルや、気になる修理代の目安、修理と買い替えの判断基準となる洗濯機の平均寿命についても触れていきますので、もう慌てる必要はありません。落ち着いて一つずつ原因を探っていきましょう。
- 電源が入らない原因の多くは自分で解決できる可能性がある
- まずは電源コード・ブレーカー・フタの3点を確認
- メーカーや機種ごとのエラーコードとリセット方法を知る
- 修理と買い替えは使用年数と費用で賢く判断
まずは落ち着いて!洗濯機の電源が入らない時の初期チェック
- 電源が入らない原因は?まず確認すべき3つの基本
- ドラム式特有の電源トラブルとロック機能の関係
- メーカー別(パナソニック・東芝・日立)の対処法
- それでもダメなら…故障かも?壊れるサインとは
電源が入らない原因は?まず確認すべき3つの基本

洗濯機の電源が突然入らなくなると、「故障かも!」と焦ってしまいますよね。でも、その多くは意外な見落としが原因だったりします。修理を依頼する前に、まずはご自身で簡単にできる3つの基本ポイントを確認してみましょう。
1. 電源コードとコンセントの接続は大丈夫? これは最も基本的で、かつ最も多い原因の一つです。洗濯機の後ろは普段あまり見ることがないため、振動でプラグが緩んでいたり、抜けかかっていたりすることがあります。まずは、電源プラグがコンセントにしっかりと差し込まれているか確認してください。ホコリが溜まっている場合は、安全のため一度プラグを抜いてから乾いた布で拭き取りましょう。また、延長コードや「タコ足配線」を使っていると、電力不足や接触不良の原因になることがあります。洗濯機は消費電力が大きい家電なので、壁のコンセントへ直接接続するのが基本です。
2. ブレーカーは落ちていませんか? 洗濯機だけでなく、他の家電も動かない場合は、ご家庭のブレーカーが落ちている可能性があります。分電盤を確認し、もしブレーカーが落ちていたら、一度電源をオフにしてから元に戻してみてください。特に漏電ブレーカーが作動している場合は、何らかの電気系統トラブルの可能性があるので、慎重な確認が必要です。
3. フタ(ドア)は完全に閉まっていますか? 最近の洗濯機は、縦型・ドラム式を問わず、安全のためにフタがきちんと閉まっていないと電源が入らない、またはスタートできない仕組みになっています。洗濯物が挟まっていたり、半ドア状態だったりしないか確認し、「カチッ」と音がするまで確実に閉め直してみてください。特に厚手の衣類は挟まりやすいので注意が必要です。
これらの基本的なポイントを確認するだけで、問題が解決することも少なくありません。慌てずに、一つひとつチェックしてみてくださいね。
ドラム式特有の電源トラブルとロック機能の関係

ドラム式洗濯機をお使いの場合、電源が入らない原因として「ロック機能」が関係していることがよくあります。縦型に比べて気密性が高く、安全機能も複雑なため、特有の注意点があるんです。
まず、ドラム式洗濯機は運転中にドアが開かないよう、強力なロック機構が備わっています。このロックが正常にかかっていない、あるいは解除されていないと、安全装置が働いて電源が入らなくなることがあります。例えば、日立や東芝の一部のモデルでは、フタ(ドア)ロックが正常に作動しないと電源が入らない仕様になっていることがあります。操作パネルに鍵のマークが点滅・点灯していないか確認してみましょう。もしロックが解除できない場合は、慌てて無理に開けようとせず、一度電源プラグを抜いて1分ほど待ち、再度差し込むことでリセットされることがあります。
また、「チャイルドロック」機能が誤って作動している可能性も考えられます。小さなお子様がいるご家庭には安心な機能ですが、意図せず設定されていると「電源ボタンを押しても反応しない」という状況に陥ります。解除方法はメーカーや機種によって異なり、特定のボタンを長押しするなどの操作が必要です。取扱説明書で解除方法を確認してみてください。
さらに、ドラム式は構造上、排水系統のトラブルが電源に影響を与えることもあります。排水フィルターの詰まりなどによって排水が正常に行われないと、保護回路が作動し、電源が入らなくなるケースです。電源トラブルと同時に、排水エラーを示す表示が出ていないかもあわせて確認してみましょう。 このように、ドラム式洗濯機の電源トラブルは、単純な故障だけでなく、高度な安全機能が原因となっている場合も多いのです。
メーカー別(パナソニック・東芝・日立)の対処法

