洗濯機の電気代を知りたいときは、消費電力の「W」だけでなく、1回の運転で使う電気の量「Wh」を見るのが近道です。パナソニックの仕様例では、洗濯のみで約68〜70Wh。洗濯から乾燥まで使う場合は、機種・コースによって約620〜1,980Whとなり、乾燥の使い方で差が広がります。
まずは「洗濯だけで使う日が多いか」「乾燥まで任せたいか」を分けて考えましょう。ここでは公式仕様の具体例から、WとWhの見分け方、1回・月間・年間の電気代、無理なく続けられる節電方法まで説明します。金額は目安単価31円/kWh(税込)で試算し、水道代は含めません。
- 消費電力Wと1回の消費電力量Whの違い
- 洗濯のみ・乾燥までの電気代比較
- 使用回数に合わせた月間・年間の計算方法
- 省エネコース・まとめ洗い・通信待機の確認点
洗濯機の消費電力と電気代の目安
消費電力Wと消費電力量Whはどう違う?

消費電力は、機器を動かすときに使われる電力で、単位はW(ワット)。消費電力量は、消費電力と使用時間の積で表す電気の量で、単位はWh(ワットアワー)です。電気代の計算には、Whを1,000で割ってkWhに直した値を使います。
| パナソニックの機種例 | 消費電力の記載(約) | 記載対象・条件 |
|---|---|---|
| NA-LX129FL | 電動機280W/電熱装置1,000W/最大値1,280W | 最大値は温水時 |
| NA-FA12V6 | 電動機415W/湯沸かし用電熱装置1,000W | 電動機は洗濯時 |
| NA-SD10UBL | 電動機270W/最大値660W | 最大値は乾燥時 |
このように、仕様表のWは電動機、電熱装置、特定の運転時の最大値など、何を示すかが異なります。「洗濯機は一律に何W」とまとめたり、電動機のWと別機種の最大値を並べたりすると、比較する対象がずれてしまいます。数値の横にある項目名まで一緒に読むのが大切です。
一方、洗濯機のカタログにある消費電力量は、標準的な使い方で1回運転したときの値です。日本電機工業会は、全自動洗濯機では規定の試験布を定格容量入れ、標準コースで運転して測定すると説明しています。運転1回の電気代を知るなら、このWhの欄を使いましょう。
Wの数値を、そのまま1回分の電気の量として扱うことはできません。
洗濯のみなら1回いくら?縦型とドラム式を比較
洗濯のみの電気代は、縦型かドラム式かという形の違いだけでは決まりません。パナソニックが掲載している12kgモデルの定格洗濯・おまかせコースの比較では、ドラム式が約68Wh、縦型が約70Wh。両機種の洗濯時の電気代は近い値です。
| 比較項目 | ドラム式 NA-LX129FL | 縦型 NA-FA12V6 |
|---|---|---|
| 洗濯・脱水容量 | 12kg | 12kg |
| 定格洗濯時の消費電力量 | 約68Wh | 約70Wh |
| 1回の電気代・本記事の試算 | 約2.11円 | 約2.17円 |
表の金額は31円/kWhで計算し、小数第3位を四捨五入したものです。メーカーの比較ページでは両方とも「約2.2円」と案内されています。電気代を比較するときは、表示された概算額に加え、計算のもとになったWhも見ると、差の大きさを読み取れます。
ただし、これは上記2機種の定格洗濯時の比較です。縦型とドラム式の全機種が同じ電気代という意味ではありません。また、洗濯だけの数値を、温水を使う別コースや洗濯から乾燥までの運転に当てはめないようにしましょう。仕様表には洗濯時と洗濯乾燥時の消費電力量が分けて記載されています。
洗濯から乾燥まで使うと消費電力量はどれくらい?

