ドラム式洗濯機の槽洗浄|頻度・洗浄剤・時間と正しいやり方

ドラム式洗濯機の槽洗浄|頻度・洗浄剤・時間と正しいやり方

ドラム式洗濯機の槽洗浄は、汚れを予防するお手入れか、すでに出ている汚れ・においへの対処かを分けて考えると、洗浄剤とコースを選べます。たとえばパナソニックは、黒カビ予防には衣類用塩素系漂白剤、茶褐色・黒い汚れやにおいが気になる場合には専用の洗濯槽クリーナーを案内しています。

ただし、頻度や使える洗浄剤、投入するタイミングは一律ではありません。この記事ではメーカー公式の案内をもとに、選び方と操作の具体例を説明します。ご自宅の取扱説明書を見るときは、「槽洗浄」のページで目的・洗浄剤・時間・投入タイミングをセットで照らし合わせてください。

この記事のポイント
  • 予防と汚れ・におい対策の使い分け
  • メーカー・機能別の槽洗浄頻度
  • 機種に合う洗浄剤と投入タイミング
  • 運転表示と残るにおいへの対処
目次

ドラム式洗濯機の槽洗浄|頻度・洗浄剤・時間の選び方

槽洗浄は何のため?予防と汚れが出たときで分ける

槽洗浄は何のため?予防と汚れが出たときで分ける

槽洗浄は、衣類を入れずに洗濯槽をお手入れする運転です。パナソニックは、洗剤の溶け残りや衣類の汚れが槽に付着すると、カビの栄養分になり、黒カビの発生につながると説明しています。衣類を洗う普段の運転とは別に、槽そのもののお手入れが必要になる理由です。パナソニックの黒カビ予防FAQ

まだ汚れが目立たない段階では、メーカーが指定する間隔で予防のお手入れを行います。一方、洗濯物に茶褐色・黒い汚れが付く、洗濯機からにおいがする場合は、黒カビが発生している可能性があります。パナソニックは、この場合に専用クリーナーを使った槽洗浄を案内しています。

日立でも、定期的なお手入れと、汚れ・においが気になるときではコースが分かれます。「いつもの予防コースを回す」のか、「汚れに対応する念入りなコースを選ぶ」のかを、最初に決めましょう。においだけで黒カビと断定せず、洗浄後も残る場合はパッキンや排水側にも目を向けます。

槽洗浄の頻度は?自動おそうじの有無も判断材料

「ドラム式は月1回」と覚えるより、メーカーと搭載機能に合わせることが大切です。パナソニックの黒カビ予防と、日立の定期的なお手入れでは、次のように目安が異なります。

メーカー・対象のお手入れ頻度の目安条件
パナソニック:衣類用塩素系漂白剤による黒カビ予防月に1回程度対応する槽洗浄コースを使用
日立:槽洗浄3時間コース3〜4か月に1回程度洗濯槽自動おそうじを継続使用している場合
日立:槽洗浄3時間コース1〜2か月に1回程度洗濯槽自動おそうじを継続使用していない場合
日立:槽洗浄4時間コース(らくメンテ洗浄)3〜4か月に1回程度同コースの搭載機種

自動おそうじ機能があっても、定期的な槽洗浄の案内はあります。日立の3時間コースでは、機能を搭載しているだけでなく、継続して使用しているかで間隔が変わる点に注目してください。設定を切っている場合まで、長いほうの間隔を当てはめることはできません。日立の槽洗浄案内

また、パナソニックの専用クリーナーの「年1回が目安」という案内は、衣類用塩素系漂白剤で行う月1回の予防とは別です。使用環境によって年1回以上必要な場合があり、黒カビが発生したら時期にかかわらずクリーナーで槽洗浄するよう案内されています。年間のお手入れを1回だけに減らす意味ではありません。

洗浄剤は塩素系?酸素系?ドラム式でも機種差がある

洗浄剤は「ドラム式対応」という表示に加え、洗濯機側が指定する種類も確かめて選びます。衣類用の漂白剤、台所用の漂白剤、洗濯槽クリーナーを、同じように使えるとは考えないでください。

