洗濯機に搭載された洗剤自動投入機能は、毎日の家事をぐっと楽にしてくれる便利な存在ですよね。
しかし、「洗濯機洗剤自動投入カビ」というキーワードで検索されている方が多いように、この自動投入部にカビや汚れが溜まりやすいというお悩みもよく聞かれます。
知らず知らずのうちに蓄積した汚れが、大切な衣類に不快な臭いやカビを付着させてしまうことも。
この記事では、洗濯機の洗剤自動投入部を清潔に保つための具体的な清掃方法から、日々の予防策、さらには自動投入機能のメリット・デメリット、自動投入用洗剤と通常の洗剤の違い、そしてドラム式やタテ型、パナソニックや日立といったメーカー別の掃除ポイントまで、皆さんが本当に知りたい情報について、わかりやすく丁寧にご説明します。
- 洗剤自動投入部を放置するとカビや異臭、衣類への影響が生じる
- 自動投入用洗剤と通常の洗剤には成分の濃縮度合いなどに違いがある
- ぬるま湯とブラシを使った基本的な掃除に加え、漂白剤で頑固なカビも除去可能
- 洗濯機の種類や洗剤の特性に応じた予防策と日常的な習慣が大切
洗濯機洗剤自動投入部のカビ発生を防ぐには
- 洗剤自動投入部を放置するリスクとは?
- 自動投入用洗剤と通常の洗剤の違い
- 洗剤自動投入機能を使わない選択肢も?
洗剤自動投入部を放置するリスクとは?

洗濯機の洗剤自動投入口や柔軟剤投入口は、一見するとそれほど汚れていないように見えるかもしれませんが、実はホコリや洗剤、湿気などが原因で、カビやヌメリが蓄積しやすい場所です。プロのクリーニング担当者も、普段の洗濯時には確認しつつも、つい見て見ぬふりをしてしまいがちな箇所だと指摘しています。しかし、この部分の汚れを放置すると、いくつかの深刻な問題が生じる可能性があります。
まず、湿気がこもりやすい投入口には、黒カビが繁殖しやすくなります。このカビが洗剤と混ざり合い、洗濯物に付着してしまうことで、せっかくきれいにしたいはずの衣類にカビの胞子が移ってしまうことも考えられます。特に、敏感肌の方や小さなお子様がいるご家庭では、清潔な洗濯環境を保つことが非常に重要です。
次に、洗剤や柔軟剤の溶け残りが投入口で固まり、ヌメリや詰まりの原因になることがあります。特に粉末洗剤は水に溶けにくいため、洗剤カスが付着しやすい傾向があり、これが水の流れを悪くして、洗剤が適切に洗濯槽に行き渡らなくなる可能性があります。詰まりが発生すると、洗剤が衣類にムラになったり、洗浄力が低下したりする原因にもなります。
また、投入口に残った洗剤や柔軟剤が酸化することで、不快な異臭を放つようになることもあります。洗濯機を使うたびに嫌な臭いがすると、日々の洗濯が快適でなくなってしまいますよね。最悪の場合、カビや詰まりを放置し続けると、洗濯機の性能が低下し、故障につながる可能性さえあります。
長く快適に洗濯機を使用するためには、洗剤自動投入口の定期的な掃除と、汚れが溜まらないための予防策を実践することが非常に大切だということをぜひ覚えておいてください。毎日のちょっとした心がけが、清潔な洗濯環境と洗濯機の長寿命につながります。
自動投入用洗剤と通常の洗剤の違い

最近の洗濯機には「洗剤自動投入機能」が搭載された機種が増えており、それに合わせて「自動投入用洗濯洗剤」という製品も多く登場しています。では、この自動投入用洗剤と、私たちが普段使っている一般的な洗濯洗剤にはどのような違いがあるのでしょうか。
まず、自動投入用洗濯洗剤とは、その名の通り、自動投入機能付き洗濯機のタンクに入れて使うことを前提とした液体洗剤を指します。このタイプの洗剤の最大の特徴は、成分が非常に濃縮されているという点です。そのため、通常の洗剤よりも少ない量で効果的に洗濯ができ、タンクへの洗剤補充の頻度を減らせるというメリットがあります。例えば、アリエールやナノックス、アタックといった主要メーカーの自動投入用洗剤は、3倍〜4倍濃縮タイプが主流で、毎日洗濯しても数ヶ月間補充なしで使えるものもあります。
