洗濯後の衣類になんとなく臭いがついている、黒いカスが付着している——そんな経験はありませんか?
その原因の多くは、洗濯槽の裏側に蓄積したカビや汚れです。市販の洗濯槽クリーナーでは落とせないほど汚れが蓄積している場合、「分解掃除」が有効な解決策になります。
この記事では、洗濯機の分解掃除が必要なサインから、縦型洗濯機を自分で分解する手順、ドラム式の注意点、プロに依頼した場合の費用相場まで、詳しく解説します。
分解掃除は決して難しい作業ではありませんが、故障リスクや保証への影響も踏まえて判断することが大切です。自分でチャレンジするか、プロに任せるかを判断するための情報をまとめています。
- 洗濯機の臭いや黒いカスは、洗濯槽裏側のカビが原因であることが多い
- 縦型洗濯機は自分での分解掃除が可能だが、故障リスクとメーカー保証への影響を事前に確認する必要がある
- プロによる分解洗浄は縦型が約12,000〜20,000円、ドラム式が約20,000〜40,000円が目安
- 分解掃除後は洗濯後のフタ開け乾燥や月1回のクリーナー使用で清潔な状態を保てる
洗濯機の分解掃除の基礎知識と自分でできるやり方
- 分解掃除が必要なサインとカビが引き起こすトラブル
- 分解掃除を行う頻度の目安
- 縦型洗濯機を自分で分解掃除する手順と準備物
- ドラム式洗濯機の分解掃除はどう行うか
洗濯機の分解掃除が必要なサインとカビのトラブル

洗濯機の内部が汚れてくると、いくつかのサインが現れます。代表的なものが、洗濯機の内部から漂う嫌な臭いや、洗濯物に黒いカビやゴミが付着するといった症状です。また、すすぎ後の洗濯物が臭う場合も、洗濯槽内部の汚れが原因である可能性があります。さらに、排水が遅くなり水がスムーズに流れなくなったときも、内部の汚れを疑うサインのひとつです。
これらの症状が起きる背景にはそれぞれ原因があります。まず、洗濯機がカビ臭くなる理由は、洗濯機内部に湿気や洗剤カス、衣類から出た汚れが蓄積し、それらを栄養にカビが繁殖するからです。特に洗濯槽と外槽の隙間は水分が残りやすく通気性も悪いため、黒カビなどの菌が発生・繁殖しやすい環境になります。そのカビが放つ嫌な臭いが洗濯機全体に広がり、洗濯物にもカビ臭さが移ってしまいます。
洗浄力が落ちる原因は、フィルターや洗濯槽の小さな穴、内部のパイプ類にホコリや洗剤カスが詰まり、洗濯時の水流や洗剤の循環が妨げられるからです。洗濯槽が汚れていると、洗剤も十分に効果を発揮できず衣類の汚れが落ちにくくなります。
水漏れの原因になることもあります。排水フィルターや排水ホースにホコリや糸くずが溜まると、水がスムーズに流れず洗濯槽から水があふれたり、接続部分から漏れて床を濡らすことがあります。
洗濯物に黒い汚れが付く場合は、洗濯槽の裏側に洗剤カスや水垢をエサにカビが繁殖し、黒いヘドロ状の汚れがびっしり蓄積していることが原因です。これらの汚れが洗濯時に水中に剥がれ落ち、衣類に黒い斑点汚れとして付着してしまいます。
こうしたトラブルのサインが複数あてはまる場合は、市販のクリーナーでは奥の汚れまで落としきれていない可能性があるため、分解掃除を検討するタイミングといえます。

洗濯機の分解掃除を行う頻度の目安

洗濯機の掃除頻度は、日常のケアと分解掃除で分けて考えることが大切です。日常のお手入れとして、洗濯槽クリーナーを使った掃除は1ヶ月に1回が理想的といわれています。毎月のお手入れが難しい場合でも、2ヶ月に1回は行うようにしましょう。
分解掃除の目安については、1日のうち1〜2回洗濯機を使用する一般的な家庭の場合、2〜3年に1回が目安といわれています。ただし、毎月クリーナーでケアしているにもかかわらず、洗濯物に黒いカスがついたり洗濯機の臭いが気になったりするようであれば、2年経過する前に分解掃除を検討することもおすすめです。
洗濯機は使用頻度が高く常に水気があるため、カビの繁殖スピードが早い家電です。1〜2年使うと、洗濯槽の裏側や脱水槽にカビや洗剤カスがこびりついていることがあります。
機種によって推奨頻度が異なることもあります。ドラム式洗濯機は年に1回のクリーニングが推奨されているとの情報もあります。また、湿気の多い地域に住んでいる場合や、頻繁に洗濯する家庭では、半年に1回の頻度でのクリーニングが望ましいとされています。
つまり、「定期的なクリーナー使用 + 数年に1回の分解掃除」という組み合わせが、洗濯機を清潔に保つための基本的な考え方です。クリーナーで解決しない臭いや汚れが出始めたら、それが分解掃除のタイミングと考えるとよいでしょう。
縦型洗濯機を自分で分解掃除する手順と準備物

