日立のドラム式洗濯機をお使いの方で、「なぜか洗濯物が臭う」「乾燥後にドブのような臭いがする」といったお悩みを抱えていませんか?
人気の「AIお洗濯」や「風アイロン」といった優れた機能を持つ日立のドラム式洗濯機ですが、特定のモデルでは臭いに関する評判があったのも事実です。
特に乾燥機能を使用した際に気になるという声も多く、この臭いが一体どこから来るのか、そしてどうすれば解決できるのか、疑問に感じている方も少なくないでしょう。
この記事では、日立のドラム式洗濯機が臭う主な原因を深掘りし、今日から実践できる具体的な対策から、根本的な解決策までをわかりやすくご紹介します。
新品を購入したばかりなのに臭いが気になる場合や、マンションでの設置環境による問題、さらにはモデルごとの設定変更など、読者の皆さんが抱えるであろう具体的な疑問に焦点を当てて解説していきます。
- 日立ドラム式洗濯機の臭いの主な原因は「ヒートリサイクル方式」と排水トラップの乾燥にある
- 2021年以降のモデルでは臭い対策が施されており、2023年モデルからはヒートポンプ式に完全移行
- 洗濯槽や糸くずフィルターの掃除、洗剤の適量使用など、日々の手入れが重要
- 自分で解決できない場合は、専門業者による洗濯機クリーニングも有効な選択肢
日立ドラム式洗濯機 臭い問題、その根源とは?
- なぜ日立ドラム式洗濯機は下水臭いと言われるのか?
- 新しい機種では臭い問題は解決されたの?
- ドラム式洗濯機購入直後から臭いがする場合は?
- 乾燥機能を使うと特に臭いのはなぜ?
なぜ日立ドラム式洗濯機は下水臭いと言われるのか?
日立のドラム式洗濯機から下水のようなドブ臭がすると感じたことはありませんか?この臭いの主な原因は、過去のモデルに採用されていた「ヒートリサイクル方式」という乾燥システムにあります。この方式は、洗濯物を乾燥させた際に排出される、湿度を含んだ空気をそのまま排水口へ流すという仕組みでした。
一見すると電気代を抑える優れた方式に思えますが、実はここに臭いの原因が潜んでいたのです。排水口には通常、「排水トラップ」と呼ばれる部品が設置されており、この中に常に水(封水)が溜まることで、下水の臭いが逆流してくるのを防いでいます。
しかし、ヒートリサイクル方式の温風が排水トラップ内の水を蒸発させてしまうことがあり、この封水がなくなってしまうと、下水管からの臭いが直接室内に上がってきてしまう、という問題が発生していました。特に乾燥運転の使用頻度が高いご家庭では、この現象が起こりやすかったと考えられます。
また、排水トラップがそもそも付いていない場合や、排水トラップや排水口の内部にホコリや糸くず、髪の毛、洗剤カスなどが溜まって汚れている場合も、排水の流れが悪くなり臭いが発生する原因となります。このような排水経路の汚れも、下水臭の一因となることがありますので、注意が必要です。
新しい機種では臭い問題は解決されたの?

日立のドラム式洗濯機における臭い問題は、メーカーも認識しており、対策が進められています。2021年のモデルから、「ヒートリサイクル方式」に加えて「水冷除湿」が主体の乾燥方式に切り替わりました。これにより、乾燥時の温風が直接排水口へ流れることで排水トラップの封水が切れる、という問題が改善され、臭いの発生が抑えられるようになりました。
さらに、2023年モデルからはついにヒートポンプ式が全面的に採用されています。ヒートポンプ式はエアコンなどにも使われている省エネ性に優れた技術で、これにより日立のドラム式洗濯機が臭いという懸念は大幅に解消されたと考えて良いでしょう。
ただし、注意点もあります。2021年以前のモデルをお使いの場合、メーカー側の案内として水冷除湿に切り替える機能が搭載されていることがありますが、これが完全に臭いを解決するとは限らないという声もあります。また、「快速洗乾コース」など一部のコースでは従来通りのヒートリサイクル方式が使われる場合があるため、臭いが気になる方はこれらのコースの使用に注意が必要です。
最新モデルでは臭い問題は解消されているため、これから購入を検討されている方には2023年以降のモデルが強く推奨されています。過去のモデルに比べて電気代や水道代のカタログスペックは上がっているものの、これは臭い対策のために乾燥方式を変更した結果であり、乾燥性能自体は変わらず高い評価を得ています。
ドラム式洗濯機購入直後から臭いがする場合は?