また、自動投入用洗剤は、タンクに長期間入れておくことを想定して作られているため、タンクの中で液が固まりにくいように工夫されていたり、タンク内の防カビ効果を備えていたりする製品も少なくありません。これにより、自動投入部のメンテナンスの手間を軽減できるという利点があります。販売形態も、ボトル本体ではなく、パウチの形で提供されることが多く、ゴミの削減や保管のしやすさにも配慮されています。
一方、一般的な洗濯洗剤は、手動で計量して投入することを前提としており、自動投入用洗剤ほどの濃縮度合いではないことが多いです。そのため、同じ洗濯量に対して使用する洗剤の量も多くなる傾向があります。
では、自動投入用洗剤を、自動投入機能のない普通の洗濯機で使うことはできるのでしょうか。これについては、商品によって異なります。多くの自動投入用洗剤は「自動投入機能のない普通の洗濯機でも使える」という記載があるものもありますが、その際は、成分が濃縮されているため、使用量を細かく計量して入れすぎないように注意が必要です。
このように、自動投入用洗剤と通常の洗剤では、成分の濃縮度合い、1回あたりの使用量、タンクに入れることを前提とした機能性、そして販売形態といった点が大きく異なります。ご自身の洗濯機の種類や使い方に合わせて、最適な洗剤を選ぶことが大切です。
洗剤自動投入機能を使わない選択肢も?

洗剤自動投入機能は、毎回の洗剤計量や投入の手間を省いてくれる大変便利な機能として注目されています。しかし、この機能が本当に必要なかったと感じる方もいらっしゃるようです。その理由として挙げられるのが、ボトルから洗剤を入れる手間よりも、洗剤投入部のお手入れの方が面倒に感じられるという点です。
取扱説明書によると、洗剤を入れるタンクとその経路は、2〜3ヶ月に一度のお手入れが推奨されています。この掃除は、タンク内の洗剤を使い切ったタイミングで行うのが理想的ですが、洗剤がなくなるタイミングが分かりにくく、残量表示がゼロになっても実際にはまだ数回分残っていることもあり、残量の確認に気を使う場面があるようです。タンクが空になった後は、経路に残った洗剤を使い切るために数回自動投入機能をオンにして洗濯し、その後でタンクや経路の掃除を行うことになります。この「掃除のタイミング」が盲点となり、かえって面倒に感じてしまうケースがあるのです。
このような理由から、せっかくの自動投入機能を今は使っていないという方もいます。その場合、基本に立ち返り、洗濯物の量や水量に合わせて手作業で洗剤を計量し、洗濯槽に直接投入する方法を取るのが一般的です。洗剤を水にしっかり混ぜたいので、給水が終わった頃に洗濯槽に入れると良いでしょう。洗濯槽に水が溜まるまでの時間は、朝の身支度や洗面所の掃除など、他の家事に有効活用することも可能です。
また、「洗剤自動投入にしたら洗剤ボトルが不要になるかも」と期待する方もいるかもしれませんが、手洗いをする際などに詰め替え用袋から直接洗剤を取り出すのは難しいため、結局ボトルを手放せないという声もあります。濃縮タイプであれば、ボトル1本とストック1つで約3ヶ月分の洗剤をまかなえるため、それほど場所を取らないと考えることもできます。
「物に頼って時間を節約しようとすると、実はやるべきことが増えてお金も余計にかかる」と感じる方もいるように、自動投入機能の有無にかかわらず、洗濯機の「洗う」機能そのものに感謝し、洗剤を計量する作業を自分でこなすことに価値を見出す考え方もあります。このように、毎日の糸くずフィルターのちょこっと掃除と月に1回の槽洗浄といった、シンプルなルーティンの方が楽だと感じる人もいるのです。自動投入機能の利用は、ご自身のライフスタイルやお掃除の習慣に合わせて判断するのも一つの選択肢と言えるでしょう。
洗濯機洗剤自動投入部のカビを徹底除去する方法
- 基本的な洗剤投入口の掃除手順
- 頑固な黒カビや詰まりへの対処法
- ドラム式・タテ型洗濯機、自動投入機能付きの清掃ポイント
- 市販クリーナーとナチュラルクリーニングの使い分け
- カビを予防するための日常習慣
基本的な洗剤投入口の掃除手順

