脱水になると洗濯機がガタガタ揺れて、音も大きくて不安になります。多くは洗濯物の片寄りや本体のガタつき・水平ズレ、排水の状態など、家庭で見直せる原因で起きます。
一方で、設置直後の輸送用固定ボルト(包装用ボルト)の外し忘れ、異物の噛み込み、排水不良が絡むと、放置すると危険につながることもあります。
この記事では、家庭用の縦型・ドラム式洗濯機を対象に、脱水ガタガタの直し方を原因別に整理し、まず自分でできる安全なチェック手順から、改善しないときの修理相談の判断までまとめます。
- 脱水のガタガタは、衣類の片寄り・設置のガタつきや水平ズレ・排水状態が関係することが多い
- 直し方は、停止して安全確保→衣類をほぐして均等→量や種類を見直す→水平と脚調整→固定ボルト確認の順が近道
- 設置直後・引っ越し直後は、輸送用固定ボルト(包装用ボルト)の外し忘れも要確認
- 改善しない場合は、症状と試したことを整理して早めに相談する
洗濯機の脱水ガタガタ直し方①
- まずは安全に停止する
- 衣類の偏りを直す
- 洗濯物量と素材を見直す
- 設置の水平・脚を調整
- 固定ボルトの有無確認
まずは安全に停止する

脱水中のガタガタは、回転が上がるほど本体が動いたり、壁・洗面台・防水パンの縁などに当たって音が増幅したりしやすい症状です。まずはスタート/一時停止で運転を止め、ふた(ドア)が開けられる状態になってから中を確認してください。
揺れている本体を無理に押さえつける、動いている洗濯機の下に手を入れる、濡れた手で電源まわりに触れる、といった行動は避けます。点検や掃除で排水口・フィルターに触れる可能性があるなら、電源を切ってから作業するほうが安全です。
次に、音と動きのタイプを切り分けます。
- 洗濯機そのものが大きく揺れている(歩くように前へ出る)
- いつもより当たり音が大きい(壁・家具・ホースやコードが当たっている)
- カラカラ、カチャカチャなど異物っぽい音が混じる
- 脱水がやけに長い、ゴボゴボ音がする、排水が遅い感じがある
この切り分けをしておくと、次の対策が早く決まります。なお、メーカーの案内でも、衣類の片寄り・本体のガタつきや傾き・排水の状態によって一時的に振動やガタガタ音が出る場合があるとされています。
衣類の偏りを直す

脱水のガタガタで最初に疑いたいのが、洗濯槽の中で洗濯物が一方向に寄る片寄りです。衣類が一部分に片寄ると洗濯槽のバランスが悪くなり、異常音や振動が出やすくなります。
止めたら、洗濯物をいったんほぐし、できるだけ均等に、平らになるように入れ直します。ドーナツ状に整えると脱水しやすいと案内している例もあります。
片寄りを起こしやすい典型パターンは次のとおりです。
- シーツやタオルケットなど大物・厚手が多い
- 洗濯ネットに衣類を詰め込みすぎて、ネットの中で塊になる
- 洗濯ネットだけで回している
- 重い衣類が一箇所に集まりやすい入れ方になっている
メーカーの案内でも、洗濯ネットに衣類を詰め込まない、ネットの使用数を増やしすぎない、ネットだけで洗濯しないといった注意が示されています。
大物が1枚だけで暴れるときは、無理に回し続けるより、いったん止めて小物を足して重さを分散させる、または洗い方を変えるほうが安定しやすいです。
なお、脱水中にすすぎに戻る、脱水をやり直す、といった動きが出る機種もあります。衣類の片寄りを補正する運転として説明されている例があり、片寄りが強いと補正運転を繰り返すことがあります。
頻繁に起きるなら、入れ方のクセが残っているサインなので、ほぐし方と量の見直しまでセットで行うのが効果的です。
洗濯物量と素材を見直す

