「キッチンハイターで洗濯槽の汚れがごっそり落ちるって本当?」「でも、洗濯機に入れて大丈夫なの?」そんな疑問をお持ちではありませんか。
キッチンハイターは、その強力な漂白・除菌力から、キッチンの様々な場面で活躍する頼れる存在です。しかし、その万能さゆえに「洗濯機にも使えるのでは?」と考える方がいらっしゃるようです。
この記事では、「キッチンハイター 洗濯機」と検索しているあなたの疑問を解消します。キッチンハイターの洗濯機への使用の可否、洗濯槽掃除における注意点、衣類への影響、そしてもしもの時の対処法まで、詳しく解説していきます。さらに、キッチンハイターの代わりとなる安全な洗濯槽の掃除方法もご紹介。正しい知識を身につけて、大切な洗濯機と衣類を守りましょう。
この記事を読めば、もうキッチンハイターの洗濯機への使用で迷うことはありません。安心して洗濯機を清潔に保つための最適な方法が見つかるはずです。
- キッチンハイターの洗濯機への使用は推奨されない理由
- 洗濯機にキッチンハイターを使用する際の具体的な危険性
- 安全な洗濯槽の掃除方法とおすすめのクリーナー
- 万が一、キッチンハイターを使用してしまった場合の対処法
キッチンハイターの洗濯機への使用:基本知識と注意点
- キッチンハイターを洗濯機に使うのはNG?
- 洗濯機メーカーの見解は?推奨される洗剤
- キッチンハイターの成分と洗濯槽への影響
- ドラム式洗濯機でキッチンハイターは使える?
- キッチンハイターで洗濯槽掃除をする際の換気の重要性
キッチンハイターを洗濯機に使うのはNG?

「キッチンハイターを洗濯機に入れても大丈夫?」この疑問に対する答えは、基本的にNG、推奨されません。
キッチンハイターは、その名の通り台所用品の漂白・除菌を主な目的とした製品です。主成分である次亜塩素酸ナトリウムは非常に強力な酸化作用を持ち、確かにカビや雑菌に対して高い効果を発揮します。そのため、洗濯槽の黒カビにも効果があるのでは?と期待する声があるのも理解できます。
しかし、キッチンハイターには界面活性剤が含まれています。この界面活性剤は、食器やふきんの汚れを落としやすくするための成分ですが、洗濯機のような密閉された空間で大量の水と共にかくはんされると、過剰に泡立ってしまう可能性があります。
泡が立ちすぎると、洗濯機のセンサーが誤作動を起こしたり、最悪の場合、泡が洗濯槽の外へあふれ出て故障や水漏れの原因になることも考えられます。実際に、多くの洗濯機メーカーは台所用漂白剤の使用を推奨しておらず、故障した場合に保証の対象外となる可能性も指摘しています。
また、キッチンハイターは非常にアルカリ性が強いため、洗濯槽の部品(特に金属部品やゴムパッキンなど)を傷めてしまうリスクも否定できません。ステンレス槽であっても、長期間の使用や高濃度での使用は避けるべきです。
確かに、一部のインターネット記事やSNSでは「自己責任で」キッチンハイターを使った洗濯槽掃除の方法が紹介されていることもありますが、メーカーが推奨していない以上、その安全性は保証されていません。大切な洗濯機を長く使うためには、専用の洗濯槽クリーナーを使用するか、メーカーが推奨する方法でのお手入れを心掛けるべきでしょう。
洗濯機メーカーの見解は?推奨される洗剤

多くの洗濯機メーカーは、キッチンハイターのような台所用漂白剤を洗濯槽の掃除に使用することを推奨していません。 その主な理由は、前述の通り、キッチンハイターに含まれる界面活性剤による過剰な泡立ちが、洗濯機の故障や誤作動を引き起こす可能性があるためです。
では、洗濯機メーカーはどのような洗剤を推奨しているのでしょうか?