洗濯機の電源が入らない時の対処法は、基本的なチェックポイントは共通していますが、メーカーごとに特有の仕様やリセット方法が存在します。ここでは、代表的な3社の特徴を見ていきましょう。
【パナソニック】基本的なリセット操作が有効 パナソニック製の洗濯機で電源が入らない場合、まず試したいのが本体の再起動です。多くのモデルには物理的なリセットボタンがなく、電源プラグをコンセントから抜き、最低でも1分以上、できれば数分間放置してから再度差し込むという操作が、最も効果的なリセット方法となります。これにより、電子回路の一時的なフリーズが解消されることがあります。また、パナソニックの洗濯機はエラーコードが「U」で始まるものと「H」で始まるものに大別されます。もしエラー表示が出ているなら、「U」はご自身で対処可能なサイン、「H」は専門家による修理が必要なサインと覚えておくと、次の行動が明確になります。
【東芝】ドアロックとエラー表示に注目 東芝の洗濯機も、電源プラグの抜き差しによる再起動が基本となります。加えて、ドアロックの誤作動が電源トラブルにつながりやすい傾向があります。ドアが確実に閉まっているか、ロックが正常に解除されているかを確認しましょう。また、操作パネルに「C」から始まるエラーコードが表示されている場合、それは洗濯機からの異常を知らせるサインです。例えば「C1」は排水異常、「C21」はふたの異常を示します。取扱説明書や公式サイトでエラーコードの意味を調べ、対処法を確認することが解決への近道です。
【日立】フタロックの強制解除コマンドがあるモデルも 日立の洗濯機、特に人気の「ビートウォッシュ」シリーズなどで電源が入らない場合も、まずは電源プラグの抜き差しを試します。日立製の特徴として、フタ(ドア)ロックが正常に作動していないと電源が入らないケースが多く報告されています。フタがロックされたまま解除できない場合、一部のモデルでは**強制的にロックを解除するための特定のボタン操作(コマンド)**が用意されていることがあります。この操作は機種によって異なるため、必ず取扱説明書で確認してください。無理な力を加えると故障の原因になるため、注意が必要です。
それでもダメなら…故障かも?壊れるサインとは

基本的なチェックを試しても電源が入らない場合、残念ながら洗濯機が故障している可能性があります。故障は突然やってくるように感じますが、実はその前に何らかの「前兆」や「サイン」が出ていることが多いのです。
代表的な故障の前兆として、**「異音」**が挙げられます。洗濯やすすぎ、脱水の際に「ガタガタ」「キュルキュル」といった普段聞き慣れない音が聞こえるようになったら要注意です。これは、モーターやベルトといった内部の重要部品が劣化しているサインかもしれません。特に、脱水時に本体が大きく揺れたり、激しい音がしたりする症状が続く場合は、故障のリスクが高い状態と言えるでしょう。
次に、「脱水不良」も重要なサインです。脱水がうまくできずに洗濯物がびしょびしょのまま終わる、エラーが出て何度もすすぎに戻ってしまう、といった症状が頻発する場合、内部のセンサーやモーターに異常がある可能性が考えられます。
また、「操作パネルの異常」も見逃せません。ボタンを押しても反応が悪い、特定のコースだけ動かない、エラーコードが頻繁に表示されるといった場合、洗濯機の頭脳である制御基板に問題が起きている可能性があります。
その他にも、「水漏れ」や、「電源コードが異常に熱くなる」といった症状は、危険を伴う故障の前兆です。特に電源コードの異常は火災につながる危険性もあるため、すぐに使用を中止し、専門家へ相談してください。 これらのサインに心当たりがある場合は、無理に使い続けず、修理や買い替えを検討するタイミングかもしれません。
修理?買い替え?洗濯機の電源が入らない時の賢い判断
- 洗濯機の電源トラブル、修理代はいくら?
- 洗濯機の平均寿命は何年?買い替えの目安
- 自分で修理は可能?リスクと注意点
- どこに頼む?修理依頼先の選び方
洗濯機の電源トラブル、修理代はいくら?

