洗濯機の足上げは必要?かさ上げの高さ・選び方と設置の注意点

洗濯機の足上げは必要?かさ上げの高さ・選び方と設置の注意点

洗濯機の足を上げたいときは、まず「排水ホースを通したい」「下を掃除したい」「振動を抑えたい」のどれが目的かを分けましょう。脚の下に専用の台やマットを置く「かさ上げ」は、排水や掃除のための空間を作れる一方、設置が不安定になるとかえって振動や音が大きくなる場合があります。

また、本体の脚を調節して水平にすることと、本体全体をかさ上げすることは目的が違います。必要な高さだけでなく、蛇口や棚との間隔、洗濯物の取り出しやすさまで含めて、自宅に合う方法を考えていきましょう。

この記事のポイント
  • 排水・掃除・防振で異なる足上げの判断
  • 水平調整とかさ上げの違い
  • 高さ・寸法・耐荷重から見る台の適合
  • 代用品を避けた専門業者への設置相談
目次

洗濯機の足を上げる必要性と高さの決め方

足上げは排水・掃除のために検討し、設置条件から必要性を判断

足上げは排水・掃除のために検討し、設置条件から必要性を判断

かさ上げを検討したいのは、洗濯機の下に必要な空間を確保できない場合です。代表的なのが、排水口が本体の真下にある設置。ホースを通す余裕がないまま置くと、本体にホースが押しつぶされ、排水不良を起こす可能性があります。この場合は、見た目の高さよりも、ホースを適切に接続できることが優先です。

ただし、「排水口が真下なら市販の台が必須」とは限りません。日立のタテ型洗濯機のFAQでは、BW-X120Gを例に、防水パンの形状や寸法によって、付属ホースで接続できる条件と、別売の直下排水キットが必要な条件を分けています。四隅が高い防水パンでは、条件が合えばキットが不要な場合もあります。

もう一つの目的は、洗濯機の下の掃除です。床との隙間が広がると、ハンディモップなどが入りやすくなります。排水のために必要なかさ上げと、掃除をしやすくするためのかさ上げは分けて考えましょう。ホースの空間が足りているなら、次に検討するのは、今の隙間で掃除に困っているかどうかです。

私なら、台を選ぶ前に、洗濯機の型番と排水口の位置、防水パンの形を整理します。同じ「真下排水」でも必要な部品が変わるためです。排水の接続条件が分からない段階では、かさ上げ台だけを先に購入せず、機種に対応する据付説明書と販売店の案内を出発点にしましょう。

調節脚は水平を整えるもの|本体全体のかさ上げと分ける

「足を上げる」という言葉には、本体の脚の高さを調節する意味もあります。パナソニックのドラム式洗濯機のFAQでは、本体が水平でないと振動や音の原因になるため、ガタつきがある場合は脚の高さを調節し、水平を確認するよう案内しています。こちらは、安定した設置状態に整えるための調整です。

一方、かさ上げは、脚の下に専用の台やマットを敷いて本体の位置を高くする方法です。排水ホースや掃除の空間を作りたい場合と、ガタつきを直したい場合では、確認する点が異なります。「揺れるから、とりあえず台を足す」と決めず、まず困っているのが傾きなのか、下の空間不足なのかを切り分けてください。

なお、脚の調節も、機種によっては持ち上げを伴います。パナソニックは、前脚を少し浮かすなどの作業で手や指を挟むおそれがあるとして、購入した販売店または施工業者への依頼を案内しています。脚を回す方向や調節できる量を他機種の説明で代用せず、自分の機種の案内に従いましょう。

何cm上げる?掃除の目安と排水に必要な高さは別

何cm上げる?掃除の目安と排水に必要な高さは別

高さの目安として、ハイアールは5〜10cm程度の高さを出したい場合に、キャスターのない足つきタイプを紹介しています。また、かさ上げ用品メーカーのタツフトは、下部の掃除のしやすさについて7cm以上を目安に挙げています。

ただし、これらは目的に応じた目安であり、すべての洗濯機の設置を保証する寸法ではありません。

目的高さを決めるときの基準
排水ホースを通す対象機種の据付条件、排水口と接続部の位置、防水パンの形状
下の床を掃除する使いたい掃除道具が入る空間と、上方の設置余裕
床へ伝わる振動を抑える高さだけでなく、防振性と安定性
本体のガタつきを整える脚の調節による水平の確認

特に排水は、かさ上げする高さだけでは判断できません。前述の日立のBW-X120Gを例にした説明でも、防水パンの高さに加え、内寸、設置面の深さ、接続部との段差で条件が分かれています。「5cmの台なら大丈夫」と一つの数字で決めず、機種と設置場所を組み合わせて確認する必要があります。