パナソニックの予防用FAQは、衣類用塩素系漂白剤を案内する一方、台所用塩素系漂白剤や酸素系漂白剤は使わないよう注意しています。

公式案内の対象洗浄剤に関する案内選ぶときの注意
パナソニック:黒カビ予防の槽洗浄衣類用塩素系漂白剤台所用塩素系漂白剤・酸素系漂白剤は使用しない
日立:BD-SW120Kの槽洗浄指定された洗濯槽クリーナーや衣料用塩素系漂白剤など酸素系洗濯槽クリーナー、酸素系漂白剤、台所用漂白剤は使用しない
AQUA:公式FAQの「槽洗浄」点滅時のお手入れ(2022年以降発売モデル対象)市販の酸素系洗濯槽クリーナー(ドラム用)案内された対象モデル・コースの条件で判断

酸素系を使わない理由として、日立のBD-SW120Kのガイドは、酸素系洗濯槽クリーナーでは汚れが残る場合があると説明しています。また、酸素系漂白剤や台所用漂白剤は、多量の泡による故障や水漏れの原因になるとしています。

一方で、AQUAには表のような案内もあるため、「ドラム式はすべて酸素系禁止」と一般化せず、手元の機種の指定を優先しましょう。AQUA公式FAQ

パナソニックのドラム式で、茶褐色・黒い汚れやにおいに対処する具体的な用品には、「ドラム式洗濯機用洗濯槽クリーナー(塩素系) N-W2」があります。容量は1回分750mL。液体タイプは1本分すべてを使う案内です。

予防用の衣類用塩素系漂白剤約200mLと、専用クリーナーの全量使用を混同しないようにしてください。

何時間かかる?短時間コース・槽洗い・槽乾燥との違い

何時間かかる?短時間コース・槽洗い・槽乾燥との違い

槽洗浄には数時間から11時間かかるコースがあり、短いコースほど同じ作業を急いで行うとは限りません。定期洗浄、念入りな洗浄、糸くずの洗い流し、湿気対策では目的が違います。

時間だけで選ばず、コース名と用途を組み合わせて見てください。

メーカー・コースの例時間主な用途・違い
パナソニック:槽洗浄6時間または11時間に設定できる機種あり漂白剤を使う黒カビ予防など
パナソニック:約30℃槽洗浄約3時間温水を使って通常の槽洗浄と同等の効果で時間を短縮
日立:槽洗浄3時間/4時間各コース名の時間定期洗浄。4時間のらくメンテ洗浄は乾燥経路も洗浄
日立:温水槽洗浄2時間/槽洗浄11時間各コース名の時間汚れ・においが気になるときの念入りな洗浄
日立:槽洗浄15分(槽洗い)15分クリーナーを使わず、汚れや糸くずを短時間で洗い流す

日立が案内する温水2時間と11時間のコースは、洗浄効果は同じです。ただし、温水2時間のほうが消費電力は増えます。対応機種で「短時間で済ませたいか、時間をかけるか」を選ぶ際の違いです。15分の槽洗いを、汚れ・においに対する念入りな洗浄の代わりにはしないでください。

洗浄剤不要のお手入れにも種類があります。パナソニックでは「槽乾燥」は湿気対策、「約60℃槽カビクリーン」はカビ予防として案内されています。後者は対応機種の専用コースで、漂白剤などを入れる手順ではありません。「洗浄剤を使わない」という点だけで、槽乾燥と同じ役割にまとめないことが大切です。

ドラム式洗濯機の槽洗浄のやり方と困ったときの対処

始める前に衣類・フィルター・洗浄剤の注意を確認

まず衣類をすべて取り出します。パナソニックの槽洗浄FAQでは、排水フィルターや糸くずフィルターのごみをあらかじめ取り除き、セットしておくことも準備に挙げています。洗浄剤を開ける前に、使うコースと指定量、投入のお知らせの有無まで見ておきましょう。

フィルター掃除は、槽内に水が残ったまま取り外してよい作業ではありません。パナソニックは、運転中の取り外しによって多量の水やお湯があふれ出るおそれを注意しています。フィルターの取り外し方や排水方法は、その機種の手順に従ってください。

  • 洗浄剤を使う際は十分に換気し、容器の使用上の注意を読む
  • パナソニックの洗浄剤を使うお手入れでは、ゴム手袋を着用する
  • 塩素系クリーナーを酸性タイプの製品と混ぜない
  • パナソニックのクリーナーは、入れたまま24時間以上放置しない

