洗濯機の振動防止は何から?脱水の揺れ対策と防振ゴムの選び方

洗濯機の振動防止は何から?脱水の揺れ対策と防振ゴムの選び方

洗濯機の振動を防止するには、まず衣類の偏り、設置の水平、排水の状態を確認しましょう。防振ゴムやマットは床へ伝わる振動音の対策になりますが、原因に合わせた使い分けが必要です。脱水のたびにガタガタする場合と、設置直後から大きく揺れる場合を分けて、確認の順序と用品の選び方を紹介します。

この記事のポイント
  • 衣類の偏り・水平・排水から始める振動対策
  • 防振ゴムが軽減できる音と効果の限界
  • 寸法・耐荷重・機種の据付条件による用品選び
  • かさ上げ台の注意点と点検を相談する目安
目次

洗濯機の振動防止は原因の確認から

脱水時に揺れるなら衣類の偏り・量・ネットを見直す

脱水時に揺れるなら衣類の偏り・量・ネットを見直す

脱水時の大きな揺れで、最初に見たいのが洗濯物の偏りです。衣類が一か所に集まると槽のバランスが悪くなり、振動や異常音につながります。パナソニックは、ドラム式で脱水の回り始めに一時的に振動したり、ガタガタ音がしたりする場合は、異常ではないこともあると説明しています。

音がしただけで故障と決めず、衣類の状態も見ていきましょう。

パナソニックの縦型洗濯機の案内では、運転を一時停止し、絡んだ衣類をほぐして、できるだけ均等で平らな状態にするよう勧めています。縦型はドーナツ状に広げる入れ方。日立も、縦型はドーナツ状、ドラム式はドラム内に均一に広げるよう案内しています。縦型の入れ方を、そのままドラム式へ当てはめないことが大切です。

衣類の状態パナソニックのドラム式FAQでの対処
少なすぎるバスタオルを1〜2枚追加して洗濯する
容量を超えている分け洗いする
シーツやジーンズなど、大物・厚手のものを単独で洗っているほかの洗濯物を2〜3枚追加する
大物・厚手のものを多く入れている量を減らして分けて洗う
洗濯ネットが衣類で膨らんでいる詰め込みを避け、2〜3個のネットに分ける

「揺れるから洗濯物を減らす」と一律に考えると、少量すぎる場合には合いません。パナソニックのドラム式FAQでは、衣類が少なすぎると槽の内側に張り付き、バランスを取りにくくなるとしています。一方、大物をたくさん入れた場合は減らす案内です。

ネットに入れた衣類だけで洗う場合も偏りやすいため、量とまとまり方をセットで見直します。

ただし、量の調整より先に、洗えるものかどうかの確認が必要な衣類もあります。日立は、防水性の衣料や裏がゴムになっているマットなど、水が浸透しないものの洗濯・脱水を控えるよう案内しています。パナソニックも防水性のシートや衣類などを洗濯できないものに挙げています。

こうしたものを、防振マットを敷いて洗うという対処にはしないでください。

設置直後や引っ越し後は水平と輸送用ボルトを確認する

洗濯機が水平に設置されていないことも、振動や音の原因になります。日立のドラム式FAQでは、水準器の気泡が円の内側に入っているかを確認する方法を紹介しています。衣類の入れ方を変えても揺れる場合や、設置場所を変えてから気になる場合は、本体の水平を確認する段階です。

パナソニックの縦型FAQでは、水準器がない場合、天面の対角にあるコーナーを交互に押して脚のガタつきを確認するよう案内しています。ドラム式のFAQにも同じ確認方法があります。水平の確認と、脚がガタついていないかの確認を行い、調整が必要かを判断します。

ガタつきがある場合の作業は、機種の案内に従いましょう。パナソニックはドラム式の脚の調整について、前脚を少し浮かす作業などが必要で、手や指を挟む恐れがあるため、販売店または施工業者へ依頼するよう案内しています。家庭で状態を確認するところと、本体を持ち上げて調整するところは分けて考えてください。

設置直後や引っ越し後のドラム式では、輸送用ボルトも確認項目です。日立によると、購入時には背面に輸送用ボルトが装着されており、外さずに運転すると振動や騒音が大きくなります。確認方法は、その機種の据付説明書に従う必要があります。防振用品を追加する前に、設置を担当した業者へ取り外し状況を確かめましょう。

衣類と設置に問題がなければ排水の状態も確認する

衣類と設置に問題がなければ排水の状態も確認する

振動対策では、排水の状態も見落とせません。パナソニックは、排水が不十分だと槽の間に水が残り、脱水槽の回転バランスが崩れて振動が大きくなると説明しています。縦型・ドラム式のどちらのFAQでも、排水口や排水ホースの確認を案内しています。

縦型では、排水口へのゴミの蓄積や、排水ホース内にたまった糸くずなどが確認項目。ドラム式の案内では、これらに加えて排水フィルターのお手入れも挙げられています。衣類の量を変えても振動が続くなら、普段のお手入れで確認できる排水部分も、機種の説明書に沿って点検しましょう。