新しいドラム式洗濯機を購入したばかりなのに、すでに臭いが気になるという方もいらっしゃるかもしれませんね。通常、新品の洗濯機からゴムやプラスチックのような臭いがすることがありますが、これは乾燥による熱で素材の臭いが一時的に強く感じられるもので、故障や不具合ではありません。使い始めて2〜3週間程度で自然に気にならなくなることが多いので、しばらく様子を見てみましょう。
もし、購入直後からドブのような下水臭がする場合は、設置環境に原因がある可能性が考えられます。特にマンションにお住まいの場合、排水経路が他の設備と繋がっていたり、排水トラップの設置に不備があったりすることが原因で、下水の臭いが逆流してくることがあります。
排水トラップが付いていなかったり、接続が不十分だったりすると、下水臭がダイレクトに上がってきてしまいます。この場合は、ご自身で対処するのが難しいこともあるため、洗濯機を設置してくれた業者や、マンションの管理会社、またはリフォーム業者などに相談して、排水経路の点検や必要な工事を依頼することをおすすめします。
また、洗濯機が長期間使用されていない場合も、排水トラップ内の水が蒸発して臭いが発生することがあります。この場合は、一度洗濯機を運転させることでトラップに水が溜まり、臭いが収まることが多いです。購入直後の場合は、工場出荷後の保管期間などで一時的に封水が蒸発している可能性も考えられます。
乾燥機能を使うと特に臭いのはなぜ?

ドラム式洗濯機で特に乾燥機能を使った後に臭いが気になるといったお声は少なくありません。この現象は、主にヒートリサイクル方式を採用していた日立の旧モデルで顕著でした。先ほども触れましたが、この乾燥方式は、衣類から出た湿気を含んだ温風を直接排水口に排出する仕組みです。この温風が、排水管の臭いを防ぐために必要な排水トラップ内の水を蒸発させてしまい、結果として下水管からの臭いが室内に逆流してしまうことが原因でした。
乾燥運転は、通常よりも高温の空気を使用するため、排水トラップ内の水の蒸発を促進させやすい傾向にあります。そのため、洗濯槽や衣類自体にカビや雑菌が繁殖していなくても、乾燥機能を使うたびに排水口からの臭いが気になる、という状況が起こりやすかったのです。
特に、「AIお洗濯」や「風アイロン」といった乾燥機能が充実しているモデルを使っている方ほど、この臭いに悩まされるケースがあったようです。最新のヒートポンプ式乾燥を採用したモデルではこの問題は解決されていますが、旧モデルをお使いで乾燥機能を頻繁に利用する方は、この「排水トラップの封水切れ」が臭いの主要な原因であることを理解しておくことが重要です。何回かに一度、乾燥を使わない「洗い」や「脱水」のみの運転を行うことで、排水トラップに水が溜まり直し、臭いが軽減される場合があります。
日立ドラム式洗濯機 臭いを解消するための具体的な対策
- 自宅でできる洗濯槽と糸くずフィルターのお手入れ方法
- 排水口のドブ臭いを解消するための掃除方法
- 日立ドラム式洗濯機の「水冷除湿方式」への設定変更は効果がある?
- 洗剤や柔軟剤の使用方法で臭いは変わる?
- それでも臭いが取れない時はプロの洗濯機クリーニングを検討しよう
自宅でできる洗濯槽と糸くずフィルターのお手入れ方法

ドラム式洗濯機の臭いの原因がカビや雑菌である場合、まずはご自宅でできるお手入れから試してみましょう。特に洗濯槽の裏側や乾燥フィルター、糸くずフィルターは、汚れが溜まりやすくカビが繁殖しやすい場所です。
洗濯槽の掃除 洗濯槽の掃除には、塩素系の洗濯槽クリーナーを使用するのがおすすめです。塩素系クリーナーはカビや雑菌の除去に効果的で、多くのドラム式洗濯機に対応しています。市販品だけでなく、メーカー純正のクリーナーも洗浄力が高く、頑固な黒カビや悪臭に悩んでいる方には特におすすめです。
乾燥フィルター・糸くずフィルターの掃除 糸くずフィルターは、洗濯物の糸くずやホコリが溜まりやすい場所です。ここが目詰まりすると排水がうまくできなくなり、臭いの原因にもなります。定期的にフィルターを取り外し、溜まった糸くずを取り除いて水洗いしましょう。日立の洗濯機では、15回運転するたびに「フィルター確認」などの表示が出て、お手入れのタイミングを知らせてくれる機能もあります。乾燥運転の使用頻度が多いと糸くずが溜まりやすいため、表示がなくてもこまめなお手入れが重要です。乾燥フィルターも同様に、使用後に毎回お手入れすることをおすすめします。
排水口のドブ臭いを解消するための掃除方法