セルフチェックを試しても電源が入らないとなると、次に気になるのは「修理に一体いくらかかるのか?」という費用面ですよね。洗濯機の修理費用は、故障箇所や機種(縦型かドラム式か)、依頼する業者によって大きく変動します。
電源が入らないという症状の場合、修理費用の目安は縦型洗濯機で11,000円〜54,000円、ドラム式洗濯機では22,000円〜74,000円程度と、かなり幅があります。この価格差は、原因によって修理内容が大きく異なるためです。例えば、比較的簡単な電源コードの交換であれば10,000円前後で済む可能性がありますが、洗濯機の頭脳である「制御基板」の交換となると、40,000円以上かかることも珍しくありません。
また、修理を依頼する際には、部品代や作業料のほかに「出張費」や「診断料」がかかるのが一般的です。これらの費用は業者によって異なり、平均してそれぞれ2,000円〜5,000円程度が相場とされています。
高額な修理になる可能性もあるため、まずは複数の業者から正式な見積もりを取って比較検討することが非常に重要です。メーカーの保証期間内であれば、費用が無料になったり安く抑えられたりすることもあるので、保証書も必ず確認しましょう。購入した家電量販店の長期保証に入っている場合も同様です。 修理費用を正確に把握することが、修理するか買い替えるかの賢い判断につながります。
洗濯機の平均寿命は何年?買い替えの目安

高額な修理見積もりを前にすると、「修理して使い続けるべきか、いっそ新しいものに買い替えるべきか」と悩んでしまいますよね。この決断を下す上で非常に重要な判断基準となるのが、お使いの**洗濯機の「使用年数」**です。
一般的に、洗濯機の設計上の標準使用期間、つまり寿命の目安は7年〜10年とされています。これは、メーカーが修理用の部品を保有する期間が、その機種の製造打ち切り後6年間と定められていることにも関係しています。もしお使いの洗濯機がこの期間を大きく超えている場合、たとえ今回一箇所を修理しても、近い将来、別の部品が次々と寿命を迎え、故障が連鎖してしまうリスクが高まります。
一つの具体的な目安として、「修理費用が、同等クラスの新しい洗濯機の購入価格の半分を超える」場合は、買い替えを強く検討するタイミングと言えるでしょう。例えば、修理に5万円かかるところ、10万円で最新の省エネモデルが購入できるなら、長期的に見れば買い替えた方が経済的にも満足度が高い可能性があります。
近年の洗濯機は、省エネ・節水性能が格段に向上しているため、毎月の水道代や電気代の節約も期待できます。また、「洗剤自動投入」や「スマホ連携」といった便利な機能も充実しています。使用年数と修理費用、そして最新モデルのメリットを天秤にかけて、総合的に判断することが後悔しないためのポイントです。
自分で修理は可能?リスクと注意点

「修理代が高いなら、自分で直せないだろうか?」と考える方もいらっしゃるかもしれません。確かに、電源ボタンの接点清掃やヒューズ交換など、軽微なトラブルであれば、知識と技術があれば自分で対処できる可能性はあります。
しかし、洗濯機の自己修理には大きなリスクが伴うことを理解しておく必要があります。まず最も注意すべきは、感電やケガの危険です。作業前には必ず電源プラグを抜き、安全を確保することが絶対条件ですが、内部には電気が残っている部品(コンデンサなど)もあり、知識なしに触れるのは非常に危険です。
また、不適切な分解や修理は、かえって故障を悪化させ、他の部品まで壊してしまう恐れがあります。そうなると、専門業者に依頼した時よりも修理費用が高額になってしまうことにもなりかねません。さらに、メーカーの保証期間内であっても、自分で分解・修理を行うと保証が無効になってしまうのが一般的です。
特に、洗濯機の心臓部であるモーターや、頭脳である電子基板に関わるトラブルは、専門的な知識がなければ対処は困難です。異音や水漏れが続く、焦げた臭いがするといった明らかな異常がある場合は、無理せず専門家の手を借りるのが最も安全で確実な方法です。自分でできる範囲は、あくまで電源コードの確認やフィルターの掃除といった、取扱説明書にも記載されているような基本的なメンテナンスに留めておくのが賢明でしょう。
どこに頼む?修理依頼先の選び方

