「うちの洗濯機、もう15年経つけどまだ使える…20年もいけるかな?」という疑問を持つ方は少なくありません。内閣府の消費動向調査(2025年3月)によると洗濯機の平均使用年数は約10年ですが、手入れ次第では15年、20年以上使い続けるケースもあります。一方で、メーカーが設定する「設計上の標準使用期間」は7年前後、修理用部品の保有期間も製造終了後6年が目安です。つまり、20年使えるかどうかは使い方・メンテナンス次第であり、同時に安全上のリスクも高まります。この記事では、洗濯機の本当の寿命の目安から、寿命が近い前兆サイン、修理か買い替えかの判断基準、そして少しでも長持ちさせる具体的なコツまでをコーパスに基づいて解説します。
- 洗濯機の標準使用期間は7年前後だが、平均使用年数は約10年、20年以上使う人もいる
- 「焦げ臭い」「異音がする」「運転中に止まる」などは寿命を知らせる重要なサイン
- 修理か買い替えかは「使用年数」「修理費用」「部品保有期間」の3点で判断する
- 詰め込みすぎず、定期的にメンテナンスすることが長持ちの最重要ポイント
洗濯機の寿命はどのくらい?20年使えるかの基準を知ろう
- 洗濯機の寿命は20年使える?平均使用年数と標準使用期間
- 寿命が近い洗濯機に現れる6つのサイン
- 縦型とドラム式で洗濯機の寿命は違う?
洗濯機の寿命は20年使える?平均使用年数と標準使用期間
洗濯機の寿命について考えるとき、まず押さえておきたいのが「標準使用期間」と「実際の平均使用年数」の違いです。
メーカーが定める「設計上の標準使用期間」は、洗濯機の場合7年が多くなっています。これは1年の使用日数365日、1日の使用回数1.5回という条件を基準に算出されたものです。この期間を超えると、経年劣化による事故が起きやすくなるとして、消費者生活用製品安全法で標準使用期間の明示が義務付けられています。
一方、実際に人々が洗濯機を使い続ける年数は、標準使用期間を大幅に上回っています。内閣府の「消費動向調査(2024年3月分)」では洗濯機の平均使用年数が10.9年、2022年4月〜2023年3月に買い替えた世帯においては平均使用年数が10.1年との報告があります。また内閣府の2021年3月調査では平均使用年数10.2年となっており、複数の調査で一貫して平均10年前後という傾向が確認されています。
使用開始から4年目までは9割以上が使い続けているが、その後は1年ごとに1割前後ずつ減少し、15年目に1割を切るとの報告があります。このことから、短ければ5年、長ければ15年程度使用できると考えてよいでしょう。中には20年〜25年ほど買い替えていないという方もおり、使い方や洗濯の頻度によって寿命は大きく変わります。
もうひとつ知っておきたいのが「補修用性能部品の保有期間」です。各メーカーが定めており、多くのメーカーで6〜7年とされています。なお国税庁が定める洗濯機の耐用年数は6年です。部品保有期間を過ぎても、部品の在庫が余っていたり後継機種が同じ部品を使用していたりする場合もありますが、基本的には製造終了から6年が修理対応の目安となります。
洗濯機の寿命は使用頻度に大きく左右されます。毎日複数回使用する共働き世帯や大家族では、週1〜2回程度の使用と比較してモーターやベルトなどの主要部品への負担が格段に高くなります。こまめなメンテナンスと適切な使い方を意識することで、10年、さらには20年以上の使用も不可能ではないとの報告があります。
寿命が近い洗濯機に現れる6つのサイン
洗濯機が寿命を迎える前には、いくつかの前兆サインが現れることがあります。複数の症状が同時に確認された場合は、限界が近いサインです。突発的な故障に備えて、修理費用や新規購入の情報を集めておくことをおすすめします。
1. 焦げ臭いにおいがする
洗濯機から焦げ臭いにおいがする場合、ベルトが空回りしているかモーターが焼けている可能性があり、大変危険です。放置すると発煙・発火へとつながるリスクがあるため、すぐに使用を中止してください。焦げ臭さの原因としては、パルセーター(洗濯槽底面の回転羽根)と洗濯槽の間や駆動部分への異物混入、またはモーターのベルトの劣化・摩耗が考えられます。
2. 異音がする
「キュルキュル」はベルトのすり減り、「ガリガリ・カタカタ」はモーターの劣化や異物混入、「ブーン」は給水バルブの異常を示す可能性があります。異音は徐々に大きくなる傾向があるため、少し違うと感じたら早めに運転を止めて原因を探ることが重要です。
異音が気になる場合は自己判断せず、メーカーや専門業者に問い合わせましょう。放置するとさらなる故障を招くリスクがあります。
3. 洗濯槽がカビ臭い
