洗濯機選びで最近よく目にする「洗剤自動投入機能」。ボタン一つで洗濯が始められる手軽さが魅力ですが、「本当に便利なの?」「デメリットはないの?」と気になっていませんか。
実は、この機能付き洗濯機の所有者のうち半数が「使っていない」という調査結果もあるんです。
その理由として、タンクの手入れの手間や、洗剤の減りが早いといった声が挙がっています。
お手入れを怠ると、カビの発生や詰まりの原因になることも。
この記事では、そんな洗剤自動投入機能の気になるデメリットと、後悔しないための上手な使い方を、利用者の口コミも交えながら詳しく解説していきます。
- 自動投入機能の意外と知られていないデメリット
- お手入れを怠ったときのリスクと正しい掃除方法
- 洗剤の減りが早いと感じる原因と対策
- 自動投入で使える洗剤・使えない洗剤の種類
洗濯機の洗剤自動投入、知っておきたいデメリットと手間
- 約半数が使わない理由とは?利用者のリアルな声
- 掃除しないとどうなる?カビや詰まりのリスク
- 意外と面倒?洗剤の種類を変えるときの手間
- なぜか洗剤の減りが早い…考えられる原因は?
- 実は使えない洗剤も?知っておくべき洗剤の種類
約半数が使わない理由とは?利用者のリアルな声

洗濯機の洗剤自動投入機能、とても便利そうに聞こえますが、実はこの機能が付いている洗濯機の所有者のうち、なんと52.4%もの人が「使っていない」という調査結果があるんです。せっかくの最新機能なのに、なぜ半数以上の人が活用していないのでしょうか。
その理由を探ってみると、利用者の方々のリアルな声が見えてきました。最も多かったのは「洗剤・柔軟剤タンクの手入れが面倒」という意見で、26.2%の方が挙げています。次に多かったのが「自分の手で洗剤・柔軟剤の量を決めたい」という声で25.2%。そして「洗剤を補充するタイミングが面倒」と感じる人も22.0%いました。
実際に使っている方々の口コミを見ても、「3ヶ月に1度はタンクを清掃しないとパイプが詰まって壊れるらしい」「その手入れを考えると少し面倒」といった声があります。また、洗剤のブランドを変えたいときに「入れた洗剤を使い切ってからでないと新たなものに変えられないので不便」と感じる方もいるようです。
このように、一見すると手間が省けるはずの機能が、かえって「お手入れ」や「補充」、「洗剤選びの自由度」といった点で新たな手間や不便さを生んでいることが、使われない大きな理由になっているようですね。
掃除しないとどうなる?カビや詰まりのリスク

洗剤自動投入機能で最も気をつけたいのが、定期的にお手入れをしないことで起こるトラブルです。ついつい忘れがちですが、掃除を怠ると、せっかくの便利機能が逆効果になってしまうこともあるんですよ。
まず心配なのが、黒カビの発生です。自動投入タンクの内部や経路は、洗剤や柔軟剤の残りが付着しやすく、常に湿った状態になりがちです。ここにホコリなどが加わると、粘着質な汚れとなり、カビが繁殖する絶好の環境になってしまうのです。
次に怖いのが、洗剤の詰まりです。タンクに残った洗剤は、水分が蒸発してゼリー状に固まってしまうことがあります。この状態で使い続けると、洗剤が通る経路が詰まってしまい、「タンクの洗剤が全然減らない」という事態に陥る可能性があります。特に、長期間自動投入機能を使わなかったり、粘度の高い洗剤を使ったりすると、詰まりのリスクはさらに高まります。
パナソニックの取扱説明書によると、3ヶ月ごとのお手入れが推奨されていますが、1ヶ月以上使わなかったときや、洗剤の銘柄を変えるときにもお手入れが必要です。お手入れをしないと、経路詰まりの原因になると明記されています。
清潔な洗濯のためにも、そして洗濯機を長く使うためにも、定期的がお手入れが欠かせない、ということを覚えておいてくださいね。
意外と面倒?洗剤の種類を変えるときの手間