乾燥まで使う場合は、乾燥方式とコースを見比べましょう。次の表は、同じメーカーのヒートポンプ式とヒーター式の仕様例です。掲載値は「洗濯から乾燥まで」の合計であり、乾燥だけに使う電力量ではありません。
| 機種・乾燥方式 | 洗濯乾燥時の容量 | モード | 消費電力量(約) | 1回の電気代・本記事の試算 |
|---|---|---|---|---|
| NA-LX129FL・ヒートポンプ式 | 6kg | 標準乾燥 | 800Wh | 24.80円 |
| NA-LX129FL・ヒートポンプ式 | 6kg | 省エネ乾燥 | 620Wh | 19.22円 |
| NA-SD10UBL・ヒーター/排気式 | 5kg | 標準乾燥 | 1,980Wh | 61.38円 |
パナソニックのLXシリーズのヒートポンプ式は、湿気を含んだ空気を除湿し、乾いた温風で衣類を乾かす方式です。SDシリーズのヒーター式は、ヒーターで空気を加熱し、乾燥中に発生する湿った空気を機外へ排気します。同社は、このヒーター式について、ヒートポンプ式のドラムより電気代がかかると説明しています。
表ではヒートポンプ式のほうが低い値ですが、定格容量は6kgと5kgで異なります。同じ量の衣類を同じ条件で乾かした実測比較としては扱えません。
機種を選ぶときは、乾燥方式、洗濯乾燥容量、標準・省エネのどちらかをセットで比べてください。
洗濯だけの電気代が近くても、乾燥まで使う頻度によって、重視したい仕様は変わります。
1回・1か月・年間の電気代を自宅の条件で計算する方法
1回の電気代=消費電力量(Wh)÷1,000×電気料金単価(円/kWh)
月間・年間の目安は、この1回分に、それぞれの期間の運転回数を掛けて求めます。
本記事で使う31円/kWh(税込)は、家電の電気代を示すための目安単価です。2022年7月改定の値で、どの家庭にもそのまま当てはまる契約単価ではありません。自宅の試算では、契約している電力会社の料金案内などで確認した単価に置き換えます。
例えば、NA-LX129FLで定格6kgの洗濯から乾燥まで標準乾燥モードを使うなら、800Wh÷1,000×31円=24.80円。1か月に30回なら744円、年間365回なら9,052円という試算になります。次の表も、各運転を月30回・年365回行うと仮定したものです。
| 機種・使い方 | 1回の消費電力量(約) | 月30回の電気代 | 年365回の電気代 |
|---|---|---|---|
| NA-LX129FL・洗濯のみ12kg | 68Wh | 約63円 | 約769円 |
| NA-FA12V6・洗濯のみ12kg | 70Wh | 約65円 | 約792円 |
| NA-LX129FL・洗濯乾燥6kg、標準 | 800Wh | 744円 | 9,052円 |
| NA-LX129FL・洗濯乾燥6kg、省エネ | 620Wh | 約577円 | 約7,015円 |
| NA-SD10UBL・洗濯乾燥5kg、標準 | 1,980Wh | 約1,841円 | 約22,404円 |
月額・年額は、1回分を丸める前の値から計算し、最後に1円単位で四捨五入しています。洗濯のみの日と乾燥まで使う日が混在するなら、それぞれの単価に回数を掛けて足しましょう。「洗濯から乾燥まで」の金額には洗濯分が含まれるので、同じ運転の洗濯代を重ねて加える必要はありません。
なお、仕様値による試算は請求額の保証ではありません。日立は、消費電力量が衣類の種類・重量・片寄り、室温、据付状態などで増減すると案内しています。また、メーカーの「電気代+水道代」という表示と比べる際は、合計額ではなく電気代の内訳を見てください。
洗濯機の消費電力を抑える使い方と比較のポイント
省エネコースは電気代と運転時間を一緒に比べる
運転時間が短いコースほど電気代も安い、とは限りません。NA-LX129FLの定格洗濯乾燥時では、省エネ乾燥モードのほうが消費電力量は少ない一方、終了までの目安時間は長くなります。
| NA-LX129FL・定格洗濯乾燥6kg | 標準乾燥モード | 省エネ乾燥モード |
|---|---|---|
| 消費電力量(約) | 800Wh | 620Wh |
| 目安時間(約) | 98分 | 165分 |
| 1回の電気代・本記事の試算 | 24.80円 | 19.22円 |
この例では、時間に余裕がある日は省エネ乾燥、早めに仕上げたい日は標準乾燥という選び方ができます。電気代だけを見て省エネ側へ固定するより、必要な仕上がり時刻と両立できるかを考えましょう。長く運転する省エネモードでも電力量が少ないことから、所要時間だけでは節電性能を判断できないと分かります。
メーカーの比較ページでは、所要時間は室温20℃の場合で、給水・排水時間を含むとしています。コースの運転内容を切り換えると記載時間とは異なります。表の時間は毎回必ず同じ時刻に終わるという意味ではなく、標準乾燥と省エネ乾燥の違いを見るための目安です。
まとめ洗いは容量以内で回数を減らす


洗濯のみで節電したいなら、少量ずつ何度も運転していないかを見直してみましょう。資源エネルギー庁は、洗濯機の容量に合わせてまとめ、洗濯回数を少なくすることを省エネ方法として紹介しています。日本電機工業会も、定格容量以下でのまとめ洗いは電気と水の節約につながると案内しています。