洗濯機の修理を決めた場合、どこに依頼すれば良いのでしょうか。主な依頼先は、大きく分けて3つあります。それぞれのメリット・デメリットを理解して、ご自身の状況に合った場所を選びましょう。
1. 洗濯機を購入した家電量販店 ヤマダ電機やケーズデンキといった購入店に依頼する方法です。最大のメリットは、お店独自の長期保証に加入している場合、保証期間内であれば無料または格安で修理してもらえる可能性があることです。保証書が見当たらなくても、購入履歴から確認してもらえる場合があるので、まずは問い合わせてみるのが良いでしょう。
2. 洗濯機のメーカー パナソニックや日立、東芝などのメーカーに直接修理を依頼する方法です。純正部品を使った質の高い修理が受けられるという安心感が最大のメリットです。また、自社製品に関する知識が最も豊富なので、的確な診断が期待できます。メーカー保証期間内であれば、こちらも費用を抑えることができます。各メーカーの公式サイトには、Web修理受付窓口や相談センターの連絡先が掲載されています。
3. 地域の家電修理専門業者 インターネットなどで探せる、地域の修理専門業者です。保証期間が過ぎている場合に有力な選択肢となります。メーカー修理に比べて料金が比較的安価な傾向にあり、スケジュールが合えば即日や翌日など、スピーディーに対応してくれるのが大きなメリットです。ただし、業者によって技術力や料金体系に差があるため、依頼する前には必ず複数の業者から見積もりを取り、口コミや評判を確認することが重要です。
どの依頼先を選ぶにしても、事前に洗濯機の型番や症状を正確にメモしておくと、問い合わせがスムーズに進みますよ。
総括:洗濯機の電源が入らない時も、落ち着いた初期対応で解決の道筋を
この記事のまとめです。
- 洗濯機の電源が入らない原因の多くは、コンセントの抜けやブレーカー、フタの閉め忘れなど、基本的なセルフチェックで解決できる可能性がある。
- 特にドラム式洗濯機では、ドアロックやチャイルドロック機能の誤作動が電源トラブルの原因となることがある。
- パナソニック、東芝、日立など主要メーカーごとに特有のリセット方法やチェックポイントが存在する。
- 基本的な確認で改善しない場合、異音や脱水不良、水漏れなどの前兆があれば故障の可能性が高い。
- 電源が入らないトラブルの修理費用は、縦型で約1.1万~5.4万円、ドラム式で約2.2万~7.4万円と原因により幅がある。
- 修理費用の内訳には、部品代や作業料のほかに出張費や診断料が含まれることが一般的である。
- 洗濯機の平均寿命は7年~10年とされ、これを超えている場合は買い替えも有力な選択肢となる。
- 修理費用が新品購入価格の半分を超える場合は、買い替えを検討する一つの目安である。
- 自己修理は感電や故障悪化のリスクがあり、メーカー保証が無効になる可能性もあるため推奨されない。
- 修理の依頼先は「購入した家電量販店」「メーカー」「地域の専門業者」の3つがあり、保証の有無や緊急度に応じて選ぶ。
- メーカー保証や家電量販店の長期保証期間内であれば、修理費用を大幅に抑えられる可能性がある。
- 地域の専門業者は、保証期間外の場合に料金が安く、迅速な対応が期待できるメリットがある。
- 修理を依頼する際は、事前に型番、購入時期、具体的な症状をメモしておくとスムーズである。
- 業者を選ぶ際は、複数の見積もりを取り、料金や口コミを比較検討することが重要である。
- エラーコードが表示されている場合、「U」で始まるものは利用者対処可能、「H」で始まるものは専門修理が必要なサイン(パナソニックの例)など、コードの意味を理解することが役立つ。