一般的に、洗濯槽の掃除には以下のいずれかの使用が推奨されています。
- 洗濯槽用塩素系漂白剤(洗濯槽クリーナー)多くのメーカーが、専用の「洗濯槽クリーナー(塩素系)」の使用を推奨しています。これらは洗濯槽の素材や構造を考慮して開発されており、適切な濃度でカビや雑菌を強力に分解・除去します。また、泡立ちも洗濯機での使用に適したレベルに調整されています。製品の指示に従って正しく使用すれば、安全かつ効果的に洗濯槽をきれいにすることができます。
- 衣類用塩素系漂白剤一部のメーカーでは、衣類用の塩素系漂白剤(例:花王の「ハイター」など、キッチン用ではないもの)を、指定された量と方法で使用することを認めている場合があります。ただし、この場合も必ずお使いの洗濯機の取扱説明書で確認し、指示された濃度や使用方法を厳守する必要があります。台所用漂白剤とは異なり、衣類用漂白剤は洗濯機での使用をある程度想定していますが、それでも過剰な使用は避けるべきです。
- 洗濯槽用酸素系漂白剤(洗濯槽クリーナー)塩素系の刺激臭が苦手な方や、より環境に配慮したい方向けに、酸素系漂白剤(過炭酸ナトリウムが主成分のもの)を推奨しているメーカーもあります。酸素系は塩素系に比べて効果が穏やかですが、発泡力で汚れを剥がし取るタイプが多く、定期的な使用で清潔を保てます。ただし、製品によってはドラム式洗濯機に使用できないものもあるため、注意が必要です。
いずれにしても、最も重要なのはお使いの洗濯機の取扱説明書を確認することです。メーカーや機種によって推奨される洗剤やお手入れ方法が異なる場合があります。取扱説明書には、安全かつ効果的な洗濯槽の掃除方法が記載されていますので、必ずそれに従ってください。もし取扱説明書を紛失した場合は、メーカーの公式サイトで閲覧・ダウンロードできることが多いので、確認してみましょう。
キッチンハイターの成分と洗濯槽への影響

キッチンハイターの主成分は次亜塩素酸ナトリウムです。これは強力な酸化剤であり、漂白、殺菌、消毒に優れた効果を発揮します。この成分自体は、洗濯槽クリーナー(塩素系)にも含まれていることが多く、カビや雑菌に対して有効です。
しかし、問題となるのは、キッチンハイターに含まれる界面活性剤(アルキルエーテル硫酸エステルナトリウムなど)と、アルカリ剤です。
界面活性剤は、油汚れなどを落としやすくするために配合されていますが、前述の通り、洗濯機のような密閉された空間で大量の水と共にかくはんされると、過剰な泡立ちを引き起こす主な原因となります。この泡がセンサーの誤作動を招いたり、洗濯槽からあふれて床を濡らしたり、最悪の場合は洗濯機の内部に侵入して電子部品をショートさせたりする故障リスクにつながります。
また、キッチンハイターはpH値が高い強アルカリ性の液体です。この強アルカリ性が、洗濯槽の材質によっては悪影響を与える可能性があります。
例えば、
- 金属部品の腐食: 洗濯槽内部には、ネジやシャフトなど、ステンレス以外の金属部品が使われていることがあります。強アルカリ性の液体に長時間さらされると、これらの金属部品が腐食し、サビの発生や部品の劣化を早める可能性があります。サビが洗濯槽内に広がると、洗濯物に茶色いシミが付着する原因にもなります。
- ゴム部品の劣化: 洗濯機のドアパッキンや内部のホースなどにはゴム部品が使用されています。強アルカリ性の液体は、ゴムを硬化させたり、ひび割れさせたりする可能性があります。これにより、水漏れのリスクが高まります。
- 樹脂部品への影響: 洗濯槽のフィルターや洗剤投入ケースなど、一部の樹脂部品も、強アルカリ性の液体によって変質したり、脆くなったりする可能性があります。
これらの理由から、キッチンハイターの成分は、洗濯槽の掃除には不向きであると言えます。洗濯槽の掃除には、洗濯槽専用に開発されたクリーナーを使用するか、洗濯機メーカーが推奨する方法を選ぶことが、洗濯機を長持ちさせ、安全に使用するための賢明な選択です。
ドラム式洗濯機でキッチンハイターは使える?