片寄りを直しても収まらないときは、洗濯物の量と種類を見直します。衣類が多すぎると動けずに偏りが固定されやすく、逆に少なすぎても一部が塊になって重心が偏りやすくなります。取扱説明書の定格容量を超えていないか、極端に少ない量で回していないかを確認してください。
特に、厚手の衣類が多い回は、からみやすく片寄りやすくなります。パナソニックの案内でも、大物や厚手が多い場合は量を減らしてからみをほぐすよう示されています。
素材面で注意したいのが、防水性の衣類やシート、厚くて固いマット類です。防水性のものは水を通しにくく、脱水でアンバランスになりやすいとして注意喚起されており、洗濯機で洗えないものとして挙げているメーカー例もあります。
具体例として、サウナスーツ、雨ガッパ、釣具用の上着・ズボン、スキーウェア、寝袋、ウェットスーツ、自転車・バイク・自動車のカバーなどが例示されています。
また、マット類なども同様で、特に厚くて固いものは洗濯機で洗える表示があっても洗わないでくださいという案内もあります。
迷う場合は、洗濯表示と取扱説明書の注意事項を優先し、洗濯機での脱水を避けるのが安全です。
設定で揺れを抑えられる機種もあります。たとえばドラム式は構造上、振動が床に伝わりやすいとして、低振動モードのような設定を案内している取扱説明書もあります。
設定名や効き方は機種ごとに違うので、操作パネルや取扱説明書で振動・騒音を抑える設定がないか確認し、まずは試運転的に短時間で様子を見ると安心です。
設置の水平・脚を調整

衣類側を整えてもガタガタが続くなら、次は設置の見直しです。洗濯機が水平でないと洗濯物が片寄り、振動が大きくなることがあるとメーカーサポートで説明されています。
確認はシンプルで、本体の対角の角を交互に押して、ガタつき(脚が浮く感じ)がないかを見ます。ガタつくなら脚の高さ調整が必要です。
水平確認は、水準器(気泡)を使うのが確実です。気泡が円の内側に入っていれば水平、外れていれば調節脚や付属の脚キャップなどで調整する方法が案内されています。
調整後は、ナットがあるタイプなら緩み止めとしてしっかり固定します。ナットが緩んでいると、脱水の振動で再びズレやすくなります。
床側も要注意です。キャスター付きの台、ブロックや角材の上など不安定な場所、防水パンの縁(アール面)に脚がかかった状態は、揺れの原因として挙げられています。
まずは脚が4点で確実に接地している状態を作り、そこから水平を追い込みます。防振マットを使うのは、その後でも遅くありません。
固定ボルトの有無確認

ドラム式を中心に、設置直後や引っ越し後に突然ガタガタが出た場合は、輸送用固定ボルト(包装用ボルト)が付いたままの可能性があります。輸送用固定ボルトが付いたまま運転すると、振動が大きくなったり本体が動いたりして危険だと、据付説明書で注意喚起されています。
また、よくある質問でも、背面の包装用ボルトが取り付けられたままではないか確認し、付属の工具で外すよう案内されています。
外したあとに穴をふさぐカバーを取り付ける、外したボルトは転居などで必要になるので保管する、といった点も据付説明書で示されています。
外し方や位置は機種で異なるため、自己流で工具を当てず、必ず据付説明書の手順に沿ってください。設置直後の強い振動は、衣類の入れ方より据付の問題であることも多いので、設置業者や購入店に相談する判断も早めに行いましょう。
洗濯機の脱水ガタガタ直し方②
- 防振マットと床の対策
- 排水経路のねじれ確認
- 異物・糸くずフィルター
- こんな症状は修理相談
- 依頼前に準備する情報
防振マットと床の対策