洗濯機の洗剤投入口や柔軟剤投入口にカビやヌメリ、ホコリ汚れが確認されたら、ぜひ簡単な方法でお掃除をしてみましょう。長年洗濯機のクリーニングに携わるプロが監修した方法を参考に、準備から丁寧に解説します。
まず、お掃除に必要なものを準備します。これらはご家庭にあるもので十分対応できます。浴室用洗剤、歯ブラシ、そして雑巾を用意してください。浴室用洗剤は投入口の汚れを落とすために、歯ブラシはこすり洗いをするために、雑巾は汚れを拭き取るために使います。また、掃除中に汚れや洗剤が衣類にかからないよう、洗濯機の中身は必ず空にしておきましょう。
事前準備が整ったら、いよいよお掃除に取り掛かります。
- ぬるま湯をかける:洗剤投入口と柔軟剤投入口の中に、100mlほどのぬるま湯(45〜50℃)をゆっくりと注ぎます。注いだぬるま湯は、汚れをふやかすために約15分間そのまま放置してください。投入口の周りにもぬるま湯をかけて、汚れを柔らかくすると良いでしょう。もし、柔軟剤投入口トレーが取り外しできるタイプであれば、この時に取り外して別途掃除を行います。
- こすり洗いをする:ぬるま湯でふやかした汚れを、まずは雑巾で軽く拭き取って、表面のホコリや髪の毛を取り除きます。その後、浴室用洗剤を少量かけ、歯ブラシを使って洗剤投入口や柔軟剤投入口の隅々に潜むカビを丁寧にこすり洗いしてください。手の届きにくい狭い隙間には、綿棒を使うと効果的です。
- 再度ぬるま湯をかける:汚れをこすり洗いしたら、再度ぬるま湯(45〜50℃)を洗剤投入口の中と周りに少量かけ、汚れを洗い流します。
- 水拭きをする:カビや汚れを除去し終えたら、水に濡らした清潔な雑巾で丁寧に水拭きを行います。特に塩素系の洗剤を使用した場合は、洗剤成分が残っていると洗濯物を変色させてしまう恐れがあるため、しっかりと拭き取ることが大切です。
- 排水する:掃除の最後に、洗濯機の排水を行います。手順③で投入口に注いだ水などが残っている可能性があるため、これを排水します。気になる方は、一度洗濯機の空運転を行うのも良いでしょう。
この基本的な掃除方法を定期的に行うことで、洗剤投入口を清潔に保ち、カビや汚れの蓄積を防ぐことができます。
頑固な黒カビや詰まりへの対処法

洗濯機の洗剤投入口に頑固な黒カビが発生してしまったり、洗剤カスが固まって詰まりが生じてしまったりした場合は、基本的な掃除だけでは解決が難しいことがあります。そのような時には、状況に応じた特別な対処法を取り入れることが効果的です。
黒カビの除去には、酸素系漂白剤(過炭酸ナトリウム)や塩素系漂白剤の活用がおすすめです。 酸素系漂白剤を使用する場合は、まずぬるま湯に漂白剤を溶かし、取り外せる投入口であればそれらをつけ置きします。メーカーや製品によって異なりますが、目安として30分から1時間ほど放置すると、カビが浮き上がってくるはずです。その後、歯ブラシやスポンジでこすり落としましょう。
塩素系漂白剤を使用する際は、ゴム手袋を必ず着用し、換気を十分に行いながら作業してください。直接カビにスプレーするか、キッチンペーパーに漂白剤を染み込ませてカビ部分に貼り付け、しばらくパックする方法が効果的です。例えば、プロの掃除術ではカビキラーを投入口の奥や天井、横などカビがある部分に吹きかけて放置する方法が紹介されています。カビキラーが残っても、最終的には洗濯槽に流れ込む仕組みなので、安心して使用できます。ただし、洗い流しが不十分だと衣類が漂白されてしまう可能性があるので、使用後は念入りにすすぎを行い、成分が残らないようにすることが非常に重要です。黒カビを除去した後は、洗濯機のふたを開けてしっかりと乾燥させることが再発防止のポイントになります。
洗剤が詰まってしまった場合は、洗剤が正常に流れず、溶け残りの原因となることがあります。 まず、ぬるま湯を流し込みながら、竹串や細いブラシを使って汚れをかき出してみましょう。もしそれで改善しない場合は、クエン酸を活用する手もあります。クエン酸を溶かしたぬるま湯を投入口に注ぎ、目安として30分ほど放置します。クエン酸の酸の力で、固まった洗剤カスや水垢が柔らかくなり、取り除きやすくなるでしょう。その後、再度ぬるま湯でしっかりと流して完了です。