パナソニックのドラム式FAQで示されている排水フィルターのお手入れ目安は、週に1回です。ゴミがたまって目詰まりすると、水の流れが悪くなる原因になります。これは同社のドラム式についての案内なので、別メーカーや別の構造のフィルターへ、そのまま頻度や作業方法を当てはめないでください。

排水口が本体の真下にあって届かない場合は、無理に洗濯機を動かして掃除する必要はありません。パナソニックは、自分で本体を動かせない場合、清掃業者や住宅管理会社などへ相談するよう案内しています。詳しい案内は、同社の排水口のお手入れFAQで確認できます。

対応機種なら脱水の振動・音を抑える設定を使う

衣類や設置状態を確認したうえで、運転設定による対策も検討できます。パナソニックのドラム式には、脱水の立ち上がりを弱くしたり、回転数を抑えたりして、音や振動を抑える設定があります。変更方法は機種ごとに異なるため、手元の品番に対応した操作を選ぶことが前提です。

日立も、対応機種では設定変更によって振動や音を抑えられると案内しています。公式FAQではBD-NX120Hを例に、脱水を「低振動モード」にする方法を紹介。ただし、この例で設定できるのは「洗濯」「洗乾」コースです。

同じメーカーでも機能の有無や操作が異なるため、機種を確認せずにボタン操作だけをまねしないようにしましょう。

また、同じBD-NX120Hの説明では、「洗乾」運転の乾燥行程で高速脱水を行うため、振動や音が大きくなる場合があるとしています。その場合は、中速モードまたは低速モードへ変更する案内です。「洗濯だけでは気にならないが、洗濯から乾燥まで運転すると気になる」という場合は、この違いも確認項目になります。

設定を探すときは、パナソニックのドラム式FAQで品番を選ぶか、日立のドラム式FAQと使用機種の取扱説明書を確認してください。設定変更は選択肢の一つですが、先に挙げたガタつきや輸送用ボルトなどの確認も必要です。

洗濯機の振動防止グッズの選び方と相談の目安

防振ゴム・マットは床へ伝わる振動音が対策の対象

防振ゴムは、家電などの下に敷いて振動音を軽減するための用品です。洗濯機用の製品を販売する東京防音は、「ニューしずか」について、床へ伝わる振動音を減衰させる効果がある一方、モーター音や水の回る音は減衰できないと説明しています。

同じ「洗濯機がうるさい」という悩みでも、どの音を軽減したいのかが選ぶ際の分かれ目です。

この説明から、防振ゴムを敷けば洗濯機のあらゆる音が静かになるとはいえません。また、同製品には設置後の水平確認が必要で、傾斜した状態では効果を発揮しない場合があるという注意があります。防振用品を使う場合にも、洗濯機が安定して水平に設置されていることが基本条件になります。

ドラム式で使えるかについても、用品の「ほとんどの洗濯機に装着可能」という説明だけで、手元の機種への適合まで決めないようにしましょう。「ニューしずか」にはその表記がありますが、ドラム式の各機種を個別に保証する説明ではありません。洗濯機側の据付条件と、用品側の寸法・耐荷重の両方を確認して選びます。

東京防音は商品ページの購入者への回答でも、効果の感じ方は床材、水平、設置状態、振動の種類、洗濯物の量や偏りなどによって異なる場合があると説明しています。購入者の感想は、その家庭の条件での評価です。「同じ商品なら同じだけ揺れが減る」と考えず、まず自宅の原因に合う用品かを判断しましょう。

薄型の具体例は「ニューしずか」TW-660

薄型の具体例は「ニューしずか」TW-660

床へ伝わる振動音の対策を検討する際の具体例が、東京防音の「洗濯機用防振ゴムマット ニューしずか(4個入り) TW-660」です。主材料は非反発ゴムで、ハネナイトを使用した薄型の製品。厚みのある台で高さを確保する目的と、薄いゴムで振動音を軽減する目的を分けて検討したい場合の候補です。

確認項目TW-660の公式商品ページの記載
商品名洗濯機用防振ゴムマット ニューしずか(4個入り) TW-660
大きさ幅60×長さ60×厚み9mm
入数4個
主材料非反発ゴム
耐荷重4個で120kg以内を推奨
使用面両面使用タイプ
設置時の条件設置後に水平を確認

耐荷重の表記は「4個で120kg以内推奨」です。1個につき120kgという意味には読み替えられません。また、AQUAは洗濯機の置き台について、本体に加えて洗濯物と水の重さが加わり、運転中には負荷もかかると説明しています。

本体の質量だけを見て適合を決めず、使用条件が不明なら用品の販売元と洗濯機のメーカーへ確認しましょう。

両面使用タイプで、キャスター受部に脚が入らない場合は裏返して使用する案内があります。ただし、取り付け方法を選べることと、すべての設置条件に適合することは別です。購入時には、東京防音のTW-660商品ページで脚との寸法関係や注意事項を確かめ、設置後にも水平を確認する必要があります。