洗濯槽クリーナーでメンテナンスしても取りきれない臭いが残る場合、内部構造に深刻なカビが定着している可能性があります。特に洗濯物にもカビ臭さや雑菌のにおいが移るようになったら要注意です。
4. 操作パネルの不具合
ボタンがまったく反応しない、液晶が点滅を繰り返すなどの症状は電子部品の不具合を疑うサインです。長期間使用している洗濯機ほど、劣化した基板や配線のトラブルが起きやすくなります。
5. 電源コードが発熱・変色している
コードの被膜が溶けたり焦げたりしていれば、断線や漏電が発生している可能性が非常に高いです。このような状態を放置するとショートや火災など重大な事故につながる恐れがあります。すぐにコンセントから抜いて専門スタッフに相談してください。
6. 給水・排水トラブルで洗濯が途中で止まる
洗濯中に突然止まってしまう原因には、給水や排水を制御するセンサーの不具合、もしくはポンプの故障が考えられます。電源が入らない・途中で止まるケースでは、ドアロックが閉まっていないと安全装置が作動することもありますが、再発する場合は寿命・基板劣化の可能性があります。また洗浄力が弱くなってしまった場合も、買い替えのタイミングを示すサインかもしれません。
縦型とドラム式で洗濯機の寿命は違う?
縦型洗濯機とドラム式洗濯機の寿命に明確な差はないとされています。1日の使用回数平均1.5回で計算した「設計上の標準使用期間」は縦型・ドラム式ともに同じ基準で設定されており、部品保有期間の表からもドラム式と縦型の差は明確ではありません。
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ただし、ドラム式は乾燥機能を搭載しているものが多く、振動による衝撃やほこりで目詰まりしやすいなど故障リスクが大きくなる要素があるとの見方もあります。縦型洗濯機は撹拌(かくはん)洗い、ドラム式はたたき洗いという洗浄方式の違いがあり、乾燥機能を使用する場合はドラム式の方が故障リスクが高くなる要素が多いと考えられています。「糊付けした洗濯物は乾燥させない」「洗濯物に漂白剤が残ったまま乾燥すると寿命を縮める」など、メーカー側の注意喚起を守ることも重要です。
長持ちする洗濯機を選ぶなら、ダイレクトドライブ(DD)モーター搭載モデルも検討価値があります。ベルトがないため故障リスクが低減し、運転音も静かになるとの報告があります。インバーター搭載モーターは洗濯物の量に合わせて回転数を細かく制御でき、モーターへの負担が少なく寿命が延びる傾向があります。またステンレス製の洗濯槽は黒カビが発生しにくく、傷がつきにくく丈夫です。
洗濯機の寿命を延ばす方法と買い替え・処分のポイント
- 洗濯機を20年近く長持ちさせる使い方のコツ
- 洗濯槽のカビ・汚れを防ぐ定期メンテナンス方法
- 10年前・20年前の洗濯機と最新モデルの電気代・水道代比較
- 修理と買い替えの判断基準
- 寿命を迎えた洗濯機の正しい処分方法
洗濯機を20年近く長持ちさせる使い方のコツ
洗濯機の寿命を左右する最大の要因は、日頃の使い方です。以下のポイントを意識するだけで、洗濯機の疲労を大幅に減らすことができます。
洗濯物を詰め込みすぎない
最も重要なのは、容量の7〜8割程度を目安に洗濯物を入れることです。縦型は洗濯槽の銀色部分が少し見える程度、ドラム式はドア窓の上部にこぶし一つ分の隙間ができるくらいが適量の目安との報告があります。洗濯物を詰め込みすぎるとモーターやベルト、パルセーターに常に過剰な負荷がかかり、通常より早く摩耗・劣化します。
洗剤・柔軟剤は適量を守る
洗剤を入れすぎると溶け残りが洗濯槽に付着し、雑菌が繁殖したりカビの原因になります。メーカーが推奨する計量スプーンや計量カップで規定量を守ることが大切です。
洗濯後は元栓を閉める
元栓が開いていると給水ホースや接続部分に常に水圧がかかり、各パーツの劣化が進みます。旅行などで家を留守にしている間にホースが破損して部屋が水浸しになるリスクも防げるため、使用後は必ず元栓を閉めましょう。
洗濯前にポケットの中身を確認する
硬貨・ヘアピン・ボタンがパルセーターに挟まると故障の原因になります。洗濯物を洗濯槽に入れる前にポケットの中身を確認する習慣をつけましょう。また、汚れがひどい場合は予洗いしてから洗濯機に入れることで、洗濯槽へのダメージを軽減できます。
その他の注意点
洗濯機を屋外に設置していると日光や雨風にさらされ本体が劣化しやすいため、室内設置が推奨されます。防水性の衣類(レインコート・スキーウェア・寝袋)の脱水は控えましょう。大きな音が発生したり、洗濯機が転倒・変形・破損する恐れがあります。引っ越し時は縦向きで運び、ドラム式は輸送用の固定ネジを締めてから運搬することが重要です。また洗う前の洗濯物を洗濯槽に溜めることも避けてください。湿気や雑菌が充満し、カビや雑菌が繁殖します。