また、プロのお掃除術では、100円ショップのアイテムを活用した方法も紹介されています。カビキラーで汚れを分解した後、割り箸の先にキッチンペーパーを巻きつけた手作りの掃除道具や、先端にスポンジや不織布がついた細いブラシを使って、奥や天井、角などの細かい部分の汚れをぬぐい取ることが推奨されています。洗い流す際には、ダイソーなどで手に入る園芸用の蓄圧式ポンプスプレーが便利です。ペットボトルに水を入れてポンプにセットし、圧力を高めて勢いよく水を出すことで、投入口の奥の汚れを効果的に洗い流すことができます。
頑固なカビや詰まりを放置すると、洗濯物の清潔さだけでなく、洗濯機自体の寿命にも影響します。これらの対処法を参考に、投入口を徹底的にきれいに保ちましょう。
ドラム式・タテ型洗濯機、自動投入機能付きの清掃ポイント

洗濯機の洗剤投入口の掃除方法は、洗濯機の種類や機能によって少しずつ異なるポイントがあります。ご自身の洗濯機に合わせた方法で、効率的かつ安全に清掃を行いましょう。
タテ型洗濯機の場合 タテ型洗濯機の洗剤投入口は、比較的シンプルで取り外し可能な構造になっていることが多いのが特徴です。そのため、多くの場合、投入口のパーツを本体から外して丸洗いすることができます。ぬるま湯に浸け置きし、歯ブラシやスポンジを使って、洗剤カスやカビをしっかりとこすり落としましょう。柔軟剤投入口も同様に汚れが溜まりやすいので、一緒に掃除することをおすすめします。タテ型洗濯機はドラム式に比べて使用する水の量が多いため、カビや詰まりを防ぐためには定期的な掃除がより一層重要になります。掃除後は、洗濯機のフタを開けてしっかり乾燥させることで、湿気を逃しカビの発生を効果的に防ぐことができます。
ドラム式洗濯機の場合 ドラム式洗濯機、特に近年主流となっている機種では、洗剤が自動で計量・投入される機能を備えていることが多いです。この機能は便利である反面、洗剤が投入口の内部に残って固まりやすく、定期的な掃除が不可欠です。ドラム式の投入口は、タテ型とは異なり、取り外せるものと本体に固定されているものがあります。取り外せる場合は、タテ型と同様にぬるま湯につけ置きし、歯ブラシで汚れを落としましょう。もし投入口が固定されている場合は、ぬるま湯を少しずつ流しながら細いブラシでこすることで、詰まりを防ぐことができます。使用する洗剤の種類によっては固まりやすいものもあるため、液体洗剤を使う際は適量を守ることが固まり防止につながります。
自動投入機能付き洗濯機の場合 日立のBD-STX130Jのような自動投入機能付き洗濯機では、液体洗剤タンクや柔軟剤タンク、そしてその経路のメンテナンスが特に重要です。メーカーの推奨では、2〜3ヶ月に一度を目安にお手入れをすることとされています。また、使用する洗剤や柔軟剤の種類を変更する時、1ヶ月以上自動投入機能を使わなかった時、残量表示が「少」のまま1週間以上補充しなかった時、タンク取付部に汚れが残っている時、タンク内の洗剤がゼリー状になった時などにもお手入れが必要です。 具体的な手順としては、まずタンクを取り外し、透明ふた、タンクふた、フロートピースといった部品を分解して、お湯(約40℃)に約10分間浸してから湿った布で汚れを洗い流します。タンク内は泡立ちやぬめりがなくなるまですすぎ、タンク取付部周辺も湿った布で拭き取ります。この際、パッキンを無理に引っ張ったり、ブラシで強くこすったりすると、液漏れの原因となるため注意が必要です。 部品を元に戻した後、さらに液体洗剤・柔軟剤経路のお手入れ運転を行います。継続して自動投入を使用している場合は「4分」、使っていなかった場合は「9時間」を設定して、お湯をタンクに入れて運転させることで、経路内部の汚れを洗い流します。これらの適切なメンテナンスを行うことで、自動投入機能を長く快適に使い続けることができます。
市販クリーナーとナチュラルクリーニングの使い分け