縦型洗濯機は比較的自分での分解がしやすい構造をしています。ただし手順を誤ると感電などの危険性もあるため、以下の手順を確認しながら進めてください。
用意するもの
作業を始める前に、以下の工具を準備しましょう。
- プラスドライバー
- マイナスドライバー
- 掃除用ブラシ
- 雑巾もしくは汚れてもよいタオル
- ゴム手袋
電動工具やギヤプーラーがあれば、より作業がスムーズに進められます。
下準備
作業前に必ず電源プラグを抜き、水道のコックを閉じ、配管を外しておきましょう。電源が入ったまま作業を行うと感電のリスクがあります。
手順
1. フィルターカバーと洗剤トレイを取り外して洗浄します。フィルターには糸くずやホコリが溜まりやすいため、水洗いして汚れを取り除きます。洗剤トレイの裏側には洗剤の残りやカビが溜まりやすいため、取り外して洗浄しましょう。
2. 洗濯機のフタ(トップカバー)を取り外します。ドライバーで左右のネジを回してフタを外します。機種によってはカバーと本体が配線で繋がっているため、無理に引っ張ると断線して電源が入らなくなることがあります。慎重に作業してください。
3. パルセーター(洗濯槽底の回転盤)を外します。中央のネジを外すと取り外せます。長年の汚れでネジが固着していることが多く、ネジ山を潰さないよう注意が必要です。
4. 洗濯槽中央部のナットを外し、真上に持ち上げて取り外します。洗濯槽は重量があるため、ギヤプーラーがあれば挟んでゆっくり回すと持ち上げやすくなります。
5. 取り外した洗濯槽は浴槽や庭など広い場所で洗浄します。60度以上のお湯を使用すれば、カビを死滅させることができます。頑固な汚れにはお風呂用洗剤や漂白剤を使って擦り洗いしましょう。
6. 洗濯槽やパーツの水分をタオルで拭き取り、しっかり乾かしてから元に戻します。アルコール除菌スプレーを噴きつけておくと、清潔な状態をより長くキープできます。
7. 最後に洗濯物を入れずに水だけで一度運転し、掃除のときに出てきた黒いカスや小さなゴミを洗い流します。
ドラム式洗濯機の分解掃除はどう行うか

ドラム式洗濯機は縦型とは異なり、洗濯槽が外せないケースが多く、自宅での分解洗浄はできないことがほとんどです。そのため、部分分解洗浄がメインの対応になります。
ドラム式洗濯機の内部構造は複雑で分解洗浄が難しい機種が多いという特徴があります。また、カビや石鹸カスの汚れに加えて、乾燥時に出るホコリがダクト内やヒートポンプに詰まることで乾燥機能が低下し、衣服が乾きにくくなる原因となることもあります。
自分でできる範囲での掃除手順は以下のとおりです。
1. 感電や誤作動を防ぐため、電源を切ってコンセントを抜き、水道のコックを閉じて配管を外します。
2. フィルターや排水口のゴミを取り除きます。フィルターは定期的に水で洗い流すだけで効果があります。
3. カビ取りスプレーやブラシを使用して、ドアパッキン部分のカビ・汚れを清掃します。
4. 洗剤投入口を取り外して洗浄します。
5. 市販の洗濯槽洗浄剤を使用し、槽洗浄コースで内部を洗浄します。
ドラム式は構造が複雑なため、縦型のように洗濯槽を取り出しての分解洗浄は難しく、プロに依頼する方が現実的な選択肢になりやすい機種です。乾燥機能が低下してきたと感じる場合は、ヒートポンプへのホコリ詰まりが原因である可能性もあるため、専門業者への相談を検討してみてください。