洗濯槽のカビ・汚れを防ぐ定期メンテナンス方法
定期的なメンテナンスは、洗濯機の寿命を延ばすうえで欠かせない取り組みです。日々の小さなケアの積み重ねが、故障リスクを大幅に低減します。
洗濯槽の洗浄(月1回が目安)
洗濯槽クリーナーで月1回を目安に洗浄を行いましょう。洗濯槽の裏側には市販の除菌剤では除去しきれない汚れが付着するため、改善しない場合は専門業者への洗濯機クリーニングも有効です。カビ臭いときはまず洗濯槽クリーナーで洗浄し、それでも改善しない場合はカビが内部まで浸食している可能性があります。
糸くずフィルターの掃除
縦型洗濯機の場合は毎回、ドラム式洗濯機の場合は週に1回を目安にフィルターのゴミを取り除いてください。糸くずやほこりが溜まると排水トラブルの一因にもなります。
フタを開けて乾燥させる
洗濯後はフタを開けておき洗濯槽内を乾燥させましょう。フタを閉じたままにするとカビが繁殖するおそれがあります。使用後に乾燥運転する「槽乾燥モード」があれば定期的に使用すると内部の乾燥に効果的です。
洗剤投入ケース・ゴミ取りネット・排水フィルターもこまめに掃除することが大切です。ドラム式洗濯機はパッキンの溝のほこりをタオルで拭き取りましょう。パッキンが破損すると異音が発生します。
排水口・排水ホースの確認
排水口・排水ホースの接続部が緩んでいないか月1回を目安に確認して漏水を予防しましょう。ホースにひび割れや変色が見られたら早めに交換することをおすすめします。防水パンを設置しておくと万一の水漏れでも床への被害を抑えられます。
10年前・20年前の洗濯機と最新モデルの電気代・水道代比較
古い洗濯機を「まだ使えるから」と使い続けている方は、ランニングコストの面で損をしている可能性があります。具体的な数字で比較してみましょう。
電気代の比較
洗濯機だけの電気代なら、10年以上前のものが大体115Wh、最新型のもので68Wh程度とされています。電気代にしても10年前のもので3.5円、最新型は2.1円となり、洗濯のみではそれほど大きな差は出ません。しかし、乾燥まで含めると話が変わります。2006年製と2014年製の洗濯機を比べたところ、毎日洗濯機を回した場合の電気代は年間で約7,300円少なくなるという計算があります。
洗濯から乾燥まで含めると10年以上前と比べて1回あたり24.49円安くなっており、毎日1回すると年間8,938.85円の節約になるとの試算もあります。洗濯〜乾燥まで行う場合の年間電気代は約17,000〜22,000円ほどかかるとされています。
20年前の機種と最新モデルを比較すると消費電力量が約半分になっており、年間の電気代で約679円の差額があるとの報告があります。乾燥方式にも注目が必要で、ヒートポンプ方式はヒーター方式の半分ほどの電力しか消費しません。
水道代の比較
水道代の差はさらに大きくなります。20年前の機種と最新モデルで年間約3,504円もの節約になるとの計算があります。10年前の縦型モデルと比較して20%以上の節水を実現している機種も珍しくありません。
電気代と水道代を合わせると年間で約4,183円お得になるとの試算があり、10年使えば4万円以上の差が生まれます。また、まとめ洗いをする場合と少量ずつ2回洗う場合を比較すると、電気代と水道代を合わせて年間約4,000円の節約になるとの報告があります。
修理と買い替えの判断基準
洗濯機に不具合が生じた際、修理か買い替えかを迷う方は多いでしょう。判断のポイントを整理します。
使用年数で判断する
設計上の標準使用期間(7年)を超えていない場合は修理を検討するのが基本です。7年を過ぎている、または購入から6年目などの場合は修理をしてもまた故障するリスクが高いため、買い替えを検討するのがおすすめです。購入から5年以上経過しており保証期間が過ぎているのであれば、新しく買い替えることも選択肢になります。
修理費用で判断する
シャープのドラム式洗濯機で電源が入らない場合の修理費用は40,700〜55,000円(税込)、縦型洗濯乾燥機・全自動洗濯機で電源が入らない場合は20,900〜35,200円(税込)とされています。脱水・排水できない場合はドラム式11,000〜46,200円、縦型11,000〜30,880円(税込)が目安です。購入から6年を過ぎた機種で5万円以上の修理費用が見積もられた場合、買い替えを検討することが経済的に合理的と言えます。
部品保有期間が過ぎている場合はどうすればいい?