ドラム式洗濯機においても、キッチンハイターの使用は推奨されません。 むしろ、縦型洗濯機以上にリスクが高い可能性があります。
ドラム式洗濯機は、縦型洗濯機に比べて使用する水の量が少ないのが特徴です。少ない水で効率よく叩き洗いをする構造になっています。この「少ない水量」が、キッチンハイターを使用した場合に問題を引き起こしやすくします。
- 泡立ちの影響が大きい:少ない水量で洗剤成分が濃縮されやすいため、キッチンハイターに含まれる界面活性剤が原因で過剰に泡立つと、その影響がより顕著に出やすくなります。泡がドラム内に充満し、センサーの誤作動を引き起こしたり、泡がドアの隙間からあふれ出たりするリスクが高まります。特にドラム式洗濯機は構造が複雑で、内部に泡が侵入すると故障の原因になりやすいです.
- 洗剤成分が残存しやすい:ドラム式洗濯機は節水性が高いため、すすぎに使用する水の量も比較的少なめです。そのため、キッチンハイターのような強力な洗剤を使用すると、洗剤成分が洗濯槽内や衣類に残りやすくなる可能性があります。残留したアルカリ成分や次亜塩素酸ナトリウムが、衣類を傷めたり、肌への刺激となったりすることも考えられます。
- 排水経路への影響:高濃度のアルカリ性液体や、分解されにくい界面活性剤が排水経路に流れ込むことで、排水ホースや排水トラップの材質を傷めたり、詰まりの原因になったりする可能性も否定できません。
多くのドラム式洗濯機の取扱説明書では、使用できる洗剤の種類や洗濯槽のお手入れ方法が細かく指定されています。台所用漂白剤の使用を禁止している場合がほとんどです。
ドラム式洗濯機の洗濯槽掃除には、必ず**「ドラム式洗濯機対応」と明記された専用の洗濯槽クリーナー**を使用してください。専用クリーナーは、ドラム式洗濯機の特性(使用水量の少なさ、たたき洗い、密閉性など)を考慮して開発されており、適切な泡立ちで効果的に洗浄できるように調整されています。誤った洗剤選びは、高価なドラム式洗濯機の寿命を縮めることになりかねませんので、十分注意が必要です。
キッチンハイターで洗濯槽掃除をする際の換気の重要性

万が一、自己責任においてキッチンハイターを洗濯槽掃除に使用することを試みる場合(推奨はしませんが)、換気は絶対に怠ってはいけない最重要事項です。
キッチンハイターの主成分である次亜塩素酸ナトリウムは、酸性のものと混ざると有毒な塩素ガスを発生させます。これは「混ぜるな危険」として製品にも表示されている通り、非常に危険な反応です。
洗濯槽内には、洗剤の残りカスや水垢など、意図せず酸性の性質を持つ汚れが付着している可能性もゼロではありません。また、誤って酸性タイプの洗剤(トイレ用洗剤や一部の浴室用洗剤など)と同時に使用してしまうようなことがあれば、命に関わる事態になりかねません。
塩素ガスは目に見えませんが、吸い込むと鼻や喉、気管支などの粘膜を刺激し、咳き込んだり、気分が悪くなったり、ひどい場合には呼吸困難を引き起こすこともあります。
そのため、キッチンハイターを使用する際は、以下の換気対策を必ず行ってください。
- 窓を開ける:洗濯機が設置されている場所の窓を2か所以上開け、空気の通り道を作ります。1か所しか窓がない場合は、その窓を全開にし、換気扇を併用するなどして空気の流れを作ります。
- 換気扇を回す:浴室や洗面所に換気扇があれば必ず作動させます。換気扇がない場合は、扇風機などを利用して室内の空気を外に排出するように工夫しましょう。
- ドアを開放する:洗濯機のある部屋のドアを開け放ち、他の部屋との空気の入れ替えも促します。ただし、塩素の臭いが他の部屋に充満しないよう、人のいない方向へ空気が流れるように注意しましょう。
- 作業中・作業後はしばらく換気を続ける:キッチンハイターを洗濯機に投入してから洗浄が完了し、その後洗濯槽を乾燥させるまでの間、常に換気を意識してください。作業後もしばらくは換気を続け、塩素の臭いが完全に消えるまで気を配りましょう。
- マスク・ゴーグル・ゴム手袋の着用:換気だけでなく、塩素ガスや原液の刺激から身を守るために、マスク(できれば活性炭フィルター付き)、ゴーグル、ゴム手袋を着用することを強く推奨します。
繰り返しますが、キッチンハイターの洗濯槽への使用は推奨されていません。もし試すのであれば、これらの危険性を十分に理解し、最大限の安全対策を講じた上で、あくまで自己責任において行う必要があります。安全で効果的な専用の洗濯槽クリーナーの使用を改めてご検討ください。
キッチンハイターと洗濯:衣類への影響と正しい使い方
- キッチンハイターを洗濯に使うのは間違い?