洗濯機の分解掃除をプロに頼む場合の費用と業者選び
- 自分でやるリスクとプロに依頼するメリット
- 分解掃除の料金相場(縦型・ドラム式)
- 業者を選ぶ際に確認すべきポイント
- 分解掃除後に洗濯機をキレイに保つ日頃のお手入れ
自分で分解掃除するリスクとプロに依頼するメリット

自分で洗濯機の分解掃除を行う場合、いくつかのリスクを事前に理解しておく必要があります。
まず、分解・洗浄・組み立ての各作業を自分で行うため、かなりの時間と労力がかかります。また、自分で行う場合はプロよりも仕上がりが劣ることが多いとされています。さらに、元に戻せなくなるケースが多く、「分解後に組み立てられなくなった」という問い合わせも実際に多く寄せられているとのことです。
安全面でも注意が必要です。洗濯機は電気と水を扱う家電のため、場合によっては漏電や火災につながるリスクがあります。自分で分解して故障してしまった場合は補償されません。また、メーカー保証が無効になる可能性があります。特に新しい洗濯機や保証期間内の機種は、自己分解によって保証が切れるリスクがあるため注意が必要です。
一方、プロに依頼した場合には複数のメリットがあります。専門的な技術と長年の経験を持つ技術者が作業するため、安全でしっかりとした仕上がりが期待できます。また、業者の多くが損害保険に加入しているため、万一の故障や破損が生じた場合でも対応してもらえます。プロ用洗剤と高圧洗浄を使用することで、市販のクリーナーでは落とせないカビ汚れまで除去できるとの報告があります。
自分での作業は初期費用が抑えられる反面、失敗した場合は業者への修理依頼や買い替えといった追加コストが発生するリスクもあります。初めての分解掃除であれば、プロへの依頼を選ぶ方が安心といえるでしょう。
洗濯機の分解掃除にかかる費用の相場

洗濯機のプロによる分解掃除には、「薬剤投入洗浄」と「分解洗浄」の2種類があります。料金はその内容と機種によって異なります。
縦型洗濯機の相場
薬剤投入洗浄は約11,000円(所要時間1.5時間)が目安です。洗濯槽を分解せず、特殊な洗剤や高温水で内部を洗浄する方法です。
分解洗浄は約12,000〜20,000円(所要時間90〜150分)が相場です。複数の業者情報を見ると、おそうじ革命では8kg未満が17,600円(税込)、8kg以上が20,900円(税込)、乾燥機能付きは23,100〜26,400円(税込)となっています。ヤマダデンキの洗濯槽分解クリーニングは23,100円(税込)・所要時間約150分で提供されています。
ドラム式洗濯機の相場
薬剤投入洗浄は約17,000円(所要時間2.5時間)が目安です。
分解洗浄は約20,000〜40,000円(所要時間3時間〜)が相場です。くらしのマーケットでは20,000〜30,000円、ハウプロの参考情報では30,000〜40,000円という範囲が示されています。
追加料金について
9kg以上の洗濯機は追加料金が発生する業者もあります。ヤマダデンキでは9kg以上に5,500円(税込)の追加料金が設定されています。また、製造から7年を超える洗濯機は保証対象外とする業者もあるため、依頼前に確認しておくことが大切です。
料金は業者やサービス内容によって異なるため、複数の業者から見積もりを取り、内容と価格のバランスを比較することをおすすめします。

洗濯機の分解掃除の業者を選ぶ際の確認ポイント

業者を選ぶ際には、以下のポイントを事前に確認しておくことで、依頼後のトラブルを防げます。
対応エリアと対応機種の確認
まず、その業者が自宅のある地域に対応しているかを確認しましょう。業者によっては出張エリアが限られていることがあります。あわせて、対応機種も確認が必要です。業者によっては特定のメーカーや一部機種が対象外となることがあります。
サービス内容の確認
薬剤投入洗浄のみか、分解洗浄まで対応しているかによって料金と仕上がりが大きく異なります。自分の洗濯機に必要なクリーニング内容を提供してくれる業者を選びましょう。基本サービスに含まれていない作業はオプション料金が別途発生することもあるため、事前に確認しておくことをおすすめします。
料金の透明性
基本料金だけでなく、追加料金が発生する可能性も事前に把握しておきましょう。9kg以上や乾燥機能付きの機種では追加料金になる場合があります。
口コミ・評判の確認
くらしのマーケットやユアマイスターなどのプラットフォームには多くの口コミが掲載されています。作業員の専門知識や対応の丁寧さはサービスの質を左右するため、口コミを参考に信頼できる業者を選ぶことも有効です。
保険加入・アフターサポートの確認
業者が損害保険に加入しているかを確認しましょう。万一の故障トラブルに対応してもらえる保証があるかどうかは、安心してサービスを利用するうえで重要なポイントです。クリーニング後に問題があった場合に再対応してもらえるアフターケア体制が整っているかも確認しておくと安心です。
また、製造から7年を超える洗濯機は保証対象外とする業者もあります。乾燥機が洗濯機の上に固定されている場合は引き受けできない業者もあるため、自宅の洗濯機の状況を伝えたうえで事前確認しておきましょう。
分解掃除後に洗濯機をキレイに保つ日頃のお手入れ