水平を出してガタつきをなくしても、床そのものがたわむ環境だと、脱水の揺れが残ることがあります。木造の2階や古い床などで床が一緒に震える感覚があるなら、防振マットや防振ゴム、かさ上げ台などの対策が効く場合があります。
ただし、メーカーの案内では、防振ゴムの効果は設置状況によって異なるとして、販売店や修理相談窓口への相談を促している例があります。
まずは水平とガタつきの解消が先で、その上で補助として使うのが基本です。
防振アイテム選びで重要なのは、柔らかすぎて沈み込み、結果的に水平が狂わないことです。置いた直後は良くても、数回回すうちにマットが馴染んで傾きが出ることがあります。設置後は、もう一度水準器で水平を確認し、必要なら脚調整をやり直してください。
また、壁や家具との距離が近すぎると、正常な振動でも接触音がガタガタと大きく聞こえます。ホースの取り回しに無理がない範囲で、側面・背面に少し隙間を作るだけで改善することがあります。
夜間に音が気になる家庭では、運転時間をずらすのが確実です。難しい場合は、機種によって低振動モードのような設定が用意されていることがあるので、まずその設定で変化が出るか確認するとよいです。
排水経路のねじれ確認

意外と多いのが、排水がスムーズに流れず、衣類に水分が多い状態で脱水に入ってアンバランスになりやすいケースです。排水ホースがねじれている、潰れている、途中で不自然に持ち上がっている、といった状態がないか確認してください。
東芝の案内では、排水の流れが悪いと脱水開始時の衣類に含まれる水の量が増えてアンバランスになりやすいと説明されています。
排水口側の汚れや詰まりも、排水不良の原因になります。排水口や配管にゴミがたまり水の流れが悪くなる可能性があるとして、排水口のお手入れを案内しているメーカー例もあります。
ただし、排水まわりは水がこぼれやすい場所です。作業前に電源を切る、タオルやバケツを用意するなど、濡れと感電のリスクを減らしてから取りかかってください。
衣類と水平を整えても改善しない場合、排水経路は第三のチェックポイントとして優先度が高いです。排水が遅い、脱水が長い、エラーが出やすい、といった症状がセットなら、ホースの引き回しと排水口の清掃を見直しましょう。
異物・糸くずフィルター

ガタガタ音が振動というより、カラカラ、カチャカチャと「何かが当たる音」に近いなら、異物の混入や噛み込みを疑います。日立の案内では、ヘアピンなどの小物が槽の穴やかくはん翼に落ちた場合、排水で流れる可能性はある一方、運転時にいつもと違う音がする場合は点検が必要として相談を促しています。
また、硬いものが挟まって取れないときに無理に取り出そうとすると、故障やけがにつながる可能性があるため、相談するよう示されています。
まず自分でできる範囲は次のとおりです。
- ポケットの中身を確認し、硬貨・ヘアピン・小物がないかチェックする
- 槽の見える範囲に異物がないか目視する
- ファスナーや金具が槽に当たっていないか、衣類の向きや入れ方を整える
加えて、糸くずフィルターや排水フィルターの目詰まりも確認します。排水フィルターには排水時に出たゴミがたまるため、定期的なお手入れが必要で、目安として週1回を挙げているメーカー案内もあります。
お手入れを忘れると目詰まりして水の流れが悪くなる原因になるとされているため、排水が遅い・脱水が長いと感じるときは、取扱説明書の手順に従って掃除しましょう。
異物が見つからないのに異音が続く、フィルターを掃除しても変わらない、そもそも異物が挟まって取れない、といった場合は無理に分解しないのが安全です。症状の出方をメモして、購入店やメーカーサポートへ相談するほうが結果的に早く解決します。
こんな症状は修理相談