洗濯機から下水のようなドブ臭がする場合は、排水口の汚れや排水トラップ内の水の減少が原因であることが多いです。これらの問題を解決するために、以下の手順で掃除と確認を行ってみましょう。
まず、排水トラップ内の水が減少している場合は、単純に洗濯機を運転させるだけで解決することがあります。特に乾燥機能を頻繁に使用している場合は、排水トラップ内の水が蒸発しやすいため、たまに「洗い」や「脱水」のみのコースで運転することで、トラップに水が溜まり直し、臭いが解消される可能性があります。
もし、これでも臭いが改善しない場合は、排水口自体の掃除が必要です。排水口の奥には、洗濯機から排出されるホコリ、糸くず、髪の毛、洗剤のカスなどが溜まり、これが排水の流れを悪くし、臭いの原因となります。 掃除の手順は以下の通りです:
- 安全確保: まず、洗濯機の電源プラグを抜き、蛇口を締めます。
- ホースの取り外し: 給水ホースと排水ホースを外します。水が垂れる可能性があるので、雑巾やバケツを用意しておきましょう。
- 部品の分解: 排水口のカバーや排水筒、パッキンなどの部品を外します。元に戻せるよう、写真を撮っておくと安心です。
- 汚れの除去: 外した部品や排水口の内部に溜まった大きなゴミ(糸くず、髪の毛など)を割り箸などで取り除きます。
- 洗浄: 部品のヌメリや汚れは歯ブラシなどでこすり洗いします。落ちにくい汚れには、ハイターなどの洗剤に浸け置きするのも効果的です。排水口内部にはパイプユニッシュなどのパイプ用洗剤を使用し、規定の放置時間を守ってから十分に水で洗い流します。この際、「混ぜるな危険」の表示がある洗剤は絶対に混ぜないようにしてください。
- 復元: 全てのパーツを元に戻し、排水トラップのカップ部分には必ず水を満たしましょう。これにより、下水からの臭いの逆流を防ぎます。
排水ホース自体も、経年劣化により水漏れや悪臭の原因となることがあるため、2〜3年での交換が推奨されています。
日立ドラム式洗濯機の「水冷除湿方式」への設定変更は効果がある?
日立のドラム式洗濯機で臭い問題に悩んでいる旧モデルのユーザーにとって、「水冷除湿方式」への設定変更は試す価値のある対策の一つです。2021年以前のモデルには、この水冷除湿方式に切り替える機能が搭載されており、これにより乾燥時の排気方法が変わり、排水トラップの封水切れによる下水臭の逆流を抑えることが期待できます。
この設定変更は比較的簡単に行うことができます。
- 洗濯機の電源を入れます。
- 「乾燥」ボタンを、表示パネルの数字が「1」から「0」になるまでタッチし続けます。※「洗▶乾」ボタンの右にある「乾燥」ボタン(コース選択のボタン)では設定変更ができないので注意が必要です。
- 「ピー」という設定完了の音が鳴ったらボタンから指を離します。
- 洗濯機の電源を切ります。この設定は、電源を切っても維持されます。
ただし、この設定変更がすべてのケースで臭いを完全に解消するわけではない、という意見もあります。中には、設定を変更しても数日で臭いが元に戻ってしまったという声も聞かれます。また、水冷除湿方式に切り替えることで、従来のヒートリサイクル方式に比べて、電気代や水道代が上がってしまうというデメリットもあります。
これは、乾燥時に水を使って除湿を行うためで、1回あたり合計で約26円程度の光熱費がプラスになる計算です。それでも臭いに悩まされている場合は、まずはこの設定変更を試してみて、効果があるかどうかを確認してみるのが良いでしょう。
洗剤や柔軟剤の使用方法で臭いは変わる?