- 衣類用ハイターとキッチンハイターの違い
- キッチンハイターで衣類を漂白する際の注意点
- 色柄物にキッチンハイターは使えるのか
- もし衣類にキッチンハイター原液がついたら?
キッチンハイターを洗濯に使うのは間違い?

「キッチンハイターを洗濯に使っても大丈夫?」という疑問についてですが、これは基本的に避けるべきです。キッチンハイターは、その名の通り台所用品の漂白・除菌を主な目的として設計されており、衣類の洗濯には適していません。
主な理由は以下の通りです。
- 界面活性剤の種類と濃度:キッチンハイターには、食器や調理器具の油汚れなどを落としやすくするための界面活性剤が含まれています。これらの界面活性剤は、衣類用に配合されているものとは性質が異なる場合があり、衣類の繊維を傷めたり、風合いを損ねたりする可能性があります。また、洗濯機での使用を想定していないため、過剰な泡立ちを引き起こし、すすぎ残しの原因にもなりかねません。
- アルカリ度が高い:キッチンハイターは比較的アルカリ度が高い製品です。アルカリ度が高いと、一部のデリケートな繊維(ウールやシルクなど)を傷めたり、色柄物の染料を分解して色落ちさせたりするリスクが高まります。衣類用の漂白剤は、衣類の素材への影響を考慮してアルカリ度が調整されています。
- 漂白成分の濃度と調整:キッチンハイターの主成分である次亜塩素酸ナトリウムの濃度も、衣類に対して適切とは限りません。衣類用漂白剤は、衣類を安全に漂白できるように成分濃度が調整されていますが、キッチンハイターをそのまま衣類に使うと、濃度が高すぎて生地を傷めたり、一部分だけ極端に白くなりすぎたりする可能性があります。
- 用途外使用のリスク:製品は、その表示された用途に従って使用することが基本です。キッチンハイターを衣類の洗濯に使用することは「用途外使用」にあたり、万が一衣類にダメージが生じたり、肌トラブルが起きたりしても、メーカーの保証やサポートを受けられない可能性があります。
もし、白い衣類のシミ抜きや黄ばみ取りをしたいのであれば、衣類用の塩素系漂白剤(例:花王の「ハイター」など)や、衣類用の酸素系漂白剤(例:花王の「ワイドハイター」など)を使用するのが適切です。これらの製品は、衣類の繊維や染料への影響を考慮して作られています。
「キッチンハイターも主成分は同じ次亜塩素酸ナトリウムだから大丈夫だろう」と安易に考えるのは危険です。含まれている添加剤や成分バランスが異なるため、必ず用途に合った製品を選ぶようにしましょう。
衣類用ハイターとキッチンハイターの違い

「ハイター」という名前がつく製品でも、「衣類用ハイター」と「キッチンハイター」は、主成分は同じ次亜塩素酸ナトリウムですが、配合されている成分や想定される使用シーンが異なります。 そのため、それぞれを正しく使い分けることが重要です。
主な違いは以下の通りです。
特徴 | 衣類用ハイター(例:花王「ハイター」) | キッチンハイター(例:花王「キッチンハイター」) |
主な用途 | 白物衣類の漂白・除菌・消臭 | 台所用品(まな板、ふきん、食器など)の漂白・除菌・消臭 |
主成分 | 次亜塩素酸ナトリウム | 次亜塩素酸ナトリウム |
界面活性剤 | 含まれていないか、ごく少量(製品による) | アルキルエーテル硫酸エステルナトリウムなどを含む |