浄化槽へ排水する家庭には、パナソニックから別の注意もあります。同社FAQでは、N-W2を750mL使用する場合、槽洗浄の残り時間表示が1時間になったら、ハイポ(塩素中和剤)100gを入れて中和するよう案内しています。他の洗浄剤へ量を流用せず、使用する製品に対応した案内を確認してください。

専用クリーナーの公式FAQ

槽洗浄の基本手順|洗浄剤は指定のタイミングで投入

ここでは、パナソニックのFAQにある「衣類用塩素系漂白剤を使った黒カビ予防」を例にします。専用クリーナーや別メーカーにも、そのまま同じ量・タイミングを当てはめる手順ではありません。

  1. 衣類を入れずに電源を入れる
  2. 「槽洗浄」または対応する「約30℃槽洗浄」を選び、スタートする。時間設定できる槽洗浄は6時間か11時間にする
  3. ドラム式は給水が始まって約1分したら一時停止し、ドアを開けて衣類用塩素系漂白剤約200mLを入れる
  4. ドアを閉め、「スタート/一時停止」を押して再開する
  5. つけおき洗い・すすぎ・脱水が進み、終了のブザーが鳴るまで運転する

洗浄剤を入れる場所も重要です。日立のBD-SW120Kでは、「槽洗浄クリーナー」の表示が点滅したら、ドアを開けてドラム内へ直接入れ、ドアを閉めて再スタートします。表示が出たら60分以内に操作する案内なので、長時間のお手入れでも、投入を済ませるまでは表示を見られる時間に始めましょう。

BD-SW120Kの槽洗浄ガイド

同機種では、洗浄剤を先に入れないよう注意されています。ドラム内に3L以上の水が入った状態でスタートすると、いったん排水してから運転が始まるためです。日立には投入のお知らせがない機種もあり、その場合は給水開始後すぐに一時停止する案内があります。投入表示の有無によっても操作が分かれます。

終了後はフィルターとパッキンもお手入れ

終了後はフィルターとパッキンもお手入れ

槽洗浄が終わったら、フィルターにたまったごみも取り除きます。パナソニックは終了後に排水フィルターや糸くずフィルター、排水口もあわせて手入れするよう案内しています。日立のBD-SW120Kでも、槽洗浄後に糸くずフィルターのお手入れが必要です。

ドアまわりは、槽洗浄とは別に拭き掃除をします。パナソニックは窓パッキングの周囲や、めくった裏側の糸くず・髪の毛・水気を、柔らかい布で毎回拭き取るよう案内しています。裏側の水抜き穴にごみが詰まると、においや水漏れの原因になるため、見える場所の付着物も残さないようにしましょう。

シャープも、ドラム内やパッキン部分は、水を含ませて固く絞った柔らかな布で拭く方法を案内しています。槽洗浄の運転と、手の届く部分の拭き取りを組み合わせるお手入れです。シャープのドラム式お手入れ案内

日常の湿気対策も、メーカーにより目安が異なります。パナソニックは週1回の槽乾燥、日立はドラム式で洗濯運転終了後に毎回の槽乾燥を勧めています。

普段は洗濯だけで終える家庭では、取扱説明書にある槽乾燥の案内もあわせて見てください。

長い・止まって見える・途中で排水するときは?

長時間コースでは、ドラムがずっと回り続けるわけではありません。日立の公式案内では、給水・かくはんの間に動いたり止まったりを繰り返します。11時間コースは残り9時間59分になるまで横棒の表示になるため、数字が出ないことだけで故障とは判断できません。

パナソニックも、残り時間が9時間50分以上、機種によっては99分以上あると「- -」と表示される場合があると説明しています。表示できる時間に上限があるためです。まず選んだコースの長さと、取扱説明書にある表示の意味を照らし合わせましょう。

反対に、途中で排水して短時間で終わる場合は、洗浄剤の種類を見直す必要があります。パナソニックは、泡が多すぎると泡検知センサーが異常を検知し、運転途中でも排水して泡を除去すると説明しています。予定より早く終わったからといって、十分に洗浄できたとは限りません。途中排水に関する公式FAQ