「新しい香りの柔軟剤を試したい」「洗浄力の高い洗剤に変えたい」と思っても、自動投入機能を使っていると、すぐには変えられないのが少し不便な点かもしれません。
多くのメーカーでは、洗剤や柔軟剤の種類を変更する際には、一度タンクを空にして洗浄することが推奨されています。なぜなら、異なる種類の洗剤がタンク内で混ざると、化学反応を起こして固まってしまい、詰まりの原因になる可能性があるからです。
利用者の方からも「洗剤の種類を変えるとなると、お手入れもしなければいけなくなり、入れた洗剤を使い切ってからでないと、新たなものに変えれないので、その点は不便かなと痛感しています」という声が挙がっています。また、新しい洗剤を試したくても「満タンまでタンクに投入してしまい、気に入らなくても最後まで使い切るはめになってしまいました」という経験をされた方もいるようです。
この手間を考えると、新しい洗剤を試すときは、まず手動投入で何度か使ってみて、本当に気に入ってから自動投入タンクに補充するのが賢明かもしれませんね。
もし途中でどうしても変えたくなった場合は、タンクを取り外して中身を出し、ぬめりがなくなるまで水洗いしてから新しいものを入れる必要があります。このひと手間を面倒と感じるかどうかが、自動投入機能を快適に使い続けられるかの一つの分かれ道になりそうです。
なぜか洗剤の減りが早い…考えられる原因は?

「自動投入にしてから、なんだか洗剤の減りが早い気がする…」。そう感じている方も少なくないようです。適量を自動で計ってくれるはずなのに、どうしてなのでしょうか。
まず考えられるのは、これまでの手動投入の量が、実は少なすぎたという可能性です。洗濯機が衣類の量に合わせて最適な量を投入してくれるようになった結果、以前より多く使っているように感じることがあります。
次に、洗濯機の設定が原因の場合もあります。多くの洗濯機では、洗剤の投入量を「多め」「標準」「少なめ」といったように調整できます。汚れがひどい時などに「多め」に設定したまま忘れてしまうと、当然洗剤は早くなくなります。東芝の洗濯機では、「つけおき」コースや「自動2度洗い」コースを選ぶと、標準の約2〜3倍の洗剤が投入されることがあるので注意が必要です。
また、意外な落とし穴として、洗剤の補充方法があります。粘度の高い液体洗剤の場合、タンクに勢いよく補充すると、すぐには液面が安定せず、後から下がっていくように見えることがあります。これに気づかず、上限を超えて入れてしまうと、思ったより早く補充のタイミングが来てしまうかもしれません。補充の際は、ゆっくりと、何度かに分けて入れるのがコツです。
もし洗剤の消費量が気になる場合は、一度、洗濯機の設定を見直してみてはいかがでしょうか。汚れ具合が通常であれば「少なめ」に設定してみるのも一つの手です。
実は使えない洗剤も?知っておくべき洗剤の種類

「自動投入なら、どんな液体洗剤でも使えるの?」と疑問に思うかもしれませんが、実は使用を避けるべき洗剤や、そもそも使えない種類の洗剤があります。これを知らずに使ってしまうと、故障の原因にもなりかねないので注意が必要です。
まず、大前提として粉末洗剤や重曹は使用できません。これらは手動で投入する必要があります。また、液体せっけんも詰まりの原因になりやすいため、パナソニックや東芝の機種では自動投入での使用は不可とされています。
さらに注意したいのが、香り付けのカプセルを含んだ洗剤や、ゼリー状に固まりやすいものです。パナソニックのウェブサイトでは、香りづけカプセルを含む洗剤は故障の一因となるため、手動で投入するよう記載があります。東芝も、流れにくいものやゼリー状のもの、固まったものは使えないとしています。特に、2023年以前に販売されていた一部の香り付き柔軟剤は、メーカーから故障リスクが発表されたこともあるため、古い製品をストックしている方は手動で使いましょう。
基本的に、市販されているほとんどの液体洗剤や柔軟剤は使えますが、多くのメーカーでは水30Lに対する使用量を設定する必要があります。お気に入りの洗剤が使えるか心配な場合は、一度洗濯機の取扱説明書やメーカーの公式サイトで確認しておくと安心ですね。
洗濯機の洗剤自動投入、デメリットを解消する使い方
- 手動投入との賢い使い分けでデメリットを克服
- メーカー別!パナソニックと日立の「使わない」設定方法
- 詰まりやカビを防ぐ!正しいお手入れの頻度と方法
- 自動投入におすすめの洗剤は?選び方のポイント
手動投入との賢い使い分けでデメリットを克服