液性 | アルカリ性 | アルカリ性(衣類用よりややpHが高い場合がある) |
泡立ち | 洗濯機での使用を考慮し、比較的抑えられている | 泡立ちやすい(食器洗いなどを想定) |
使用対象 | 白物の綿、麻、ポリエステル、アクリルなど(洗濯表示で確認) | プラスチック製品、陶器、ガラス器、木・竹製品(ステンレスは注意) |
注意点 | 色柄物、絹、毛、ナイロン、ポリウレタンなどには使えない。金属製の付属品に注意。 | 食品に直接使用しない。金属製品への長時間の使用は避ける。換気必須。 |
最も大きな違いは、界面活性剤の有無と種類です。
キッチンハイターには、油汚れなどを効率よく落とすための界面活性剤が配合されています。これが、キッチンハイターを洗濯機で使用したり、衣類に直接使用したりする際に問題を引き起こす主な要因となります。過剰な泡立ちは洗濯機の故障の原因になりますし、衣類に残った場合に繊維を傷めたり、肌への刺激になったりする可能性があります。
一方、衣類用ハイターは、洗濯での使用を前提としているため、泡立ちが抑えられていたり、界面活性剤が含まれていなかったり、含まれていても衣類への影響が少ない種類が選ばれています。
したがって、
- 衣類の漂白・除菌・消臭には、「衣類用ハイター」
- 台所用品の漂白・除菌・消臭には、「キッチンハイター」
と、それぞれの用途に合わせて正しく使い分けることが、対象物を傷めず、安全に効果を得るための基本です。製品のラベルに記載されている「品名」「用途」「使い方」「使用上の注意」をよく読んでから使用しましょう。
キッチンハイターで衣類を漂白する際の注意点

基本的にキッチンハイターを衣類の漂白に使用することは推奨されませんが、万が一、他に選択肢がなく、緊急的にごく一部のシミ抜きなどに試みる場合(あくまで自己責任において)は、以下の点に最大限の注意を払う必要があります。
- 白物の綿・麻・ポリエステル素材のみに限定:キッチンハイターは強力な漂白力と高いアルカリ性を持つため、使用できる衣類は非常に限られます。白無地の綿、麻、ポリエステル素材で、かつ洗濯表示で「塩素系漂白剤使用可(△のマークにClなど)」となっているもの以外には絶対に使用しないでください。 ウール、シルク、ナイロン、ポリウレタン、アセテートなどの繊維は、溶けたり黄変したり、著しく傷んだりします。
- 必ず薄めて使用し、原液を直接つけない:原液を直接衣類につけると、その部分だけ極端に白くなったり、繊維が脆くなって破れたりする可能性があります。必ず水で薄めてから使用してください。薄める濃度は、衣類用塩素系漂白剤の使用方法を参考に、ごく少量から試す必要がありますが、キッチンハイターは衣類用ではないため、適切な希釈率の保証はありません。
- 目立たない部分で必ずテストする:実際に漂白したい部分に使う前に、衣類の縫い代や裏側の目立たない部分に、薄めた液を少量つけて数分置き、変色や生地の傷みがないか必ず確認してください。少しでも異常が見られた場合は、その衣類への使用は諦めてください。
- 短時間で処理し、よくすすぐ:漂白効果は比較的短時間で現れます。長時間つけ置きすると、繊維が必要以上に傷んでしまいます。様子を見ながら、シミが薄くなったらすぐに大量の水で十分にすすぎ、漂白剤成分を完全に洗い流してください。すすぎが不十分だと、乾燥後に黄ばみが出たり、生地がゴワゴワになったりすることがあります。