ここまでの直し方を試しても改善しない場合、機械側の不具合や部品の劣化の可能性が上がります。次のような症状があるなら、早めに購入店やメーカーサポートへ相談してください。
- 水準器で水平を出しても本体が歩くように移動する
- 脱水のたびに異常な金属音・異物音が続く
- 片寄りを直しても毎回止まる、補正運転が頻発する
- 水漏れ、焦げたようなにおい、異常な発熱を感じる
- いつもより明らかに振動が強くなり、短期間で悪化している
メーカーの案内でも、本体にガタつきがあると脱水時の振動が大きくなり、場合によっては異常振動と判断して脱水を途中で止める可能性があると説明されています。
止まること自体が故障確定とは限りませんが、頻度が増えたり音が鋭くなったりするなら、自己判断で使い続けないほうが安全です。
相談先は、保証の状況で変わります。メーカー保証や販売店の延長保証に加入している場合は、まず保証書や購入履歴を確認し、案内された窓口へ連絡すると手続きがスムーズです。
依頼前に準備する情報

修理や相談をスムーズにするために、連絡前に次の情報を整理しておくと話が早いです。
- 機種の品番(本体の銘板や取扱説明書に記載)と購入時期
- 症状のタイミング(脱水の立ち上がりだけ、高速回転で強い、特定の衣類のときだけ、など)
- エラー表示の有無(出る場合は表示内容)
- これまでに試した対策(入れ直し、水平調整、ホースのねじれ修正、フィルター清掃など)
可能ならスマホで短い動画を撮っておくと、音や揺れの種類が伝わりやすく、一次切り分けが早くなります。
また、現場対応になる場合に備えて、洗濯機の周囲を片付けておくのも大切です。排水口や排水ホース、脚が見える状態にしておくと点検が進みやすくなります。排水フィルターや排水口の作業では残水が出ることがあるため、雑巾・バケツの準備もしておくと安心です。
最後に、設置環境の情報も重要です。防水パンの有無、床材、壁との距離、防振マットやかさ上げ台の使用などは、再発防止の手がかりになります。相談時に言語化できるようメモしておきましょう。
参考:症状別の簡易チェック表
| 見え方・聞こえ方 | まず疑う原因 | 先にやる直し方 |
|---|---|---|
| 立ち上がりでドンと揺れる | 衣類の片寄り | 一時停止→ほぐして均等に |
| ずっと揺れが大きい | 設置のガタつき・水平ズレ | 水準器→脚調整→固定 |
| 設置直後から激しく揺れる | 輸送用固定ボルト残り | 据付説明書で確認 |
| 脱水が長い・排水が遅い感じ | 排水経路の問題 | ホースのねじれ修正/排水口・フィルター清掃 |
| カラカラ・カチャカチャ当たる音 | 異物混入・噛み込み | ポケット確認→見える範囲の点検→無理なら相談 |
総括:洗濯機の脱水ガタガタ直し方の結論
この記事のまとめです。
- まず運転を止めて安全を確保するのが最優先です
- 脱水のガタガタは、衣類の片寄り・設置のガタつきや水平ズレ・排水状態が関係することが多いです
- 洗濯物はほぐして均等に、平らになるように入れ直すのが基本です
- ドーナツ状に整えると脱水しやすい場合があります
- 大物が多い、ネットに詰め込みすぎる、ネットだけで回すと片寄りやすくなります
- 防水性の衣類やシート、厚くて固いマット類はアンバランスになりやすく、洗濯できないものとして注意喚起されています
- 衣類側で改善しないなら、脚のガタつき確認と水準器での水平確認を行い、調整後は緩み止めを固定して再発を防ぎます
- 床がたわむ環境では防振対策が効く場合がありますが、効果は設置状況で変わるため、まず水平とガタつき解消が先です
- 排水ホースのねじれ・潰れ・引き回し不良や、排水口・フィルターの目詰まりは排水を悪化させ、脱水のアンバランスにつながることがあります
- 設置直後や引っ越し直後の強い振動は、輸送用固定ボルト(包装用ボルト)の外し忘れも必ず確認します
- 改善しない強い振動や金属音、止まる頻度の増加などがある場合は早めに修理相談し、品番・症状・試した対策を整理して伝えるとスムーズです