分解掃除によって清潔になった状態を長く維持するためには、日頃からの正しいお手入れが大切です。以下のポイントを習慣にすることで、カビの再発を抑えられます。
洗濯後はフタを開けて自然乾燥
洗濯が終わったら、必ずフタを開けたままにして洗濯機の内部を乾燥させましょう。フタを閉めたまま放置すると湿気がこもり、カビが発生する原因になります。洗濯機置き場の換気にも気を配り、部屋全体の湿気対策も合わせて行いましょう。
汚れた・濡れた衣類を入れっぱなしにしない
汚れたまま、濡れたままの衣類を洗濯機に長時間入れておくことは避けましょう。衣類についた汗や汚れがカビ発生の原因となります。洗濯の直前までは洗濯カゴなど別の場所で保管するようにしましょう。
洗剤・柔軟剤の量を守る
洗剤や柔軟剤はパッケージに記載されている規定量を守り、入れ過ぎないよう注意してください。溶け残りがカビ発生の原因になります。
乾燥機能がある場合は週1回程度使用
乾燥機能のある洗濯機は、週に1回程度乾燥機能を使用することで、洗濯槽内の水分を取り除けます。定期的な乾燥機能の使用は日頃のお手入れとして効果的です。
月1回程度のクリーナー使用
市販の洗濯機クリーナーを月1回程度使用することで、内部のカビや汚れの蓄積を予防できます。塩素系と酸素系のクリーナーが混ざると有毒なガスが発生する恐れがあるため、使用順序を守り、種類の違うクリーナー同士が混ざらないよう注意してください。
定期的なフィルター清掃
フィルターは定期的に取り外して清掃しましょう。フィルターに汚れが詰まると、排水効率の低下やカビの原因になります。
洗濯機の分解掃除の方法とプロ依頼のポイントまとめ
この記事のまとめです。
- 洗濯機の内部から臭いがする、洗濯物に黒いカスが付着する、排水が遅いなどのサインが出たら分解掃除を検討するタイミング
- 洗濯機がカビ臭くなる主な原因は、洗濯槽と外槽の隙間に湿気・洗剤カス・衣類汚れが蓄積してカビが繁殖するから
- 日常的なクリーナーによるお手入れは月1回が理想で、難しければ2ヶ月に1回が目安
- 分解掃除の目安は1日1〜2回使用の家庭で2〜3年に1回、ただしカビ臭や黒いカスが出たら2年未満でも検討する
- ドラム式洗濯機は年に1回、湿気の多い地域や洗濯頻度が高い家庭では半年に1回のクリーニングが望ましいとされている
- 縦型洗濯機の自分での分解掃除に必要な工具はプラスドライバー・マイナスドライバー・掃除用ブラシ・タオル・ゴム手袋
- 縦型洗濯機の分解手順は、フタ取り外し→パルセーター取り外し→洗濯槽取り外し→洗浄→乾燥→組み立て→テスト運転の順
- 洗濯槽の洗浄に60度以上のお湯を使うことでカビを死滅させることができる
- ドラム式洗濯機は洗濯槽が外せないケースが多く、部分分解洗浄がメインになる
- 自分で分解して故障した場合は補償されず、メーカー保証が無効になる可能性がある
- プロに依頼すると損害保険に加入している業者が多く、万一の故障にも対応可能
- 縦型洗濯機の分解洗浄の費用相場は約12,000〜20,000円、ドラム式は約20,000〜40,000円
- 業者選びでは対応エリア・対応機種・サービス内容・料金・口コミ・保険加入の有無を確認する
- 製造から7年を超える洗濯機や乾燥機が上部に固定されているタイプは対応できない業者もある
- 分解掃除後は洗濯後のフタ開け乾燥・洗剤規定量の遵守・月1回クリーナー使用・定期フィルター清掃を習慣にする