洗剤自動投入機能はとても便利ですが、ここまで見てきたように、いくつかのデメリットもあります。しかし、「自動」と「手動」を上手に使い分けることで、そのデメリットを解消し、洗濯をさらに快適にすることができるんですよ。
例えば、おしゃれ着洗剤や漂白剤を使いたいときは、手動投入に切り替えるのが基本です。多くの機種では、洗剤と柔軟剤の自動投入は設定されていますが、漂白剤などは手動で入れる必要があります。パナソニックの最新機種のように、3つ目のタンクでおしゃれ着洗剤や酸素系液体漂白剤を自動投入できるものもありますが、そうでない場合は、その都度手動に切り替えて対応しましょう。
また、新しい洗剤や柔軟剤を試したいときも、まずは手動投入で使い心地を確認するのがおすすめです。香りが気に入らなかったり、洗浄力に満足できなかったりしても、タンクに入れてしまうと使い切るまで我慢するか、洗浄の手間がかかります。少量を手動で試せば、そんな後悔も防げますね。
ほとんどの洗濯機では、ボタン操作で簡単に自動投入をオフにして、手動に切り替えることが可能です。普段は自動投入で手間を省き、特別なケアが必要な衣類や、新しい洗剤を試すときだけ手動に切り替える。このように柔軟に使い分けることが、自動投入機能と長く上手に付き合っていくコツと言えるでしょう。
メーカー別!パナソニックと日立の「使わない」設定方法

自動投入機能を使わずに、手動で洗剤を入れたいとき、どうすればいいのでしょうか。ここでは代表的なメーカーであるパナソニックと日立の「使わない」設定方法をご紹介します。操作は意外と簡単ですよ。
【パナソニックの場合】 パナソニックの洗濯機では、操作パネルで簡単に自動投入機能のオン・オフを切り替えられます。 多くの機種で、洗剤や柔軟剤の投入量を設定するボタンがあります。これを操作して「オフ」や「手動」を選択するだけで、自動投入が停止します。柔軟剤だけを使いたくない、といった個別の設定も可能です。詳しい操作方法は機種によって異なる場合があるので、タッチパネルの表示を確認したり、取扱説明書を参照したりすると確実です。
【日立の場合】 日立の洗濯機も、操作パネルで設定を変更します。 電源を入れた後、ホーム画面の設定メニューなどから「洗剤・柔軟剤」の項目を選びます。そこで、自動投入を「オン」にするか「オフ」にするかを選択できる画面が表示されるので、使わない方を「オフ」に設定すれば完了です。 日立の機種でも、粉末洗剤やおしゃ着用洗剤、漂白剤は自動投入できないため、これらを使う際は自動投入をオフにして手動投入口から入れる必要があります。
どちらのメーカーも直感的に操作できるよう工夫されていますが、もし設定方法が分からなくなったら、取扱説明書を確認するのが一番です。手動と自動の切り替えをマスターして、洗濯の幅を広げましょう。
詰まりやカビを防ぐ!正しいお手入れの頻度と方法

自動投入機能の最大のデメリットである「お手入れの手間」。これを怠るとカビや詰まりの原因になりますが、正しい方法と頻度を知っておけば、それほど難しいことではありません。
まず、お手入れの頻度は「2〜3ヶ月に1回」が目安です。パナソニックでは3ヶ月ごとを推奨していますね。ただし、これはあくまで目安。洗剤の種類を変えるときや、1ヶ月以上自動投入を使わなかったときも、詰まり防止のために必ずお手入れをしましょう。
基本的なお手入れの手順は以下の通りです。
- タンクを取り外して中身を空にする:タンク内の洗剤は粘度が高くなっていることがあるため、再利用は避けた方が良いでしょう。
- タンクとフタを水洗いする:ぬめりが取れるまで、スポンジや歯ブラシで優しくこすり洗いします。パナソニックのタンクはパーツが2つだけで、洗いやすい構造になっています。
- タンクの取り付け部を掃除する:本体側の取り付け部分も、お湯を含ませた布などで拭き、洗剤カスを取り除きます。
- タンクを戻し、ぬるま湯を入れる:約40℃のお湯をタンクの目印まで入れます。水垢が気になる場合は、クエン酸を少量溶かすと効果的です。
- 「自動投入お手入れ」コースを運転する:洗濯機本体の機能を使って、内部の経路を洗浄します。パナソニックでは約4分、詰まりがひどい場合は約45分のコースがあります。
- タンクの水を捨て、拭き取る:洗浄が終わったら、タンクに残った水を捨て、水分をしっかり拭き取って完了です。
このひと手間を定期的に行うことで、カビや詰まりのトラブルを防ぎ、自動投入機能を清潔で快適な状態に保つことができますよ。
自動投入におすすめの洗剤は?選び方のポイント