パナソニックの洗濯槽クリーナー(N-W1、N-W1A、N-W2)、または衣類用塩素系漂白剤を使用しているのに、途中排水して槽洗浄が短時間で終了する場合は、泡検知センサーの異常が考えられると案内されています。この場合は購入した販売店またはパナソニック修理ご相談窓口へ点検・修理を依頼します。

槽洗浄してもにおいが残るときに見る場所

槽洗浄してもにおいが残るときに見る場所

槽洗浄後もにおいが気になる場合は、においの種類と発生場所を分けます。パナソニックは、カビ臭い・生臭い場合のお手入れとして、槽洗浄に加えて窓パッキングの拭き取りを案内しています。衣類がにおう場合には、洗剤不足で汚れが落ちていない、洗剤が多すぎてすすぎ不足、柔軟剤が多すぎるといった可能性も挙げています。

下水のようなにおいでは、排水口や排水フィルターが原因として考えられます。排水トラップは、配管の一部に水をためて、においの逆流を防ぐ構造です。その水がなくなると、においが上がる可能性もあります。槽の汚れと決めつけて洗浄を繰り返す前に、排水側のお手入れも検討してください。

相談先も症状によって変わります。パナソニックは、槽やパッキンの手入れ、洗濯方法の見直しでもイヤなにおいが改善しない場合には、販売店または修理相談窓口への点検・修理依頼を案内しています。

一方、下水臭が排水側のお手入れでも改善しない場合は、排水の流れが悪い可能性があるとして、水道業者などへの相談を挙げています。におい別の公式対処案内

茶褐色・黒い汚れが続く場合も、予防用の手入れだけで済ませず、汚れが出た場合の専用クリーナーとコースを選び直しましょう。すでに指定のお手入れを行ってもにおいが改善しないなら、次は点検・相談の段階です。洗浄剤の種類や量を自己流で変えるより、機種に合った対処へ進めてください。

ドラム式洗濯機の槽洗浄のまとめ

この記事のまとめです。

  • 槽洗浄は、黒カビ予防と、汚れ・においが出た場合の対処を分けて選びます。
  • パナソニックは、衣類用塩素系漂白剤による黒カビ予防を月1回程度案内しています。
  • 日立の槽洗浄3時間コースは、自動おそうじの継続使用時は3〜4か月、継続使用していない場合は1〜2か月に1回程度が目安です。
  • パナソニック専用クリーナーの年1回という目安は、月1回の予防とは別で、使用環境や黒カビの発生によって追加のお手入れが必要です。
  • 洗浄剤は機種の指定を優先します。AQUAの対象モデルには、ドラム用の酸素系クリーナーを使う公式案内もあります。
  • 短時間の槽洗い、槽乾燥、念入りな槽洗浄は目的が異なるため、所要時間だけで代用を判断しません。
  • 開始前は衣類を取り出し、フィルターのごみを除去。洗浄剤の換気・保護・混用禁止などの注意も守ります。
  • 投入する量とタイミングは機種・洗浄剤で異なります。漂白剤約200mLと専用クリーナーの全量使用を混同しないようにしましょう。
  • 終了後はフィルターやドアのパッキンもお手入れ。長時間コースでは、停止と回転の繰り返しや横棒表示がある場合もあります。
  • 途中排水して槽洗浄が短時間で終わる場合、パナソニックのN-W1・N-W1A・N-W2または衣類用塩素系漂白剤を使用しているなら、販売店や同社の修理相談窓口へ点検・修理を依頼します。残るにおいは症状別にお手入れし、改善しない場合は、カビ臭さ・生臭さなら販売店や同社の修理相談窓口、下水臭さなら水道業者などへ相談します。
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この記事を書いた人

こんにちは!
「洗濯機のミカタ」を運営している ミカちゃん先生 です。

家電量販店での勤務経験と、洗濯機オタクな日常から得た知識を活かして、
「どの洗濯機を選べばいいの?」「この機能って何?」といった疑問に
やさしく、分かりやすくお答えしていきます。

ドラム式か縦型か、メーカーの違い、実際の使用感など、
洗濯機にまつわる情報をたっぷりお届けしていきますので、
あなたの洗濯機選びに、少しでもお役に立てればうれしいです♪

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