かさ上げ台・キャスター付き台・柔らかい床は分けて考える

床の状態が振動に関わる場合は、防振ゴムの選択だけでなく、設置面への対策も検討します。日立は、ドラム式は縦型に比べて振動が床へ伝わりやすく、横揺れや音が大きくなることがあると説明。滑りやすい床、弱い床、柔らかいフローリングなどでは、別売の補強板の設置を勧めています。

使用する補強板は機種の据付説明書で確認する案内です。

設置上の目的・問題メーカーなどが案内する用品・対応
床へ伝わる振動音を軽減したい用途と適合条件が合う防振ゴム・マットを検討
床が弱い、柔らかいなどの条件がある日立は対応する補強板を案内
真下排水で高さの確保が必要パナソニックは条件に応じたフロアーあて板などを案内
本体下に掃除用の隙間を確保したいAQUAは高さ調整脚を紹介。防振機能付きなら床への振動軽減も期待できる

かさ上げする用品は、何のために高さを確保するのかを先に決めましょう。パナソニックが真下排水用に紹介するフロアーあて板は、排水パイプが内部部品を傷つけないよう、必要な高さを確保するためのものです。

一方、AQUAは掃除用の隙間を作る高さ調整脚を紹介し、防振機能があるものなら床へ伝わる振動を軽減できるとしています。

高さを上げる機能だけで、防振性能まで判断しないことが大切です。

掃除のために動かしたい場合でも、キャスター付き台には注意が必要です。AQUAは、自社を含む多くのメーカーが使用を推奨していないと説明しています。脱水時の振動などによる転倒の恐れに加え、本体を動かすことで排水ホースが曲がる、ねじれる、外れるなどして、水漏れにつながる可能性も挙げています。

そのため、洗濯機の振動防止を目的に、キャスター付き台を積極的に選ぶことは勧めません。掃除のしやすさが目的なら、対応する高さ調整脚など、メーカーが案内する方法を優先して検討しましょう。縦型ならキャスター付きでも問題ないと決めず、使用機種の設置条件を確認する必要があります。

対策しても改善しない場合は点検・修理を相談する

対策しても改善しない場合は点検・修理を相談する

衣類の偏りや設置状態などを確認しても改善しない場合は、用品を追加し続けるより、点検へ進む判断が必要です。日立のドラム式FAQでは、対策を試しても改善しない場合や、槽内に何も入っていない状態で運転しても振動する場合、本体に問題が発生している可能性があるとしています。

これは故障の断定ではありませんが、販売店やメーカーへ相談する目安になります。

パナソニックのドラム式FAQも、案内する対処や設定変更などを行っても改善しない場合には、点検・修理が必要としています。依頼先は購入した販売店または同社の修理相談窓口です。縦型で脚にガタつきがある場合も、同社は販売店や修理相談窓口への相談を案内しています。

相談時には、設置直後からなのか、特定の衣類を洗ったときなのか、洗乾運転のときなのかを伝えると、この記事で挙げた確認項目を共有できます。すでに確認した水平や排水の状態も添えましょう。家庭で行う確認、設置業者による調整、メーカーの点検を、症状に応じてつなげていくことが洗濯機の振動防止の基本です。

洗濯機の振動防止と用品選びのまとめ

この記事のまとめです。

  • 脱水時の振動は、まず衣類の偏りや絡みを確認し、縦型・ドラム式それぞれの案内に沿って均等に広げる
  • 衣類は多すぎても少なすぎても偏る場合があり、量と種類に応じて分け洗いや追加を判断する
  • 防水性の衣類など洗濯できないものは、防振用品を使って洗う対処にしない
  • 設置の水平や脚のガタつきを確認し、ドラム式の設置直後などは輸送用ボルトも確認する
  • 排水不良も振動の原因になるため、排水口・ホースや機種に応じたフィルターのお手入れを確認する
  • 対応機種では振動を抑える設定を使えるが、機能の有無と操作方法は品番ごとに確認する
  • 「ニューしずか」は床へ伝わる振動音が対象で、モーター音や水の回る音は減衰できない
  • TW-660は幅60×長さ60×厚み9mm、4個で120kg以内推奨。購入前に脚との寸法関係や据付条件も確認する
  • 柔らかい床への補強、高さの確保、防振は目的を分け、キャスター付き台は振動対策として勧めない
  • 対策後も改善しない場合や、空の槽でも振動する場合は、本体の問題の可能性もあるため点検・修理を相談する
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この記事を書いた人

こんにちは!
「洗濯機のミカタ」を運営している ミカちゃん先生 です。

家電量販店での勤務経験と、洗濯機オタクな日常から得た知識を活かして、
「どの洗濯機を選べばいいの?」「この機能って何?」といった疑問に
やさしく、分かりやすくお答えしていきます。

ドラム式か縦型か、メーカーの違い、実際の使用感など、
洗濯機にまつわる情報をたっぷりお届けしていきますので、
あなたの洗濯機選びに、少しでもお役に立てればうれしいです♪

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