掃除が目的なら、単に高い台を選ぶのではなく、使いたいモップなどが入るかを考えます。ハイアールは、かさ上げで掃除道具が入りやすくなる一方、本体が高くなると棚や蛇口に干渉する場合があるとも説明しています。下の空間を広げられても上に収まらなければ設置できないため、上下を一緒に見ることが大切です。

振動・音は必ず減るわけではなく、原因の確認が先

防振性のあるゴム製のかさ上げ台には、床へ伝わる振動を抑え、騒音を軽減する効果が期待できます。ただし、足を高くすること自体が防振になるわけではありません。ハイアールは、本体の位置が高くなると重心も高くなり、揺れやすくなる傾向があると説明しています。

とくに、かさ上げ台が不安定だと、振動や音がかえって大きくなる場合があります。掃除スペースは不要で音を抑えたいだけなら、大きく高さを出す台だけでなく、防振・防音を目的としたゴムマットタイプも検討対象です。必要な機能が「高さ」なのか「床へ伝わる振動の軽減」なのかで、選ぶ用品が変わります。

すでに脱水時の音が気になっている場合は、台を購入する前に原因を確認しましょう。パナソニックのドラム式のFAQでは、床の状態や衣類の片寄りのほか、排水が不十分なこと、本体が水平に設置されていないことも振動に関わると案内しています。

かさ上げ用品を追加するだけでは、これらの問題への対処にならない場合があります。

同社は排水フィルターや排水口のお手入れ、ホースの引き回しの見直しで改善する場合があるとも説明しています。まず自分の機種の対処案内に沿って確認し、改善しない場合は販売店などへ相談を。

振動の原因が分からないまま台の高さを増やしていく方法は避けましょう。

洗濯機の足を上げる台の選び方と設置の注意点

棚・蛇口・ふたの開閉と、縦型の取り出しやすさを確認

かさ上げ台を置く前に見たいのは、洗濯機の上に残っている余裕です。上部の棚や乾燥機、低い位置にある給水用の蛇口は、本体を上げると干渉する場合があります。今の状態で収まっていることを、そのままかさ上げ後の設置可否と考えないようにしましょう。

本体の外形寸法だけでなく、ドアやふたを開けたときの寸法も対象です。日立も、これらの寸法は機種によって異なると案内しています。縦型で上に棚がある場合は、本体が入るかに加え、ふたを開ける空間が残るかまで確認してください。ドラム式も、対象機種の寸法図を基準に判断します。

また、周囲の壁などから離すために必要な寸法もあります。日立の設置案内では、洗濯機の種類や一部の機能、排水ホースを引き出す側によって条件が分かれています。棚や蛇口に直接ぶつからなければ十分、と判断せず、自分の機種に必要な設置空間を残すことが前提です。

使い勝手では、縦型の洗濯物の取り出しやすさも見落とせません。ハイアールは、かさ上げにより槽の底も高くなり、底にある洗濯物が取り出しにくくなる可能性を挙げています。掃除のために高さを増やした結果、毎回の取り出しが負担にならないか。上部の寸法と合わせて考えたい点です。

台は寸法・耐荷重・対応を照合|TFi-9045を例に見る

台は寸法・耐荷重・対応を照合|TFi-9045を例に見る

かさ上げ台は、欲しい高さに加えて、設置する場所に収まる寸法、耐荷重、洗濯機への対応を確認して選びます。タツフトは、耐荷重について洗濯機に水が入ることも考えて余裕のあるものを選び、ドラム式の場合はドラム式への対応も確認するよう案内しています。本体重量の数字だけで選び終えないことがポイントです。

具体例として、タツフトの「あしあげ隊 TFi-9045 洗濯機高さ調整ゴムマット」があります。洗濯機の下に置いて使う4個セットで、メーカー公式販売ページでは縦型・ドラム式対応と案内されています。

高さを出す用品の候補ですが、この対応表示だけで自宅への設置まで決まるわけではなく、洗濯機側の据付条件との照合が必要です。

洗濯機のミカタ

あしあげ隊 TFi-9045 洗濯機高さ調整ゴムマット を探す

確認項目TFi-9045の公式表示
1個あたりの寸法幅100×奥行100×高さ45mm
セット内容4個
耐荷重量500kg
高さの選択1セットで45mm、2セットを重ねて90mm
重ねる段数の上限2段まで
対応の案内縦型・ドラム式

この製品では、足元に置く部材が100mm四方ある点も購入前に見る寸法です。防水パンの内寸や設置面の形状と合わせて、置ける位置を販売店に確認しましょう。また、2段にする場合は2セットが必要です。1セットの4個を使う設置と混同せず、必要な高さとセット数を対応させて選んでください。

なお、メーカーは床に伝わる振動を20〜40%軽減するとしていますが、これは社内調べで、設置環境によって異なるという条件付きです。音が同じ割合で小さくなる、必ず揺れが収まるという意味にはできません。寸法や高さが合うかを確認したうえで、防振性能はこの条件を含めて判断しましょう。