洗濯機の洗剤投入口の掃除には、市販のクリーナーと重曹やクエン酸を用いたナチュラルクリーニングの二つの方法があります。それぞれのメリット・デメリットを理解し、汚れの状況に応じて使い分けることが、最も効果的で安全な掃除につながります。
市販クリーナーのメリットとデメリット 市販されているクリーナー、特に浴室用洗剤やカビキラーといった製品は、強力な洗浄成分を含んでおり、頑固なカビや洗剤カス、ヌメリなどを素早く、そして効率的に落とすことができるのが大きなメリットです。泡タイプのクリーナーは、投入口の細かい隙間にまで浸透しやすく、効果的に汚れを分解してくれるでしょう。しかし、強力な洗剤ゆえのデメリットも存在します。使用後にしっかりとすすぎを行わないと、洗剤成分が投入口に残ってしまい、次の洗濯時に衣類に付着して変色させてしまう恐れがあります。また、頻繁に使用したり、誤った使い方をしたりすると、洗濯機の部品に負担をかけ、劣化を早める可能性もゼロではありません。市販クリーナーを使用する際は、必ず製品の取扱説明書をよく読み、記載されている用法・用量を守ることが大切です。特に塩素系のクリーナーを使う場合は、換気をしっかり行い、ゴム手袋やゴーグルなどを着用して作業することで、ご自身を保護しましょう。
重曹・クエン酸を使ったエコ掃除(ナチュラルクリーニング) 一方、重曹やクエン酸を用いたナチュラルクリーニングは、環境に優しく、手肌にも比較的刺激が少ないため、小さなお子さんやペットがいるご家庭でも安心して使えるのが魅力です。 重曹は弱アルカリ性の性質を持つため、洗剤カスや油汚れといった酸性の汚れを中和して分解するのに適しています。ぬるま湯に溶かしてペースト状にし、歯ブラシなどで投入口をこすり洗いすると良いでしょう。 クエン酸は酸性の性質を持つため、水垢や石鹸カス、そしてアルカリ性のカビの除去に効果を発揮します。クエン酸水をスプレーボトルに入れ、投入口に吹き付けてしばらく放置した後、拭き取ることでカビ予防にもつながります。 これらのナチュラル素材は、コストパフォーマンスにも優れており、日常的なお手入れに取り入れやすいという利点があります。
どちらを選ぶべき?状況別の最適な選択 基本的に、黒カビがひどい場合や、投入口から強い異臭がする場合など、頑固な汚れには市販の強力なクリーナーを一時的に使用するのが効果的です。その際も、使用後は徹底的に洗い流し、換気を怠らないようにしましょう。 普段の定期的な掃除や、軽い汚れ、カビの予防には、重曹やクエン酸を使ったナチュラルクリーニングが適しています。環境負荷も少なく、安心して日常的に使えるため、こまめなお手入れを習慣づけるには最適です。
ご自宅の洗濯機の汚れ具合や、ご自身の清掃に対する考え方、そして安全性への配慮を考慮して、最適な掃除方法を使い分けることが、清潔な洗剤投入口を保ち、快適な洗濯環境を維持するための鍵となります。
カビを予防するための日常習慣
洗濯機の洗剤自動投入部にカビを発生させないためには、日々のちょっとした習慣が非常に重要です。いくら徹底的に掃除をしても、カビの生えやすい環境を放置していては、すぐに再発してしまいます。ここでは、カビを防ぐための具体的な日常習慣をご紹介します。
まず、最も基本的で効果的な予防策は、洗濯が終わった後に洗濯機のフタやドア、そして洗剤投入口を開放して、洗濯槽全体を乾燥させることです。洗濯機内部は湿気がこもりやすく、カビが繁殖しやすい環境です。使用しないときにフタやドアをすぐに閉めてしまうと、この湿気が閉じ込められ、カビの温床となってしまいます。ドラム式洗濯機に洗濯槽乾燥機能が搭載されている場合は、積極的に活用することでカビの発生を抑えることができます。
次に、洗濯が終わった衣類を洗濯機の中に長時間放置しないことです。濡れた衣類はカビの栄養分となり、洗濯槽内のカビを増殖させる原因になります。洗濯が終わったら、なるべく早く取り出して干すように心がけましょう。同様に、洗濯する前の汚れた衣類を洗濯カゴ代わりに洗濯機の中に入れたままにするのも避けるべきです。汚れた衣類には皮脂や湿気が含まれており、これが洗濯機内部に汚れや湿気を移してしまい、カビの原因となります。