- 換気を十分に行い、ゴム手袋を着用する:塩素ガス発生のリスクや皮膚への刺激を避けるため、作業中は必ず窓を開けるなどして換気を十分に行い、ゴム手袋を着用してください。目に入らないように保護メガネの着用も推奨します。
- 金属製の付属品(ボタン、ファスナーなど)に注意:金属製のボタンやファスナー、バックルなどにキッチンハイターの液が付着すると、化学反応を起こして変質したり、錆びたりすることがあります。これらの部分には液がつかないように注意するか、取り外せる場合は取り外してから作業してください。
繰り返しますが、これらの注意点を守ったとしても、キッチンハイターの衣類への使用はリスクが伴います。可能な限り、衣類には衣類専用の漂白剤を使用することを強く推奨します。大切な衣類を台無しにしないためにも、適切な製品を選びましょう。
色柄物にキッチンハイターは使えるのか

色柄物にキッチンハイターを使用することは絶対に避けてください。
キッチンハイターの主成分である次亜塩素酸ナトリウムは、非常に強力な酸化作用(漂白作用)を持っています。この作用は、色素を分解することで白くするため、白い衣類や台所用品の漂白には効果的ですが、色柄物の衣類に使用すると、その色素まで分解してしまいます。
結果として、以下のようなトラブルが起こります。
- 色落ち・退色: 衣類の色が薄くなったり、まだらになったり、全く違う色に変色したりします。一度色落ちしてしまったものを元に戻すのは非常に困難です。
- 柄の消失: プリント柄や染色された模様が消えたり、にじんだりすることがあります。
- 生地の損傷: キッチンハイターはアルカリ度も高いため、色柄物に使われることが多いデリケートな繊維(綿でも染色の状態によっては影響を受けやすい)を傷め、風合いを損ねたり、生地が弱くなったりする可能性があります。
衣類の洗濯表示を確認すると、「塩素系及び酸素系の漂白剤の使用の可否」が記号で示されています。
- 「漂白剤は使用できません」(三角形に×印): この表示がある場合は、塩素系・酸素系問わず、いかなる漂白剤も使用できません。
- 「酸素系漂白剤のみ使用できます」(三角形に斜線2本): この場合は、酸素系漂白剤(粉末タイプや液体タイプの色柄物用)であれば使用できますが、塩素系漂白剤(キッチンハイターや衣類用ハイターなど)は使用できません。
- 「塩素系及び酸素系漂白剤が使用できます」(三角形のマーク): この表示があるのは、主に白物の綿や麻製品などごく一部です。
キッチンハイターは塩素系漂白剤に分類されます。したがって、色柄物の衣類で「塩素系漂白剤使用可」の表示があるものは極めて稀であり、基本的には使用不可と考えて間違いありません。
もし色柄物の衣類のシミ抜きや消臭をしたい場合は、必ず**「色柄物にも安心」と表示のある衣類用の酸素系漂白剤**(例:ワイドハイターEXパワーなど)を使用してください。酸素系漂白剤は、色素を分解せずに汚れだけを落とす働きがあるため、色柄物にも比較的安全に使用できます。ただし、それでも目立たない場所で試してから使用するのが基本です。
大切な色柄物の衣類を台無しにしないために、漂白剤の種類の確認と洗濯表示の確認は必ず行うようにしましょう。
もし衣類にキッチンハイター原液がついたら?