キャスター付き台やレンガ・木材の代用は避ける

掃除のたびに動かせるキャスター付き台は便利そうですが、洗濯機メーカーの注意を優先しましょう。日立は、キャスター付きの台など不安定な場所では、運転中の振動で本体が動いたり、倒れてけがをしたり、電気部品が壊れたりするおそれがあると警告しています。

ハイアールも、脱水時に動くリスクからキャスターのないものを推奨しています。

そのため、「移動しやすいから」という理由だけでキャスター付き台を選ぶことはおすすめしません。とくに日立の洗濯機で、キャスター付き台への設置を前提にするのは避けてください。かさ上げで必要なのは、運転中も本体を安定して支えられる設置です。

家にある材料での代用にも注意が必要です。ハイアールは、レンガやコンクリートブロックは振動で割れたり床を傷つけたりするおそれ、発泡スチロールは重さでつぶれて本体が傾く危険を挙げています。木材についても、湿気による腐食や、滑って洗濯機が落下するリスクを説明しています。

安く高さを足すことを優先せず、耐荷重の示された洗濯機用の専用品から検討しましょう。また、専用品でも、重ねられる段数は製品ごとの条件です。TFi-9045は2段までとされています。この条件をほかのマットに当てはめたり、さらに材料を足して高さを増やしたりしないでください。

設置は販売店・専門業者へ|相談内容と設置後の確認

設置は販売店・専門業者へ|相談内容と設置後の確認

すでに置いてある洗濯機の下へ台を入れる作業は、自分で持ち上げる前に販売店や専門業者へ相談しましょう。日立は設置を販売店・専門業者に依頼するよう案内し、運搬についても2人以上としています。本体を引きずると、部品や排水ホースを破損する可能性があるとの注意もあります。

「少し浮かせて台を差し込むだけ」と考えがちですが、パナソニックは脚の調節に伴う作業でも、手や指を挟むおそれを挙げています。人数さえそろえば設置できると判断せず、対象機種と設置場所に合う方法を依頼先と相談してください。

  • 洗濯機の型番と、足上げの目的
  • 排水口の位置、防水パンの内寸・高さ・設置面の形状
  • 蛇口や棚の位置、ドア・ふたを開けるための空間
  • 希望する台の型番と高さ、真下排水用の別売部品の要否

相談時は、上の情報を伝えると、かさ上げ台だけでよいのか、排水用の部品も必要なのかを具体的に確認できます。買い替えや引っ越しで新たに設置する場合は、搬入後に台を追加する前提にせず、設置計画の段階で希望を伝えておきましょう。

日立も、搬入時の作業スペースを考慮し、事前に配送業者へ相談するよう案内しています。

TFi-9045の公式販売ページでは、設置後に必ず試運転し、激しい揺れなどの異常がないか確認するよう求めています。激しい振動で台や洗濯機の位置がずれる場合は使用を中止する条件です。

置けたことだけで完了とせず、設置後の確認まで含めて依頼しましょう。

掃除用の隙間ができても、運転中に手足を入れたり、下を掃除したりしないでください。TFi-9045の公式販売ページでも禁止されています。かさ上げ後は、空間ができることと、安全に触れられることを分けて考えましょう。

洗濯機の足上げを判断するポイントまとめ

この記事のまとめです。

  • 足上げは、排水ホースの空間確保と掃除のしやすさを目的に検討する
  • 排水口が真下でも、必要な台や部品は機種と防水パンの条件で異なる
  • 調節脚による水平調整と、本体全体のかさ上げは目的が違う
  • 5〜10cmなどの紹介例は目安であり、排水に必要な高さは据付条件で判断する
  • 防振用品には効果が期待できる一方、不安定なかさ上げで振動が増える場合もある
  • 高さを決める前に、棚・蛇口・ふたの開閉と縦型の取り出しやすさを確認する
  • 台は寸法・水が入ることを考えた耐荷重・ドラム式への対応を照合して選ぶ
  • TFi-9045は4個セットで高さ45mm、2セットを重ねる場合は90mmで、上限は2段
  • キャスター付き台や、レンガ・発泡スチロール・木材による代用は避ける
  • 設置は販売店・専門業者に相談し、TFi-9045は設置後の試運転で異常や位置ずれを確認する
  • かさ上げ後も運転中は下に手足を入れたり掃除したりしない
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この記事を書いた人

こんにちは!
「洗濯機のミカタ」を運営している ミカちゃん先生 です。

家電量販店での勤務経験と、洗濯機オタクな日常から得た知識を活かして、
「どの洗濯機を選べばいいの?」「この機能って何?」といった疑問に
やさしく、分かりやすくお答えしていきます。

ドラム式か縦型か、メーカーの違い、実際の使用感など、
洗濯機にまつわる情報をたっぷりお届けしていきますので、
あなたの洗濯機選びに、少しでもお役に立てればうれしいです♪

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