部品保有期間を過ぎているとメーカーでも対応できないことがあります。型落ち品などですでに生産終了になった機種は修理できなくなっていることもあるため、早めに新機種への移行を検討しましょう。
お得な買い替え時期
洗濯機が安く買い替えられる時期として、縦型は5月前後、ドラム式は7月前後に新製品が発売される傾向があり、新商品発売の1カ月前〜直前、あるいは発売直後は旧型が値下げされる可能性が高くなります。また新生活が始まる前の2月後半〜3月もセールでお得に買い替えやすい時期です。家電量販店の中間決算が9月、決算が3月で、その1カ月前くらいからセールが開催される可能性が高いとされています。
寿命を迎えた洗濯機の正しい処分方法
洗濯機は家電リサイクル法(特定家庭用機器再商品化法)の対象で「家電4品目」として指定されており、自治体での粗大ごみ収集は法的に禁止されています。洗濯機・衣類乾燥機では82%以上の再商品化率が義務付けられているとされており、適切な方法で処分する必要があります。
方法1:家電販売店で処分してもらう
新たに洗濯機を購入する際に引き取ってもらえる最もオーソドックスな方法です。リサイクル料金(洗濯機・乾燥機)は2,530円(2022年10月時点)との報告があり、これに収集運搬料金が加わります。設置と同時に古い洗濯機を撤去してくれるため手間が少ない反面、持ち込みより費用がかかることがあります。
方法2:指定引取場所に持ち込む
郵便局で家電リサイクル券を購入してから最寄りの指定引取場所に持ち込む方法です。持ち込みの場合は収集運搬費がかからないのでコストを安く抑えやすいメリットがあります。
方法3:フリマアプリ・リサイクルショップを利用する
動作する洗濯機が対象です。メルカリ・ジモティーなどのフリマアプリやリサイクルショップへ売却することで、処分費用が不要になるだけでなく収益を得られる可能性もあります。
方法4:不用品回収業者に依頼する
洗濯機以外にも不要な家具家電をまとめて回収してもらいたい場合に便利です。ただし、不用品回収業者の中には不法投棄や高額請求をしてくる悪徳業者がいるため注意が必要です。依頼する際は「一般廃棄物処理業」の許可の有無を必ず確認しましょう。無許可業者に依頼すると不法投棄といった法的トラブルの恐れがあり、依頼した側にも刑罰が発生する場合があります。
洗濯機の寿命20年を目指す使い方のまとめ
この記事のまとめです。
- 洗濯機の一般的な寿命は6〜8年とされているが、平均使用年数は約10年であり、こまめなメンテナンスと適切な使い方を意識することで20年以上の使用も不可能ではない
- メーカーが定める「設計上の標準使用期間」は7年、部品保有期間は製造終了後6年が基準となっている
- 縦型とドラム式の寿命に明確な差はないが、乾燥機能を使用するドラム式の方が故障リスクが高くなる要素が多い
- 「焦げ臭い」「異音がする」「電源コードの発熱・変色」「操作パネルの不具合」などは寿命を知らせる重要なサイン
- 複数の症状が同時に現れた場合は限界が近いため、早めに修理または買い替えを検討する
- 洗濯物は容量の7〜8割に抑え、洗剤は適量を守り、使用後はフタを開けて乾燥させることが長持ちの基本
- 月1回の洗濯槽クリーナーでの洗浄、糸くずフィルターの定期掃除、排水ホースの点検が寿命延長に直結する
- 購入から6年を過ぎた機種で5万円以上の修理費用が見積もられた場合、買い替えの検討が経済的に合理的
- 20年前の機種と最新モデルでは電気代・水道代を合わせると年間約4,183円お得になる計算で、10年では4万円以上の差となる
- 洗濯機は家電リサイクル法の対象品目のため、自治体の粗大ごみには出せず、家電販売店・指定引取場所・許可業者を通じて処分する必要がある
- 使用年数と修理費用を天秤にかけ、最新モデルの省エネ性能も考慮して賢く判断することが大切
- 縦型は5万円〜、ドラム式は15万円〜が洗濯機の価格相場の目安として参考になる