資源エネルギー庁の例では、定格6kgの洗濯機に容量の4割を入れて洗う場合と、8割を入れて運転回数を半分にする場合を比較しています。後者の年間の節約額は、電気が約180円、水道が約4,360円。まとめ洗いの節約額を読む際は、電気代だけか、水道代も含むのかを分けて捉えてください。
この試算額が別の容量や使用頻度にもそのまま当てはまるわけではありません。
ただし、まとめ洗いは詰め込みを勧めるものではありません。日本電機工業会によると、入れすぎると衣類の回りが悪くなり、消費電力が多くなります。さらに、洗濯容量と乾燥容量は別です。NA-LX129FLでは洗濯12kgに対して乾燥6kgなので、乾燥まで行う日は乾燥側の容量を基準に考える必要があります。
乾燥の回数・自然乾燥の併用・お手入れを見直す
乾燥までよく使う家庭では、乾燥運転の回数も見直す対象です。資源エネルギー庁は衣類乾燥機について、定格5kgの4割ずつを毎日乾かす場合と、8割をまとめて2日に1回乾かす場合を比較し、後者で年間41.98kWhの省エネになると紹介しています。
洗濯乾燥機で同じ削減量になるとは限りませんが、容量に合わせて回数を減らす考え方の参考になります。
干せる日は自然乾燥を併用する方法もあります。同庁の衣類乾燥機の例は、「自然乾燥を8時間行い、未乾燥のものを補助乾燥する場合」と「乾燥機だけで乾かす場合」を、2日に1回使用する条件で比較したものです。自然乾燥を取り入れる際も、この試算を洗濯乾燥機の特定コースの効果として読み替えないようにしましょう。
運転回数以外では、洗剤の入れすぎや乾燥フィルターの目詰まりにも気を配りたいところ。日本電機工業会は、洗剤を適量以上に入れるとすすぎに時間がかかり、電気代や水道代の無駄になると説明しています。また、乾燥フィルターが目詰まりすると乾燥時間が長くなり、電気の無駄につながります。
お手入れの場所と方法は機種ごとに合わせます。パナソニックの公式FAQでも、乾燥ユニットの形状によって異なるため、該当する機種を選ぶ案内になっています。
別機種の掃除方法をそのまま使うより、手元の型番に合う取扱説明書や公式案内に沿って行いましょう。
待機電力はゼロ?通信機能の設定で分けて考える


待機電力は、洗濯や乾燥をしている間の電気代とは分けて考えます。日立の公式FAQは、電源オフ時に消費電力はかからないと案内しています。パナソニックのNA-FA12V6の仕様表にも「待機電力ゼロ」と記載されています。ただし、通信機能を使う設定まで一律にゼロとは限りません。
パナソニックの公式FAQでは、「スマホで洗濯」アプリ利用時にスタンバイモードを設定していると、無線LAN接続を継続するため、電源「切」でも約6Wを消費すると説明しています。電気代は31円/kWhで約140円/月というメーカーの目安です。
これは通常の電源オフと、アプリのための通信待機を区別した案内です。
洗濯機の消費電力と電気代のまとめ
この記事のまとめです。
- 電気代は消費電力Wだけで判断せず、1回の消費電力量Whを使って計算
- Wを比べる際は、電動機・電熱装置・最大値などの項目と運転条件を確認
- 12kgの機種例では洗濯のみが約68〜70Whで、31円/kWhによる試算は1回約2.11〜2.17円
- 洗濯乾燥の例は約620〜1,980Whで、乾燥方式・コース・定格容量をそろえて検討
- 1回の電気代はWh÷1,000×料金単価で求め、月間・年間は使用回数を掛けて試算
- 31円/kWhは2022年7月改定の目安単価であり、自宅の試算では契約単価に置き換え
- NA-LX129FLの定格洗濯乾燥6kgでは、省エネ乾燥は標準乾燥より電力量が少なく所要時間は長め
- まとめ洗いは定格容量以内で行い、乾燥まで使う日は洗濯容量とは別の乾燥容量に注意
- 洗剤は適量を守り、乾燥フィルターなどは機種に合う公式の方法でお手入れ
- 通常の電源オフと通信待機は別扱いで、パナソニックの該当設定では約6W・約140円/月の案内
参考にした情報
- 洗濯時と乾燥運転時の電気代を教えてください。:日立の家電品
- 洗濯機の性能で何を重視する? | 洗濯機・衣類乾燥機 | Panasonic
- ドラム式と縦型 乾燥機能の違い | 洗濯機・衣類乾燥機 | Panasonic
- 洗濯機・掃除機 | 無理のない省エネ節約 | 家庭向け省エネ関連情報 | 省エネポータルサイト
- NA-LX129FL 仕様・詳細情報 – ななめドラム洗濯乾燥機 | 洗濯機・衣類乾燥機 | Panasonic
- NA-FA12V6 仕様・詳細情報 – 全自動洗濯機 | 洗濯機・衣類乾燥機 | Panasonic
- NA-SD10UBL 仕様・詳細情報 – ななめドラム洗濯乾燥機 | 洗濯機・衣類乾燥機 | Panasonic
- すぐわかる!家電エコ用語ナビ – 消費電力量 -|JEMA
- 省エネ・節電のための上手な使い方 | JEMA 一般社団法人 日本電機工業会
- 洗濯乾燥機 電気代+水道代シミュレーション | 洗濯機・衣類乾燥機 | Panasonic
- 洗濯機の待機電力や電気代は – 洗濯機/衣類乾燥機 – Panasonic
- ドラム式洗濯機の乾燥フィルター・乾燥経路のお手入れ – ドラム式洗濯乾燥機 – Panasonic