洗剤や柔軟剤の適量を守って使用することも重要です。多く入れすぎると、洗剤が完全に溶け切らずに投入口に残ってしまい、それがカビや詰まりの原因になります。特に粉末洗剤を使う場合は、水に溶けにくいため、ぬるま湯で溶かしてから投入すると、よりスムーズに流れ、カスが残りにくくなります。
お風呂の残り湯を洗濯に使う習慣がある方もいるかもしれませんが、衛生微生物研究センターの報告によると、残り湯の細菌数は入浴後に大幅に増え、一晩放置すると約1000倍にもなることが示されています。残り湯には皮脂汚れなどのタンパク質が含まれており、これがお湯と混ざることで衣類に付着し、汚れの原因となる可能性があります。服をきれいに洗うためには、残り湯の使用はあまり推奨されません。もし使用する場合は、すすぎの工程ではきれいな水を使うようにしましょう。
さらに、洗剤投入口の日常的な簡単なお手入れを習慣づけることも効果的です。毎回の洗濯後に投入口を軽く水ですすぐだけでも、汚れの蓄積を大きく防ぐことができます。月に一度程度は、ぬるま湯で投入口を洗い流したり、歯ブラシや綿棒を使って細かい部分の汚れを取り除いたりすると良いでしょう。
最後に、柔軟剤の使用を見直すことも、カビ予防に繋がる場合があります。柔軟剤は衣類を柔らかくする一方で、服をワックスのようなもので覆ったり(一部意見ではPFASのような化学物質)、洗濯機にヌメリやカビの原因となる残留物を残すことがあります。柔軟剤の使用をやめたことで、洗濯物がきれいになったという声や、投入口の掃除が不要になったという意見もあります。もし柔軟剤の使用を控えたいけれど、衣類を柔らかくしたい場合は、代わりに酢(お酢の匂いは洗濯後に残らないことが多いです)やホウ砂、あるいは乾燥機用シートやフェルトの乾燥ボールなどを使用することも検討してみてください。これらは石鹸カスを減らしたり、生地を柔らかくする効果が期待できます。
これらの習慣を日々の生活に取り入れることで、洗濯機の洗剤自動投入部だけでなく、洗濯機全体を清潔に保ち、カビのない快適な洗濯環境を維持することができるでしょう。
総括:洗濯機洗剤自動投入のカビ問題は適切な清掃と予防策で解決する
この記事のまとめです。
- 洗濯機の洗剤自動投入口はホコリ、洗剤、湿気によりカビやヌメリが蓄積しやすい箇所である
- 投入口の汚れ放置は、洗濯物へのカビ付着や異臭、洗浄力低下、洗濯機故障のリスクを高める
- 洗剤自動投入用洗剤は高濃縮でタンクに固まりにくく、防カビ効果を持つ製品もある
- 通常の洗濯機で自動投入用洗剤を使う際は、濃縮されているため計量に注意が必要である
- 自動投入機能のメンテナンスの煩わしさから、あえて手動で洗剤を投入する選択肢もある
- 基本的な洗剤投入口の掃除は、ぬるま湯で汚れをふやかし、浴室用洗剤と歯ブラシでこすり洗い後、水拭きと排水を行う
- 柔軟剤トレーが取り外し可能な場合は、外して丸洗いすると良い
- 頑固な黒カビには酸素系漂白剤やつぎに塩素系漂白剤、詰まりにはクエン酸を活用すると効果的だ
- 塩素系漂白剤を使用する際は、ゴム手袋、換気、ゴーグルなどの安全対策を徹底する
- 100円ショップのアイテム(割り箸、キッチンペーパー、細いブラシ、蓄圧式ポンプスプレー)も掃除に役立つ
- タテ型洗濯機は投入口が取り外しやすく丸洗い可能で、こまめな乾燥がカビ予防に繋がる
- ドラム式洗濯機や自動投入機能付きの場合、タンクや経路の定期的な洗浄、特に洗剤変更時や長期間不使用時の手入れが不可欠である
- 市販クリーナーは強力だが、すすぎ不足や部品への負担に注意が必要で、重曹やクエン酸は日常的な軽い汚れや予防に適している
- カビ予防のためには、洗濯後は投入口や洗濯機のフタ・ドアを開放して乾燥させることが最も重要である
- 洗濯後の衣類を放置しない、洗剤・柔軟剤の適量を守る、お風呂の残り湯の使用を控えるなどの日常習慣も予防に有効だ
- 柔軟剤はカビの原因や吸水性低下のリスクがあり、酢やホウ砂などで代用を検討することも有効である