もし誤って衣類にキッチンハイターの原液がついてしまった場合、時間との勝負になります。迅速かつ適切な対処をすることで、ダメージを最小限に抑えられる可能性がありますが、完全な回復は難しい場合が多いことを念頭に置いてください。
以下の手順で対処してください。
- すぐに大量の水で洗い流す(最優先):キッチンハイターが付着した部分を、すぐに大量の流水で徹底的に洗い流してください。最低でも10~15分以上、可能であればそれ以上、水を流し続けて漂白成分をできるだけ希釈し、除去します。こすり合わせると繊維の奥に染み込んだり、生地を傷めたりする可能性があるので、優しく水をかけるようにします。洗面台や浴室のシャワーなどを活用しましょう。
- 中和を試みる(慎重に):塩素系漂白剤はアルカリ性なので、酸性のもので中和するという考え方があります。家庭にあるものとしては「お酢」や「クエン酸」が使われることがありますが、これらは酸性度が強すぎたり、別の化学反応を引き起こしたりするリスクもあるため、使用は慎重に行う必要があります。もし試す場合は、水で十分に洗い流した後、ごく薄めたお酢(水1カップにお酢小さじ1程度)やクエン酸水溶液(水1カップにクエン酸数グラム)を少量つけて軽く叩き、その後すぐに再度大量の水で洗い流します。ただし、これはあくまで応急処置であり、効果を保証するものではありません。また、酸性タイプのものと直接混ぜると有毒ガスが発生するため、原液がついた状態に直接かけるのは絶対に避けてください。必ず大量の水で洗い流した後です。より安全なのは、市販の「塩素系漂白剤による黄変回復剤」などがあれば、それを使用することですが、一般家庭に常備されていることは少ないでしょう。
- 洗濯表示を確認し、洗濯する:水で十分にすすいだ後、衣類の洗濯表示を確認し、可能であれば中性洗剤で優しく手洗いするか、洗濯機で通常通り洗濯します。ただし、この時点で既に変色や生地の傷みが生じている可能性が高いです。
- 乾燥は陰干しで:直射日光は変色を助長したり、生地をさらに傷めたりする可能性があるため、風通しの良い日陰で乾燥させます。
注意点:
- 色柄物はほぼ確実に変色・脱色します。 元に戻すのは非常に困難です。
- 白い衣類でも、繊維が傷んで脆くなったり、部分的に黄変したりすることがあります。
- 皮膚に付着した場合は、すぐに大量の水と石鹸で洗い流し、異常があれば医師の診察を受けてください。
- 目に入った場合は、絶対にこすらず、すぐに大量の清浄な水で15分以上洗い流し、速やかに眼科医の診察を受けてください。
残念ながら、キッチンハイターの原液が付着した場合、特に色柄物やデリケートな素材の衣類は、元通りにするのが難しいことが多いです。そのため、キッチンハイターを使用する際は、汚れても良い服装で行う、エプロンを着用する、ゴム手袋を必ずするなど、衣類への付着を防ぐための予防策を徹底することが最も重要です。
総括:キッチンハイターは洗濯機に使える?
この記事のまとめです。
- キッチンハイターの洗濯機への使用は基本的に推奨されない
- 主成分は次亜塩素酸ナトリウムだが界面活性剤を含む
- 界面活性剤が洗濯機内で過剰な泡立ちを引き起こす可能性がある
- 泡立ちすぎはセンサーの誤作動や故障、水漏れの原因になり得る
- キッチンハイターはアルカリ性が高く部品を傷めるリスクがある
- 洗濯機の金属部品の腐食やゴムパッキンの劣化を招く恐れ
- 洗濯機メーカーは台所用漂白剤の使用を推奨していない場合が多い
- 故障した場合メーカー保証の対象外となる可能性がある
- ドラム式洗濯機では特に使用水量が少なくリスクが高い
- 洗濯槽掃除には専用の洗濯槽クリーナー(塩素系または酸素系)が推奨される
- 衣類用塩素系漂白剤の使用を認める洗濯機メーカーもあるが要確認
- キッチンハイターを衣類に使用するのも非推奨
- 衣類用ハイターとキッチンハイターは成分や用途が異なる
- キッチンハイターを色柄物に使うと確実に色落ちや変色が起こる
- 万が一キッチンハイターを使用する際は十分な換気と保護具着用が必須