洗濯機の臭いの原因は、洗濯槽や排水口の汚れだけでなく、日頃の洗剤や柔軟剤の使用方法にもあることがあります。特に香りの強い柔軟剤や、規定量以上の洗剤を使用している場合、これが不快な臭いの原因になることがあります。
ドラム式洗濯機は、縦型洗濯機に比べて使用水量が少ない傾向にあります。そのため、洗剤や柔軟剤を適量以上に投入してしまうと、すすぎで完全に流しきれずに洗濯物や洗濯槽に残留しやすくなります。この残留した洗剤や柔軟剤が、雑菌やカビの栄養源となり、生乾きのような不快な臭いや、洗剤と混じり合った独特の悪臭を発生させてしまうことがあるのです。
対策としては、まず洗剤や柔軟剤は必ず規定量を守って使用することが大切です。汚れを落としたいからといって多く入れれば良いというものではありません。特にオーガニック系の洗剤や柔軟剤は溶け残りが洗濯槽に付着しやすいという指摘もありますので、気になる場合はすすぎの回数を増やすことを検討するのも良いでしょう。また、最近の柔軟剤は香りが強めのものが多いため、使いすぎると洗濯槽に臭いが残りやすくなることもあります。
さらに、洗う前の汚れた洗濯物を長時間洗濯槽の中に入れたままにすることも、雑菌が繁殖する原因となります。特に湿ったタオルなどは、モラクセラ菌などの雑菌が繁殖しやすく、雑巾のような生臭い臭いの元になります。洗濯物を洗濯機に入れるのは、洗濯を開始する直前にし、それまでは風通しの良いカゴなどに保管するようにしましょう。洗濯後の衣類にすでに雑巾臭や生臭さがある場合は、酸素系漂白剤を入れて洗濯したり、洗濯表示を確認した上で煮沸消毒(煮洗い)を試したりすることも有効です。
それでも臭いが取れない時はプロの洗濯機クリーニングを検討しよう

これまでに紹介した様々な対策を試しても、やはり日立のドラム式洗濯機からの臭いが改善されない、という場合は、専門業者による「洗濯機クリーニング」を検討する時期かもしれません。洗濯機、特にドラム式は構造が複雑で、普段目に見えない部分に想像以上に頑固な汚れやカビ、ヘドロなどが溜まっていることがあります。これらの蓄積された汚れが、どんなに頑張っても自分で取り除けない臭いの元となっている可能性が高いのです。
プロの洗濯機クリーニングでは、洗濯機を分解し、洗濯槽の裏側や排水周りなど、カビやヌメリが発生しやすい場所を専用洗剤や高圧洗浄で徹底的に洗浄してくれます。これにより、素人では届かない奥の汚れまで除去し、臭いの根本原因を解消することが期待できます。
ドラム式洗濯機は高価な家電製品であり、その構造の複雑さからクリーニングの難易度も高いとされています。そのため、定期的なメンテナンスとして、2〜3年に1回程度のプロによるクリーニングが理想的とされています。実際にプロのクリーニングを依頼した方の中には、「新品で買った時と同じように乾かすことができ、とても嬉しい」「分解した後の汚れの多さに驚いたが、とても綺麗にしていただいた」といった満足の声も上がっています。
もし、ご自身の洗濯機の臭いが頑固で、もう打つ手がないと感じたら、専門知識と技術を持ったプロの洗濯機クリーニング業者に相談してみるのが、最後の切り札となるでしょう。業者を選ぶ際には、口コミ評価やサービス内容、料金体系などを比較検討し、信頼できる事業者を選ぶことが大切です。
総括:日立ドラム式洗濯機 臭いの悩みを解消し快適な洗濯ライフへ
この記事のまとめです。
- 日立の旧型ドラム式洗濯機に多い「臭い」は、乾燥方式の「ヒートリサイクル方式」が主な原因であった
- ヒートリサイクル方式は、排水トラップの封水を蒸発させ、下水の臭いを逆流させる可能性があった
- 日立は2021年モデルで水冷除湿を主体とし、2023年モデルからはヒートポンプ式乾燥を全面採用した
- これにより、新しい日立のドラム式洗濯機では臭いの問題はほぼ解決されたとされている
- 旧モデルを使用中の場合、排水トラップ内の水の不足が原因で臭うことがある
- 新品の洗濯機からのゴム臭・プラスチック臭は一時的なもので、通常2〜3週間で消える
- マンションなど集合住宅では、排水経路の接続不良が臭いの原因となる可能性があるため、専門家への相談も検討する
- 家庭でできる対策として、洗濯槽の定期的な掃除が非常に重要である
- 塩素系の洗濯槽クリーナーやメーカー純正クリーナーを使用すると、カビや雑菌の除去に効果的
- 糸くずフィルターや乾燥フィルターのこまめな手入れは、目詰まり防止と臭い軽減に繋がる
- 排水口の汚れも下水臭の原因になるため、定期的な分解掃除を推奨する
- 洗剤や柔軟剤は規定量を守って使用し、残留を防ぐことが臭い予防になる
- 濡れた洗濯物を洗濯槽に長時間放置せず、風通しの良い場所で保管する
- 旧モデルの一部では「水冷除湿方式」への設定変更が可能で、臭い軽減に役立つ場合がある
- あらゆる対策を試しても臭いが解消されない場合は、プロの洗濯機クリーニングが最終的な解決策となる