自動投入機能を使うなら、どんな洗剤を選べば良いのでしょうか。基本的には多くの液体洗剤が使えますが、いくつかのポイントを押さえると、より快適に、そして経済的に使うことができます。
1. コスパで選ぶなら「濃縮タイプ」 自動投入機能付きの洗濯機を使いこなすなら、1回の使用量が少ない高濃縮タイプの洗剤がおすすめです。特に「自動投入専用」として販売されている洗剤は、通常の液体洗剤よりもさらに濃縮されているものが多く、補充の手間や買い替えの頻度を減らすことができます。例えば、ライオンの「トップ スーパーナノックス 自動投入洗濯機専用」は、標準使用量がわずか6gと非常に少なく経済的です。
2. 汚れ落ちで選ぶなら「洗剤の性質」をチェック 洗剤には主に「中性」と「弱アルカリ性」があります。デリケートな衣類やおしゃれ着を優しく洗いたいなら**「中性洗剤」。皮脂汚れや食べこぼしなど、日常的な汚れをしっかり落としたい場合は、洗浄力が高い「弱アルカリ性洗剤」**が適しています。洗濯する衣類の種類に合わせて選びましょう。
3. 衣類の色合いを保つなら「蛍光増白剤」の有無 白いシャツなどをより白く洗い上げたい場合は、**「蛍光増白剤入り」の洗剤が効果的です。しかし、黒や紺などの濃い色の衣類や、生成りなど淡い色の衣類は、色あせや風合いの変化を避けるために「蛍光増白剤なし(無配合)」**の洗剤を選ぶのがおすすめです。
これらのポイントを踏まえて、ご家庭の洗濯スタイルに合った洗剤を選んでみてください。専用洗剤は、タンク内で固まりにくいように工夫されている製品もあるので、お手入れの手間を少しでも減らしたい方にもぴったりですよ。
総括:洗濯機洗剤自動投入のデメリットを理解し賢く使おう
この記事のまとめです。
- 洗剤自動投入機能は、所有者の半数が使っていないというデータがある。
- 使わない主な理由は「タンクの手入れが面倒」「自分で量を決めたい」など。
- お手入れを怠ると、黒カビの発生や洗剤の詰まりが起こる可能性がある。
- お手入れは2〜3ヶ月に1回が目安。
- 洗剤の銘柄を変更する際は、タンクの洗浄が必要で手間がかかる。
- 洗剤の減りが早い原因は、設定が「多め」になっていることや、特定のコースを使用していることなどが考えられる。
- 粉末洗剤、液体せっけん、香り付けカプセル入り洗剤などは自動投入で使えない場合が多い。
- おしゃれ着洗剤や漂白剤は基本的に手動投入が必要。
- パナソニックや日立の洗濯機は、簡単な操作で自動投入をオフに設定できる。
- 手動投入と自動投入を使い分けることで、デメリットをカバーできる。
- タンクの洗浄は、ぬるま湯と本体の「お手入れ運転」機能を使うのが基本。
- 自動投入で使う洗剤は、コスパの良い濃縮タイプがおすすめ。
- 衣類の種類によって、中性・弱アルカリ性や蛍光増白剤の有無で洗剤を選ぶと良い。
- 自動投入専用洗剤は、タンク内で固まりにくく、お手入れが楽になるよう工夫されているものもある。
- メリットとデメリットを総合的に見ると、便利だと感じている利用者も多い。